青森県沖で深夜、気温が氷点下に迫る時間帯に強い地震が発生し、東北沿岸地域が激しく揺れた。地震の規模は最終的にM7.5と確認され、青森県三八上北地方で震度6強を観測。津波警報も発表され、多くの住民が厳しい寒さの中で緊急避難を強いられた。道路の亀裂や建物内部の物品散乱などの被害が相次ぎ、旅館や商店、住宅では当時の激しい揺れを伝える声が多数寄せられている。日本政府は直ちに関係省庁での緊急対応を開始し、「北海道・三陸沖の後続地震」に関する警戒を強化した。
深夜の強震、最大70センチの津波も
地震が発生したのは午後11時15分。就寝前の住民を突然の激しい揺れが襲った。八戸市に住む40代男性は「下から突き上げられるような揺れが来て、その後も上下左右に続いた」と語り、多くの住民がこの「突き上げ」を最も強烈な体感として挙げている。
青森県三沢市の『朝日新聞』記者も、緊急地震速報直後に「下から激しく突き上げる揺れが来た」と証言し、建物のきしむ音や地鳴りが響く中、壁の時計が落下し、台所の物が次々と床に落ちたという。最初の揺れが収まった直後に余震が到達し、警報音と揺れが重なる状況がしばらく続いた。
太平洋沿岸には津波警報が発表され、岩手県の久慈港では最大70センチの津波を観測。他の地域でも50センチ前後の海面変化が確認され、不安が広がった。八戸市内のあるホテルでは、大浴場の湯が激しく揺れ、「天井に届きそうなほど」波立ったという。
住民は寒夜に避難 23人負傷、交通にも影響
揺れの後、住民は零度近い寒さの中、避難所へ急いだ。青森や北海道周辺では揺れが長時間続き、強度も大きく、立っていられなかったと話す人も少なくない。
コンビニ店員の女性は「左右の強い揺れが3〜4分ほど続き、立っていられなかった」と証言。棚は倒れ、酒瓶が割れ、冷蔵庫の中身は床に散乱。地面は水で濡れ、歩くのも困難な状況だった。店内を見渡し「どこから片づければいいのか分からないほどの惨状だった」と振り返っている。
宿泊施設でも対応に追われた。当初は屋外への避難が指示されたが、津波警報を受け、沿岸部のリスク回避のために高層階へ再誘導されるなど、避難動線が何度も変更され、現場は一時、混乱したという。
消防庁によると、この地震で少なくとも23人が負傷し、うち1人は重傷。多くは落下物によるけがだった。また東北地方では、道路にできた陥没により軽傷を負った男性も報告されている。
電力供給は一時数千戸が停電し、最終的に約800戸が影響を受けた。交通では新幹線と一部の在来線が安全確認のため運転を見合わせ、新千歳空港では約200人が足止めとなった。
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午後11時15分の本震以降、被害は急速に広がり、久慈港で70センチの津波を観測したほか、各地で約50センチ前後の海面変動、道路の亀裂、建物の損傷、物品の散乱が相次いだ。津波警報と注意報が解除されたのは未明にかけてで、住民らは余震と寒さの中で新たな情報を待ち続けた。



















































