ハンタウイルス感染のクルーズ船がテネリフェ寄港へ WHO「新型コロナの再来ではない」

2026年5月6日、オランダのアムステルダム・スキポール空港にて、ハンタウイルスへの感染が疑われる患者を支援する医療従事者。同患者はこれに先立ち、クルーズ船「ホンディウス号(MV Hondius)」から退避した。(写真/AP通信提供)
2026年5月6日、オランダのアムステルダム・スキポール空港にて、ハンタウイルスへの感染が疑われる患者を支援する医療従事者。同患者はこれに先立ち、クルーズ船「ホンディウス号(MV Hondius)」から退避した。(写真/AP通信提供)

2026年、世界初となる洋上でのハンタウイルス感染拡大が確認された。オランダ船籍のクルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」では既に3人が死亡しており、ハンタウイルスの洋上感染としては過去最悪の事態となっている。同船は現在、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島への寄港に向けて最終段階に入っている。

世界保健機関(WHO)は、原因となったハンタウイルスの一種「アンデスウイルス」の致死率が最大50%に達し、ヒトからヒトへ感染する可能性があると指摘した。一方、WHO事務局長のテドロス・アダノム氏は急遽スペインへ向かい、「新型コロナウイルスの再来ではない」と述べ、パニックを引き起こさないよう呼びかけた。ホンディウス号がゆっくりと接岸する岸壁では、防護服に身を包んだ防疫スタッフだけでなく、新型コロナのパンデミックを思い出し不安を募らせる多くの地元住民が待ち受けている。

一方で、米通信社『AP通信』は、世界の保健衛生体制が強力なリーダーシップを必要としている現在、かつて公衆衛生の要であった米疾病対策センター(CDC)が、トランプ米大統領率いる政権の政治的思惑により「機能不全」に陥っていると報じた。この事態は、ポスト・コロナ時代における世界の公衆衛生防衛線に対するストレステストとなっている。

2026年5月8日、スペイン領カナリア諸島テネリフェ島のグラナディージャ港で、到着予定のクルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」の乗客を受け入れる準備をする作業員。(AP通信)
2026年5月8日、スペイン領カナリア諸島テネリフェ島のグラナディージャ港で、到着予定のクルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」の乗客を受け入れる準備をする作業員。(写真/AP通信提供)

洋上の恐怖、致死率50%に達するアンデスウイルス

​英『ロイター通信』および『AP通信』の報道によると、今回の危機の発端は今年3月に遡る。当時、乗客乗員約147人を乗せたホンディウス号は、アルゼンチンのウシュアイアを出航し、南極大陸や南大西洋の複数の島々を経由していた。同船は南極・南米航路を専門とする極地探検クルーズ船であり、大西洋を横断して西アフリカのカーボベルデに向かう予定だった。WHOの疫学調査によれば、最初の感染者はオランダ国籍の夫婦である。乗船前にアルゼンチンまたはチリでのバードウォッチングに参加した際、アンデスウイルスの自然宿主が生息する環境に曝露したとみられ、乗船時には無症状であった。

4月上旬、70歳の夫が船内で発熱、頭痛、下痢の症状を訴え、1週間足らずで呼吸不全により死亡した。その後、69歳の妻とドイツ国籍の女性1人も相次いで感染し死亡した。WHOは5月8日、現在までに8人の感染(死者3人を含む)が確認されており、そのうち6人がハンタウイルス陽性、残り2人が感染疑い例であると発表した。

さらにWHOは、今回感染を引き起こしたのは通常のハンタウイルスではなく、「アンデスウイルス」であることを確認した。WHOの警告によれば、米国において同ウイルスに感染した場合の致死率は最大50%に達するという。さらに懸念されるのは、アンデスウイルスが現在知られているハンタウイルスのうち、密接かつ長時間の接触を通じて「ヒトからヒトへ」感染する可能性のある唯一の株であるという点だ。 (関連記事: 次の大流行は新型コロナウイルスを超える惨事?フランス・パスツール研究所が警告:致命的な「免疫の空白」に直面する人類 関連記事をもっと読む

クルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」。(AP通信)
クルーズ船「ホンディウス(MV Hondius)号」。(写真/AP通信提供)

『ロイター通信』は、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学の教授・グスタボ・パラシオス氏の分析を引用している。アルゼンチンでは2018年から2019年にかけてアンデスウイルスのヒト・ヒト感染によるアウトブレイクが発生し、最終的に34人が感染、11人が死亡した。5月2日からWHOに助言を行っているパラシオス氏は、「我々が学んだ核心的な教訓は、体調が悪い場合は自宅に留まるなどの基本的なソーシャルディスタンス(社会的距離)措置を実施すれば、ウイルスの伝播を効果的に減らすことができ、最終的に感染拡大は自然に収束するということだ」と強調している。

最新ニュース
スイス高級時計チューダー、日本相撲協会初のワールドワイドパートナーに就任 大関・霧島が発表会に登壇
TSMC株高で台湾の年金急伸 1000万人の老後支える一方、集中リスクも
米中首脳会談、台湾は取引材料になるのか 関税と選挙を巡る駆け引きにアジア警戒
【舞台裏】武器購入予算が引き裂いた国民党 「反鄭麗文連合」形成で党内亀裂が深刻化
「平和を望むなら戦に備えよ」 バローゾ元欧州委員長、欧州の防衛自立を訴え
アップル、インテルと半導体生産で提携へ TSMC一極依存に転機
SR渋谷が「東京サンロッカーズ」へ名称変更、新アリーナ移転を発表 ドラフト1位・山﨑一渉らとの契約も締結
【Bリーグ】サンロッカーズ渋谷が「東京サンロッカーズ」へ名称変更、新ロゴも発表 本拠地を江東区へ移転し再出発
ジャパン・ソサエティー理事長が日米関係を分析 高市首相の外交手腕を評価し、日本の主体的リーダーシップを提言
闇に咲く光の記憶 台湾人写真家・廖文瑄、京都「KG+ 2026」で母性と再生を問う個展を開催
パネライ「時の深淵」展が伊勢丹新宿店で開催 元ラグビー日本代表・五郎丸歩が語る「装備」としてのルミノールの魅力
パネライの新作「ルミノール PAM01735」の魅力とは?元ラグビー日本代表・五郎丸歩が体現する「正確な時を刻むツール」の価値
中東危機で浮かぶ中国の存在感 「予測可能な大国」と米国の失速
台湾人写真家・廖文瑄が「KG+ 2026」に入選、個展『残響記・息』を開催 三度の妊娠を通じた生命の循環を写し出す
【舞台裏】無人機からレアアースまで 台湾・林佳龍外相が冷遇部署に放った「隠密戦士」の狙い
台湾産マンゴー輸出好調、最高3700円で日本高級百貨店へ進出 日韓・シンガポールなどで需要拡大
自治体・公共 Week 2026で「野生動物リスク対策ゾーン」を初開催 AI検知や撃退技術など最新クマ被害対策が進化
台湾・高雄に海を見渡す新商業施設「FOCUS 13 珊瑚広場」開業 台湾唯一の海景複合型文化施設、約40ブランドが出店
台湾で肺がん検査に最長半年待ち 背景に防衛的医療と総枠規制
『ASEA 2026』U-NEXTで独占生配信!ENHYPEN、FRUITS ZIPPER、生田斗真ら出演の豪華祭典を全編網羅
ファナティクス、FIFAと歴史的な独占ライセンス契約を締結 2031年からサッカー界初の「実使用ジャージーパッチカード」導入へ
米国防総省、UFO機密ファイルを大量公開 トランプ大統領の公約実現「地球外生命体の存否は自身で判断を」
【父の日2026】ロイヤルホスト デリ、「父の日限定ギフトセット」を5月22日より発売 レストランの本格的な味で感謝を伝える
マスク氏、巨大半導体工場「Terafab」建設へ 総額1190億ドル投資、インテルと連携し内製化目指す
台北メトロ、59億台湾ドル投じ新型車両10編成を導入 2027年半ば運行開始へ
U-NEXTが「日比谷音楽祭2026」の独占生配信パートナーに就任 新会場を含む5ステージを完全網羅 豪華出演者も発表
【フジロック’26】第3弾ラインナップ発表 TV大陸音頭がメイン昇格の快挙、土曜券は早くも完売
麻布台ヒルズ「廊下音楽」第4弾が5月29日に開催 安藤裕子、蔡忠浩らが出演し、日常に溶け込む音楽体験を創出
【台湾映画上映会2026】第2回は『あの写真の私たち』 5月30日に大阪で開催、監督2名によるオンライントークも
【プロ野球】オリックス、2試合連続完封負け 岸田監督45歳バースデーを白星で飾れず
【日本ダービー】JRA、川島明ら「賞レース惜敗組」とコラボ動画公開!芸人たちが語る競馬愛と意外な共通点
ロイヤルホスト、5月13日より国産メロンが主役の季節デザートを販売開始 初の「産地リレー」で2品種の味わいを堪能
機内食世界ランキング発表、首位はギリシャの航空会社 台湾エバー航空が4位、日本勢2社もトップ10入り
【プロ野球】オリックス打線が沈黙、加藤貴之に零封許し連勝ストップ 日ハム野村が全打点マークの活躍
【独占】2次元の推しを現実の東京へ 台湾人イラストレーター・妮妮子(Niniko)が「夢絵」で描く新たな日常
米中首脳会談、台湾問題が焦点に 元安保高官が2027年有事リスク指摘
台湾嘉義の人気観光地「檜意森活村」、ホテル大手・煙波の運営で6月刷新へ
【独占】新小岩にアメリカンレトロの風 台湾人デザイナーが手掛ける「Ghost Toy Shop」が紡ぐ地域交流
JR東日本と伊藤忠、不動産統合で2500億円企業へ 沿線開発と地方創生を加速
台南市と金沢市、観光・文化交流促進で合意 八田與一の縁を継承
【単独】台湾の最危険期は2027年ではない 元米海軍情報局長が警告する「2028~32年」
中国軍上層部で大粛清 前国防相2人に執行猶予付き死刑
【Netflix】原宿ポップアップが5月10日閉幕へ 人気作のプロップス展示や完売必至の限定アイテムに注目
パラグアイ大統領が2度目の訪台 台湾との絆を強調、中国は「正しい側に立つべき」と断交圧力
【寄稿】イラン戦争は米国覇権衰退の転換点となるのか
台湾防衛特別予算案、8日採決へ 在野協議の行方が焦点
『ベイマックス』Happyくじ第3弾が5月15日より発売 ちょんまげ着物姿の限定BIGぬいぐるみなど全10等級
【新新聞】台湾株に熱狂、売買代金1.7兆元超 バフェット指標は「危険水域」
【舞台裏】台湾のM1A2T調達、前陸軍司令が「最も荒唐無稽」と痛烈批判
【新商品】ロイヤルホスト デリ、自宅で味わう「トリュフ香るきのこクリームソース」のオムライスを5月12日より発売