千葉県富津市で古民家とグランピングを組み合わせた「和心村」を作り上げた、日本での民宿経営経験が豊富な台湾人・和心村村長のTK氏が最近『風伝媒』のインタビューに応じ、国境を越えた起業経験について語った。彼はパンデミックを契機に、放棄された土地を多様な宿泊スペースに変え、ツリーハウスやモバイルハウスの革新的なデザインを通じて、日本の田舎に新たな命を吹き込んだ。インタビューの中で、村長TKは自由な生活への追求や、旅行者に田舎の魅力を再発見させる核心理念を共有し、地方創生に対する彼の深遠なビジョンと実践、そして人生の意味を追求する姿勢を示した。
村長TKはまず、過去の多様な職歴について語った。日本での起業前、彼は台湾、シンガポール、マレーシア、上海などで働き、その中でも台北では10年間FacebookのCPM広告代理店を経営していた。その後、パリでフランス市政府主導のスタートアップインキュベーションプログラムに参加し、ITとIoT分野の起業プロジェクトに取り組んだ。最終的に資金不足で成功には至らなかったが、パリ滞在中に自宅をAirbnbに転用し、民宿経営の道を歩み始めた。このパリでの経験を活かし、妻と共にこのモデルを東京に持ち込み、民宿経営を始めた。
妻は以前から観光関連の仕事、具体的にはガイドや空港免税店での職務に就いていたことが、後の民宿経営に貴重な基盤を提供したと語った。これらの国際的な職歴は、村長TKに様々な文化や市場に柔軟に対応する能力を身につけさせただけでなく、和心村での成功に向けた確かな経験基盤を築いた。村長TKは、和心村が2019年末に現在の土地を購入したことを振り返り、その誕生の起源は彼と妻の退職生活へのビジョンだったと語った。彼らは千葉の房総地域に土地を見つけ、古民家の民宿を作り、普段は自分たちが住み、来客がある時だけ迎えるという、のんびりとした老後の過ごし方を望んでいた。
パンデミックが東京のビジネスに打撃 退職計画が前倒しに
しかし、2020年初頭のパンデミックでこの計画は前倒しされた。当時、東京で経営していた5つの民宿がパンデミックの影響で予約がキャンセルされる中、彼らは迅速に東京のビジネスを終了し、支出を減らして新たに始めるため房総に移住することを決断した。妻と共に修繕を終えた後、2020年7月に旅館営業許可を取得し、8月にはパンデミック中の「リベンジ旅行」ブームに乗った。当時は準備不十分で料金も低めだったが、初月から80万円の売上を達成した。初期の運営内容は簡単な宿泊、バーベキュー、キャンプ体験が中心で、休憩時間もほとんどないほど忙しかったが、退職生活の構想を徐々に実現できることに満足していた。 (関連記事: 「不登校」問題解決を目指し 日本の高校がメタバース課程導入、アバターで授業参加が可能に | 関連記事をもっと読む )
村長TKは、和心村が最初の1軒の古民家から始まり、現在は6軒の宿泊施設に増え、さらに拡大を計画していると振り返った。最初は古民家のスペースを活用していたが、後にグランピングが流行し始めると、星野リゾートやスノーピークなどの有名キャンプ場のデザインを参考にし、自身のボーイスカウト経験と組み合わせて、テントや天幕を自ら設置し、焚き火台や屋外BBQエリアを設け、顧客に多様な体験を提供した。この過程で、彼らはモバイル木造小屋や長屋門も改造し、後者は政府の補助金を獲得して修繕に成功し、古い建物の寿命を延ばした。