米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は17日、中国の習近平国家主席が「近い将来」ワシントンを訪問すると発言しました。具体的な日程には言及しませんでしたが、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、両国首脳が6月に「誕生日サミット」を開催する可能性があると報じています。
トランプ大統領は1月の就任以来、中国からの輸入品に対し20%の一律関税を課しており、その理由として「中国がフェンタニルの米国流入を阻止していない」ことを挙げています。『ロイター』は、フェンタニルが米国内での薬物過剰摂取による死亡の主な原因の一つになっていると指摘しています。 中国政府は何度もこの措置に反発し、「フェンタニルを口実に貿易戦争を仕掛けている」とトランプ政権を非難します。一部の中国外交官は、「米国は関税を課すのではなく、中国の麻薬取締りの努力に感謝すべきだ」と述べています。
トランプ大統領は17日、ジョン・F・ケネディ・センター(John F. Kennedy Center for the Performing Arts)の理事会に出席した際、「最近、インド、フランス、イギリス、アイルランドの首脳が訪米した」と語った後、習近平について「彼も来ることになるだろう。そんなに遠くない未来に」と発言しました。ただし、会談の日程には触れませんでした。
『ロイター』によると、トランプ氏が習近平との「良好な関係」を何度も強調しているものの、関税や台湾問題を含む多くの議題で両国の対話は進展していないと指摘しています。 さらに、トランプ関税への報復として、中国は米国の農産物に最大15%の輸入関税を課し、一部の米国防関連企業との取引を禁止しました。しかし、この対抗措置はトランプ氏の前政権時の貿易戦争時と比べて穏やかな内容となっています。
中国外交部は現時点で習近平訪米の報道にコメントしていません。『ブルームバーグ』によると、トランプ大統領が以前「24時間以内に習近平と電話会談するかもしれない」と発言しましたが、その後、実際に通話が行われたという記録はないと報じています。
米中間の貿易交渉は現在も停滞しています。『ブルームバーグ』によると、中国側は「米国が関税撤廃の条件を明確にしていない」と主張し、米国側は「すでに外交ルートを通じて伝えている」と反論しています。さらに、今週末には米国のスティーブ・デインズ(Steve Daines)上院議員が中国の高官と会談し、フェンタニル問題などについて協議する予定です。
米中両国の首脳は通常、互いの国を訪問しますが、今回は具体的な日程が未定となっています。 習近平主席は2023年末にカリフォルニアを訪問した一方で、米国のジョー・バイデン(Joe Biden)前大統領は、ジミー・カーター(Jimmy Carter)元大統領以来、任期中に中国を訪問しなかった唯一の米国大統領となりました。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の情報によりますと、米中当局が「6月中旬の誕生日サミット」について協議していると報じています。 トランプ氏と習近平氏はともに6月生まれであるため、誕生日を祝う形で会談が行われる可能性があるといいます。ただし、ホワイトハウスと在米中国大使館はこの件について公式なコメントを発表していません。
編集:梅木奈実
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