第8回玉山フォーラム》「新南向政策+」が台湾と世界の共通利益を結ぶ デジタル技術、半導体など6つの協力回廊で地域連携強化へ

頼清徳総統(左2)が17日に「2025年玉山フォーラム-新南向+:台湾、インド太平洋と新世界」開幕式に出席。(劉偉宏撮影)
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第8回「玉山フォーラム」が3月17日から18日にかけて開催され、「新南向政策+:台湾、インド太平洋地域、新しい世界」をテーマに議論が行われました。フォーラム主催者である台亜会の楊昊(ヤン・ハオ)執行長は、《風傳媒》の独自インタビューに応じ、「新南向政策+」(または新南向政策Plus)の概念について詳しく説明し、この政策が台湾と新南向対象国との協力を深化させる上で重要な役割を果たすと強調しました。「Plus」とは、これまでの成果をさらに強調し強化するものであり、デジタル技術や半導体など6つの具体的な協力回廊を推進することを目的と述べました。

「『新南向政策Plus』には二重の意味がある」と楊氏は述べます。「まず、『玉山フォーラム』は新南向政策における重要なプラットフォームであり、政府と民間の協力の力を示すものです。次に、この政策により、より多くの国際パートナーがこのプラットフォームを通じて台湾と交流する機会を得られます」。

「Plus」の具体的な内容について、楊氏は3つの強化方向を提案した

「Plus」の具体的内容について、楊昊は三つの強化方向を提示しました。

1.成果の転換:過去8年間の新南向政策の成果を台湾独自のインド太平洋戦略に転換し、地域協力を強化します。

2.既存成果の強化:これまでの成果をさらに拡大し、6つの具体的な協力回廊を推進します。

3.官民協力の深化:政府と民間の協力関係を強化し、新南向政策の実行と推進を共に努力します。

台亞會執行長楊昊。(台亞會提供)
台亜会執行長楊昊。(台亜会提供)

6つの具体的な協力回廊について

楊氏は、6つの回廊を「政府主導」と「民間主導」の2つに分類し、それぞれの詳細を説明しました。

政府主導の3つの回廊

1.デジタル技術・半導体回廊:半導体サプライチェーンにとどまらず、ハイテク産業全体やスマートソリューションの連携を推進します。

2.健康回廊:過去に台湾の衛生福利部(衛生省)が実施した「一国一センター」戦略を「一国多センター」へと発展させ、公衆衛生の専門人材を育成。国境を超えた感染症対策にも貢献します。

3.レジリエンス回廊(防災協力):台湾と周辺国との防災救援、災害復興、災害管理における協力を強調し、台湾の竹山訓練基地ではフィリピンやベトナムの消防隊員や防災担当官を訓練しており、日本の講師も参加しました。今後、さらに多くの新南向対象国を招く計画します。

民間主導の3つの回廊

1.シンクタンク回廊:玉山フォーラムを通じ、地域のシンクタンクとの高レベルな政策対話と議論を継続的に深めます。台亜会は2年ごとに「シンクタンク・サミット(Think Tank Summit)」を開催し、新南向政策の推進を図ります。

2.NGO回廊:台湾をNGOの拠点とし、世界中のNGOが台湾にオフィスを設置したり、台湾の研修プログラムに参加できる環境を整備します。今後は2年ごとにNGO大会「NGO Convention Congress」を開催し、アジアのNGO市民社会組織が台湾のパートナーとより深い繋がりを持てるようにします。

3.青年回廊:台亜会は過去6年以上にわたり、毎年南アジア・東南アジア台湾青年キャンプを開催し、これを通じて青年リーダーや青年専門家を育成し、台湾と地域諸国との青年交流を強化します。 (関連記事: 賴清德総統、日華懇・古屋圭司会長と会談し 日本の戸籍への「台湾」表記に感謝を表明 関連記事をもっと読む

台湾と世界の共通利益の実現へ

楊氏は、「現在14カ国が独自のインド太平洋戦略を展開しており、『新南向政策Plus』はその橋渡しとなる。6つの回廊は台湾と各国の利益を結びつけ、台湾と世界をより良い方向へと導くための基盤となる」と述べ、これこそが今年の「玉山フォーラム」のテーマであると強調しました。