台湾・新北初のSDGsへの取り組み計画を発表した博物館 十三行博物館が千年の歴史から持続可能な未来へ

新北市立十三行博物館は、今月公式ウェブサイトで「2025-2030持続可能性計画書」を発表しました。(写真/新北市立十三行博物館)
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台湾・新北市八里の美しい山と海の景観に囲まれ、千年の人類の歴史を受け継ぐ新北市立十三行博物館は、今月公式サイトで2025-2030持続可能な計画」を正式に発表しました。新北市で初めて持続可能な発展の青写真を全面的に示す博物館として、十三行は地域文化の特色を基盤とし、文化継承と環境共生の革新的な道筋を描き、2050年のカーボンニュートラル(ネットゼロ)目標に向けた新たなビジョンを切り開いています。

「土地の歴史を発掘し、生態の知恵を継承し、文化の持続可能な生活を実現する」というビジョンを掲げ、十三行博物館は2024年9月に環境持続可能プロジェクトチームを設立しました。
文化遺産の保護と低炭素運営を積極的に推進し、博物館のあらゆる側面に持続可能な教育を取り入れることで、環境に優しい来館体験の実現を目指しています。また、学界の専門家や新北市低炭素コミュニティ発展センターと連携し、持続可能な計画の実行を確実なものにする監督チームを組織しました。博物館は、「スマート省エネ」「環境に優しい施設」「社会の共有」という3つの主要分野から実践に取り組み、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に積極的に対応します。今後は、「考古学の活用」「協力体制の強化」「国際連携」「多様性の尊重」「革新的な技術」「環境教育の推進」の6つの戦略を展開し、文化と環境の共生を創造的なアプローチで実現することを目指しています。

2023年推出的台語導覽課程「鑽木取火」成為環境教育的亮點。(圖/新北市立十三行博物館)
2023年に導入された台湾語ガイドコース「木材摩擦による火起こし」が環境教育のハイライトとなっている。(写真/新北市立十三行博物館)

持続可能な実践の成果 文化と環境の共存を体現

十三行博物館は持続可能な理念を実践し、具体的な成果を上げています。2023年に導入した台湾語のガイドツアー「木材摩擦による火起こし(鑽木取火)」では、AR技術を活用し、千年前の十三行の暮らしを生き生きと再現しました。1.6万人以上が参加し、環境教育の注目プログラムとなりました。さらに、「移動博物館」プロジェクトを通じて持続可能な教育の種を24のへき地の教育機関に届け、7,000人以上の人々にサービスを提供しました。文化の公平性の理念を具現化しました。環境への取り組みとしては、館内の照明をLED省エネ灯に全面的に切り替え、省水設備を導入しました。さらにオフィスの低炭素化プロジェクトを推進し、日常業務の中で持続可能なライフスタイルの実践を進めています。また、地元企業と協力し、低炭素アフタヌーンティーや文化ツーリズムといった特別イベントを企画しました。文化体験を楽しみながら、持続可能な環境価値を体感できる機会を提供しています。

「2030年八里ネットゼロモデルエリア」実現へ

十三行博物館の羅珮瑄館長は、「北台湾初の考古学博物館として、2016年に環境教育施設認定を取得して以来、持続可能な理念を館の運営に組み込んできました」と語ります。新北市が「2030年八里ネットゼロモデルエリア」のカーボンゼロ計画を打ち出す中、十三行博物館は国際交流を通じて持続可能な影響力を深めていきます。2025年5月には「新北市国際考古学フォーラム」を開催予定で、テーマは「考古学の視点から見る競技と持続可能性」です。国内外の専門家や研究者を招き、文化の持続可能性をめぐる革新的なアプローチを探求し、実践的な推進活動を通じて、新北市の文化と環境の持続可能性に新たな可能性をもたらします。

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編集:梅木奈実

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