台湾・児童虐待事件の公判で死刑存廃論争が再燃 朱立倫氏「民進党は公平正義を無視し、死刑廃止を主張」

国民党主席の朱立倫氏が21日、取材に応じカイカイ事件について語った。(資料写真、柯承惠撮影)

台湾・国民党主席の朱立倫氏は本日(21日)、新竹にて講演を行い、民進党の悪質なリコール運動に対する反対運動を推進しました。メディアから剴剴(カイカイ)事件の公判に関する質問があり、多くの民進党議員が死刑適用の法改正を阻止し、炎上の対象となったことについて質問を受けました。これに対し、朱立倫氏は「社会には最低限の公平正義と伝統的価値観があります。民進党は一貫して死刑廃止を主張しており、昨年の大法官による合憲判決以降、事実上の死刑廃止状態になっています。」と指摘しました。さらに、「もはや死刑判決を下すことは不可能となっており、これこそが社会の最大の懸念です」と述べました。

朱立倫氏は、「国民党の立法委員は児童虐待による死亡について、悪意があり極めて重大な犯罪については死刑判決を可能にする法案を提案したが、民進党はこれを繰り返し阻止しました」と批判しました。また、「民進党は『死刑廃止は世界の潮流に反する』という論点を持ち出し、社会の伝統的価値や公平正義を顧みません。これは社会大衆が絶対に受け入れられません」と強調しました。

また、エネルギー政策についても、朱立倫氏は「原子力発電所の運転期間延長は国民の関心事であり、国民党の重要な政策の一つだ」と述べました。特に「屏東の第3原発(核三廠)がまもなく閉鎖されるため、今後台湾の電力不足はさらに深刻になる」と指摘し、民進党に対しエネルギー政策の反省と見直しを求めました。10年前や20年前の事を持ち出して責任転嫁をせず、第3原子力発電所が間もなく閉鎖に直面することこそが最も深刻な問題であると述べました。

国民党台南市党部がリコール連署案により捜索を受けた件について、朱立倫氏は「司法は政治的操作の道具であってはならない」と訴えました。「今回のリコールは中央選挙委員会が主催しているものであり、地方検察署が主催するものではないため、地方検察署がこれを政治的な圧力として利用するべきではない」と述べました。さらに、「これはまるで小さな事件を大げさに扱い、牛刀をもって鶏を屠るようなものだ」と述べ、国民党に対する不公平な扱いを批判しました。「司法は台湾全体に対して公平でなければならず、『国民党はリコールされても良く、民進党はリコールされてはならない』というような状況は許されない」と強調しました。

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