台湾と日本の架け橋となる声優
安齋由香里(あんざい ゆかり)さんは、台湾にルーツを持つ声優であり、温かみのある繊細な声質とキャラクターへの真摯な想いで、日本の声優界で注目を集めています。「温泉むすめ」プロジェクトで新竹県内湾温泉のPRキャラクター「尖石内湾」の声を担当し、PR活動では文化交流促進の一旦を担いました。彼女は役柄に対する深い理解を持ち、新人時代から現在まで、さまざまな役に挑戦し続けています。取材の際、安齋さんは「演技と表現力の向上に努め、常に成長を目指している」と語りました。声の仕事だけでなく、ステージパフォーマンスにも熱心で、緊張や不安を克服しながら、演技への情熱を強く示しています。
安齋由香里さんは5歳まで台湾に住んでおり、その後日本の福島県で育ちました。台湾にルーツを持つ彼女は、2018年に「温泉むすめ」プロジェクトに参加し、新竹県を代表するキャラクター「尖石内湾」を演じました。この役を通じて台湾の温泉文化の魅力を伝え、文化交流を推進しました。「温泉むすめ」以外にも、多くの作品に出演し、多彩な演技力と役柄への深い解釈で、新世代声優として注目を集めています。

新竹県温泉大使としての経験
取材で彼女は2018年に新竹県温泉大使を務めた経験について語り、「台湾に縁のあるキャラクターのオファーを受けたときは本当に驚きました。まるで夢が叶ったような気分でした」と感慨深げに話しました。この仕事は、台湾の温泉文化を体験し、広めるきっかけにもなり、彼女にとって特別な思い出となっています。
東京都内の渋谷で行われた取材では、「温泉むすめ」のコスチュームを着用し、プロフェッショナルな姿勢を見せてくれました。インタビューで新竹県について尋ねた際、安齋さんは「新竹には親戚が住んでいて幼少期には多く訪れていました。お土産でもらう地元の鳳梨酥が特に美味しくて、印象に残っています。新竹は努力家が多い活気ある街だと思います」と話しました。
「株式会社エンバウンド(Enbound)」の代表取締役で「温泉むすめ」企画の総責任者である橋本竜氏は、新竹県キャラクター作成の背景について説明しました。「当時、有馬温泉と新竹県温泉地帯の姉妹提携をきっかけに、台湾市場のプロモーションを始めました。安齋さんの親戚が新竹に住んでいることを知ったときは、本当に驚きました」と話しました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
台湾との深い絆
安齋由香里さんは台湾とのつながりについて、「子供の頃は台南の祖母の家によく遊びに行っていました。その後祖母は台北に引っ越しましたが、コロナ禍で会えない期間が長くありました。規制緩和後は短期間でも、祖母に会うようにしています」と語りました。また、彼女が特に懐かしく思う台湾料理は「台南の豆花」で、「あの味は特別です」と微笑みながら話しました。
彼女は、台南に行くとき、必ず伝統的な豆花を食べると説明し、また、夜市を歩いたり、デパートの地下にあるフードコートで様々な軽食を楽しむのも大好きだと言います。「夜市の美味しい料理と賑やかな雰囲気は、台湾の食文化に対する無限の憧れを抱かせます。」と彼女は語りました。
言語への挑戦と文化的アイデンティティ
安齋由香里さんは、自身が台湾のバックグラウンドを持つことについて特別な思いを共有しました。「よく中国語が話せるかどうかを聞かれることがあります。実際、私は5歳まで台湾に住んでいて、その頃は中国語を話すことができました。しかし、日本に引っ越してからほとんど中国語を使う機会がなくなり、完全に忘れてしまいました。」と語りました。
さらに、「中国語を話せるか期待して質問してくれるのですが、いつもその期待を裏切ってしまいます。ただ、親戚とは英語でやり取りしているので、基本的なコミュニケーションには問題ありません。でも、中国語で会話ができたらもっとスムーズになると思うので、いつか中国語を学びたいという気持ちがあります。」と補足しました。
台湾との繋がりについて尋ねられた際、安齋は「『台湾から応援しています!』『台湾から来ました!』と声をかけてくれる方が多く、その励ましが本当に嬉しいです。」と語り、「いつか台湾のイベントに参加して、直接ファンの方々とお会いできれば」との思いを述べました。
中国語を話すキャラクターとしての経験
新竹県内湾温泉「温泉むすめ」のほかに中国語を話すキャラクターを演じたことがあるかと尋ねられた際、安齋由香里さんは「実はないんです。中国語を話せていたら、そういう機会は今より多かかったかもしれません。」と答えました。
しかし、温泉むすめにて尖石内湾を演じられたことは大変光栄であり、非常に貴重な経験だと感じていると述べ、「今回の経験は本当に特別で、感謝の気持ちでいっぱいです。」と付け加えました。
仕事で言語の壁を感じた経験について尋ねられると、「確かにそういうことはあります。温泉むすめで新竹県に伺った時、地元の官員やコーディネーターの方々と会い、通訳の助けを借りて交流したことがあります。その時、自分がもっと多くの言語を話せたら、もっと深い交流ができたのにと感じました。」と振り返りました。彼女は「もし現地の言葉を使えたら、表現もより適切になり、交流もよりスムーズになったと思います。言語を習得することが、より深い自然な交流を可能にするのだと実感しました。」と語りました。

「温泉むすめ」での共演者との友情
「温泉むすめ」のプロジェクトで共演した他の声優たちとの友情についても話題が及びました。特に兵庫県の温泉むすめ「城崎亜莉咲」を演じる山下七海との深い関係について、「私が声優としてデビューしたばかりの頃、有馬温泉で開催されたファンイベントで共演し、そこから友情が深まりました。」と語りました。彼女を「ななみん」と呼び、共演作品『アイドルマスター シンデレラガールズ』のイベントでも再会した際、「久しぶりだね」と言葉を交わしたそうです。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
表参道を散歩した際に気軽な話題を楽しむ時間が楽しかったと思い出を語り、「商店のウィンドウを見ながら『これかわいいね』と話すような瞬間を共有できる友人はとても大切です。」と語りました。また福井県の温泉むすめ「芦原小梅」を演じた相良茉優についても、「一緒に共演した経験を思い出し、とても親しみを感じました。」と話しました。仕事で会うことも多く、気兼ね無い会話を楽しむ間柄だと語りました。
安齋由香里さんは、声優としての仕事を通じて出会った仲間たちとの絆を大切にしており、今後も彼女らとの友情を深めながら、さまざまな挑戦を続けていく意欲を示しました。
温泉への情熱
温泉が好きな安齋由香里さんは、仕事で訪れることもあればプライベートで足を運ぶこともあると語ります。「旅行中は必ず温泉に立ち寄ります。でも実際、一人で行くことが多いんです。」と笑いながら話しました。友人とは「どこの温泉が良いよ」などの会話をするものの、基本的には一人での温泉巡りが主流だそうです。
最近では山形県の小野川温泉を訪れ、「温泉むすめ」のキャラクターの看板が設置されている場所にも足を運んだそうです。「その時は兄に車で連れて行ってもらいました。とても楽しい旅でした。」と振り返りました。
日帰り温泉旅行も多く、家族旅行の際には「必ず温泉をスケジュールに入れてもらいます。」と述べ、短い時間でも温泉を満喫することを重視していると話しました。
声優以外の夢と影響を受けた作品
子供の頃から声優以外にやりたかった仕事があるかどうかを聞かれた際、安齋由香里さんは、「私は昔からアニメや漫画が大好きでした。その影響で、宇宙飛行士になりたいという夢を一時期抱いていました。でも、視力が良くなかったため、その夢は早くに諦めることになりました。」と語りました。彼女は「小さい頃、花屋さんや宇宙飛行士になりたいと書いたこともあります。もし今声優をしていなかったら、海外に住んでいるかもしれません。日本に留まっているとは限らないですね。」と続けました。
彼女が幼い頃に好きだった作品について話を聞くと、「宇宙飛行士に興味を持ったきっかけは『ふたつのスピカ』という漫画でした。」と答えました。安齋さんは「この作品は、主人公の女の子が宇宙飛行士になるために仲間と共に努力し、切磋琢磨する物語で、私に大きな影響を与えました。」とその魅力を語りました。
また、「『舞-HiME』や『舞-乙HiME』もすごく好きです。「魔法少女リリカルなのは」など、これらの作品の周年イベントが開催されると、自分も一緒に成長してきたような感覚を覚えます。それに、『ZOIDS』や『機動戦士ガンダム』のような作品は兄の影響で観るようになりましたが、本当に大好きです。」と、彼女が影響を受けた作品について語りました。
さらに、安齋さんは「『カードキャプターさくら』は、私が台湾に住んでいた頃によく観ていたアニメです。当時台湾に住んでいた私はたくさんのアニメを観ていて、この世界に対する情熱をずっと持ち続けてきました。実際、兄も『君の影響でアニメを観始めた』と言っていたので、本当に小さい頃からアニメに夢中だったのだと思います。」と話しました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )

声優としての日常とケア
声優として一般の人と異なる生活習慣や日常ルーティンがあるかという質問に対して、安齋さんは「特定のルーティンはないですが、健康管理をとても大切にしています。特に喉に関連するケアは日常生活の中でも細心の注意を払っています。この職業に就いていなければ、これほど細かいことには気を遣わなかったかもしれません。」と答えました。
季節の変わり目にはケアの方法も変えると言い、「例えば、空気が乾燥する今の時期は、保湿効果のあるマスクを使っています。肌や喉を守るため、耳やあご周りも覆う特別なデザインのマスクを選んでいます。」と具体的な方法を説明しました。
台湾から声優を目指す若者へのアドバイス
日本に声優を学びに来た台湾の若者に向けたアドバイスを求められた際、安齋由香里さんは、「この質問は本当に難しいですね。でも、そういう夢を持って行動に移している方々を本当に尊敬しています。夢を抱くだけでなく、実際に日本に来てその夢を追いかけている熱意が素晴らしいと思います。」と述べました。
「私からのアドバイスは具体的ではないかもしれませんが、情熱はもう十分だと思います。次に大切なのは、日本語の発音やイントネーションをもっと磨くことです。私たちは日本語を使ってキャラクターを表現する職業なので、このステップは避けられません。一部の方言を使う人たちは、イントネーションを変えるのに苦労することがありますが、こうした言語の特徴を学びの楽しさとして捉えられれば、もっと楽に挑戦できると思います。」と続けました。
「それから、友達を作ることも大切です。多くの外国語学習者は現地の友人との交流を通じて進歩していると聞いています。友達との会話は言語の細かな部分を学ぶ良い機会になるので、積極的に友達を作ることを勧めます。」と締めくくりました。
日本の方言と地域差
日本の方言について話題が及ぶと、安齋由香里さんは「福島の方言には少し触れたことがあります。祖母がたまに福島弁を話していましたが、最近の若い人たちにはあまりその口調が見られなくなった気がします。」と答えました。
福島弁の特徴について彼女は「語尾が独特なイントネーションで、『~んだー』や『~だべー』という言い方が多く、東北弁に似ています。」と説明しました。福島県出身の橋本竜氏も「福島弁には確かに東北弁の要素がありますが、茨城や栃木に近いため、北関東の訛りも混ざっています。福島県は広いので、地域ごとに方言に大きな違いがあります。」と付け加えました。
彼は続けて「いわき市と郡山市では方言が大きく異なります。母は会津若松市出身なので、会津弁の方言に馴染みがありますが、同じ福島でも他の地域では通じない場合もあります。」と地域差について語りました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
声優としての喜びと挑戦
声優として一番嬉しいことを尋ねられた際、安齋由香里さんは、「ずっと夢見ていた仕事に携わることができ、本当に幸せです。さまざまな仕事に参加できることに感謝しています。毎回新たな挑戦があり、そのたびに全力で準備をして、最善を尽くす努力をしています。」と語りました。また、「視聴者が私の出演した作品を見て、感想を手紙や直接伝えてくださる時、その気持ちが特に嬉しいです。」と述べ、観客からのフィードバックが彼女の努力を支え、さらに頑張る原動力になっていると話しました。
得意なキャラクターの種類やよく称賛される役柄について尋ねられた際、安齋さんは、「優しいお姉さんタイプのキャラクターを演じるのが得意です。このような役柄は私にとても合っていると言われますし、自分でも自然に入り込むことができるので好きです。」と語りました。さらに、「精神的に少し成熟しているタイプの役柄が多くの方から好評をいただくことが多いです。こういった役を演じることで、観客に安定感や温かさを届けられることがとても嬉しいです。」と述べました。
一方、挑戦してみたいキャラクターについて尋ねられると、「同じお姉さんタイプでも、言葉に少し刺があったり、高慢な性格を持つ役柄など、少し強気な性格のキャラクターにも挑戦してみたいです。」と語りました。

声優デビュー時の課題と克服法
声優の仕事を始めたばかりの頃に克服した困難について聞かれた際、安齋さんは「イントネーションやアクセントが大きな課題でした。当時、福島の方言が自分にあることを全く意識していませんでした。普通に話しているつもりでしたが、実際には方言の影響を受けていたんです。」と振り返りました。
発音の改善については、「何度も練習を重ねて、自分の発音を調整しました。時間が経つにつれて耳が敏感になり、問題を指摘されても昔よりもスムーズに修正できるようになりました。」と話しました。また、「めげずに向き合ってきた経験が、私にとって自信の源でもあります。」と付け加えました。
発音矯正の方法については、「文章全体の流れを考えながら発音の問題を修正しています。単語単体では正しく発音できても、文中では無意識に方言が出てしまうことがあります。」と語りました。「文章の構造の中で記憶してしまった間違った発音を修正するためには、私は一度その文章を音として認識し、その音を正しい発音に変換しています。」と説明しました。
さらに、「音響監督の方が他の単語を使ってわかりやすく説明してくださる場合もあります。たとえば、『この単語の発音は別の単語と似ている』という例を出して頂いたり。」と述べ、矯正に役立った具体例を挙げました。
「温泉むすめ」デビュー時のエピソード
声優初期の役柄が「温泉むすめ」に含まれていたかどうかについて尋ねられると、「はい、そうです。『温泉むすめ』の役を演じたのは2018年頃で、声優としてデビューしてからまだ1年も経っていない頃でした。本当に初期の段階でした。」と答えました。
責任者である橋本竜さんは、特別な背景について補足しました。「もう一つ特筆すべきことがあります。当時、このキャラクターが台湾と日本を繋ぐ架け橋となることを期待していました。通常、『温泉むすめ』の声優選びはオーディションを通じて行われますが、今回は完全に安齋さんを指名してキャラクターを担当していただき、特別にご招待しました。」と語りました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
これに対して安齋由香里さんは、「この話を初めて聞きました!」と驚きの表情で応じました。橋本さんはさらに、「このキャラクターの誕生には、イラストレーターであり、現在Vtuberとしても大活躍中の佃煮のりお先生(佃煮海苔男)をはじめ、声優と地域の縁が深く関わっています。私たちにとって非常に意味のある、特別なキャラクターです。」と語りました。
また、「当時、このキャラクターを迅速に作り上げるため、直接連絡をしてキャラクターデザインをお願いできるかどうか確認したことを覚えています。」と続け、当時のエピソードを振り返りました。
橋本竜さんは、「当時、安齋さんはまだ新人でしたが、重要な役柄に挑戦し、さまざまな仕事を成功裏にこなしていました。経験を積むにつれ、彼女はさらに表現力が豊かになり、本当に成長しました。」と語りました。また、温泉娘のキャスティングを担当している株式会社オブジェクト(Object, Inc.)の代表取締役である吉村尚紀さんも笑いながら、「有馬でのイベントでは、本当に多くの現地の方々にも支えられました。」と補足しました。
安齋由香里さんは、「当時、有馬で行われたイベントでは新しい挑戦の連続でした。でも、周りの声優仲間が大きな支えになり、自信を与えてくれました。」と振り返りました。さらに、「ななみん(山下七海さん)のような先輩方は、私が声優になる前から名前を知っていて、彼女たちは『温泉むすめ』の初期からこの作品を支えてきました。先輩たちがいてくれたおかげで安心感があり、その環境でたくさん学ぶことができました。当時と比べて、今では成長したと思います。」と語りました。
橋本さんは、当時のイベントでは安齋さんが歌う機会は少なかったと述べました。これに対し、安齋由香里さんは、「そうですね。でも、『温泉むすめ』のイベントで私を知ってくださった観客の方々が今でも覚えていてくれて、『あの時のイベントで初めて知りました』と言ってくださることがあります。その頃を覚えていてくださる方がいて、本当に感謝しています。」と話しました。
吉村さんはさらに、「神戸で行われた3回目の有馬イベントでは、台湾のキャラクター尖石内湾を早速取り入れました。『SPRiNGSs』という初期の9人組からメンバーを選び、新しいキャラクターを迎える形でゲストとしての参加をスムーズに進めました。」と付け加えました。
声優の「裏方」から「表舞台」への変化
近年、声優が顔を出すことが増え、声優が「裏方」から「表舞台」へと進化していることについての感想を聞かれると、安齋由香里さんは、「私が声優を目指したきっかけはアニメでした。その頃、声優は裏方の職業というイメージが強かったです。しかし、実際に職業として声優を考えるようになった頃には、そのイメージが変わりつつありました。」と答えました。
続けて、「私が成長する中で、声優が雑誌の表紙を飾ったり、CDをリリースしたり、さらには紅白歌合戦の舞台に立つ姿を見るようになりました。声優の露出が増え、この変化は私が将来の職業を考える時期と重なりました。」と説明しました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
安齋さんは、「私は人前に立つことに苦手意識がありました。そのため、高校時代に声優をめざすかどうか迷いました。一度は語学を学んで海外でボランティアをしようかとも考えました。海外での経験を積むことで視野を広げたかったんです。」と話しました。しかし、「声優への夢を捨てきれず、自分の快適な領域を超えて挑戦し、舞台に立つことを決めました。」と振り返りました。
どの国に行ったのかを聞かれると、安齋由香里さんは、「ニュージーランドに行き、母の親戚の家に住んでいました。その間、台湾にいる祖母とも連絡を取り合っていました。当初は祖母の家に住み中国語を学ぶ予定でしたが、祖母から『まずは英語を学ぶのはどうか』と言われ、そのアドバイスを受け入れました。」と答えました。

声優になるまでの道のり
声優という職業に対する考えについて、安齋さんは「子供の頃から声優になりたかったのですが、当時は裏方の職業という印象が強かったです。しかし、職業として考える頃には声優が『表舞台』で活躍する機会が増え、私に同じことができるのかと不安を感じていました。」と述べました。
「海外で語学を学んでいる間も、声優になる夢を諦めきれませんでした。それで、『一生に一度の挑戦』という気持ちで日本に戻り、声優技術を学び始めました。デビュー後も最初は人前でのパフォーマンスに不安がありましたが、重ねるうちにキャラクターを深く理解するための一部と捉えるようになりました。」と続けました。
「例えば、ライブイベントに参加する時、このキャラクターはどう歌うのか、どう演じるのか、さらにはどう踊るのかを考えます。こうした考え方が、キャラクターへの理解を深める助けになりました。」と語りました。
また、「イベントや舞台でのパフォーマンス、朗読劇など、さまざまな経験を通じて、気づかなかった細部に目を向けることができました。これらの経験は私の成長を助け、現在でも役立っています。」と語り、最後に、「表舞台に立つことへの不安はまだ少しありますが、キャラクターとしてパフォーマンスをする時、その不安は消えます。自分自身ではなく、キャラクターに集中することで、より自然に演じることができるようになりました。」と話しました。最後に安齋由香里さんは、「長々と話してしまいましたが、聞いてくださりありがとうございます。」と笑顔で締めくくりました。
今後の目標と声優としての役割
安齋由香里さんは、「この仕事を通じて、キャラクターとご縁があることはとても素晴らしいことだと思います。キャラクターを任されたときには、『これは私に託されたキャラクターだ』という気持ちを大切にし、真剣に取り組んでいます。この真摯な姿勢はこれからも変わらないと思います。」と語りました。さらに、「私は演技とアニメが大好きで、これがこの仕事を選んだ理由です。このような機会をもっと作りたいというのが目標です。」と続けました。
また「『尖石内湾』のようなキャラクターは地域文化と密接に結びついており、キャラクターを通じて地域を知ってもらえることが、声優としての一つの貢献だと思います。発信者として、自分の声や表現を使って、これらの素晴らしくて面白い場所を多くの人に紹介し、その魅力と特色を知ってもらいたいです。」とも話しました。 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
将来参加したいイベントについて尋ねられた際、安齋さんは「役としてではなく『安齋由香里』としてイベントに参加することには、まだ少し照れくさいです。でも、ファンの方と交流できる機会はとても嬉しいので、今後も大切にしていきたいです。また、表現することが好きなので、お芝居や歌にも沢山触れていければと思っています。」と答えました。
また、「すべての経験が声のお芝居にも生きると思うので、積極的に色々なことに触れていきたいです。」と述べ、演技に関連する朗読劇や舞台でのパフォーマンスにも興味を示しました。
「演技や歌のパフォーマンスに挑戦することは、自分にとって価値のある方向性だと思います。」と語る安齋さんについて、橋本竜さんは「安齋さんは不安に感じているかもしれませんが、私たちから見るとその緊張を全く感じさせません。彼女はダンスの練習やリハーサルに非常に努力を重ねており、その真剣さはスタッフだけでなくファンにも伝わっています。」と称賛しました。

台湾のファンへのメッセージ
最後に、安齋由香里さんは台湾のファンに向けてメッセージを送りました。「みなさん、こんにちは。初めまして、あるいはお久しぶりです。私は『尖石内湾』の声優を担当する安齋由香里です。コロナ前には台湾でのイベントに参加する機会がありました。その旅は本当に印象的で、一生の思い出となる素晴らしい体験でした。」と振り返りました。
さらに、「その時、新竹県内湾温泉の魅力をSNSを通じて紹介することを頑張りました。これからまた海外に気軽に行ける時代が近づいてきている中で、声優としてもっと『尖石内湾』を日本に広めて、彼女の可愛らしさを多くの人に知ってもらいたいと思っています。」と語りました。
現在、具体的な計画はないものの、安齋さんは「将来的に温泉むすめ『尖石内湾』として、また台湾でイベントを開催できることを心から楽しみにしています。もしそのような機会があれば、ぜひ皆さんに参加していただきたいです。その日をとても楽しみにしています。ありがとうございます!」と締めくくりました。
編集:梅木奈実 (関連記事: 日本で「声優」の夢を追いかけ… 台湾人女性“ねんねん”がYouTubeクリエイターに転身! | 関連記事をもっと読む )
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