【大阪アジアン映画祭】台湾ナイト-台湾映画特集が盛大に開幕

第20回大阪アジアン映画祭・台湾ナイトにて、『シャオイエンとウー・アイリー(小雁與吳愛麗)』上映前に監督たちの記念撮影。(黃信維撮影)

日本台湾交流協会台湾文化センターは、台湾と日本の映画文化交流を促進し、台湾映像産業の国際進出を支援するため、本年も大阪アジアン映画祭と共同で台湾映画特集「台湾:映画ルネッサンス2025」を開催。3月14日より大阪市内の梅田ブルク7およびABCホールにて、台湾映画の上映がスタートしました。

本日(21日)、映画祭主催側は「台湾映画特集イベント」の開幕式および上映会(台湾ナイト)を大阪にて開催。オープニング作品には、コンペティション部門に正式出品された林書宇(トム・リン)監督の最新作『シャオイエンとウー・アイリー』が選ばれました。その他にも、同じくコンペティション部門に選出された潘客印(パン・クーイン)監督の『家のこと』、特別注目作品として周美豫(チョウ・メイユー)監督の『Blind Vision』が上映されるほか、『鬼才の道』『破浪男女』、そして短編『夕風』『寂しい猫ケーキ』など、合計7作品がラインナップされ、存在感を放っています。

開幕イベント「台湾ナイト」には、台湾からの来賓として駐大阪弁事処の洪英傑(ホン・インジエ)処長をはじめ、『シャオイエンとウー・アイリー』の林書宇監督、『家のこと』の潘客印監督および主演の曾敬驊(ツォン・ジンホア)、『Blind Vision』の周美豫監督、『寂しい猫ケーキ』の楊羚(ヤン・リン)監督、『夕風』の江宗傑(ジャン・ゾンジエ)監督らが登壇し、日本の観客や関係者との交流を深めました。日本側からは、大阪アジアン映画祭実行委員会の上倉庸敬委員長、プログラムディレクターの暉峻創三氏、映画関係メディアや華僑界代表者も出席しました。

開幕式での挨拶において、洪処長は「大阪アジアン映画祭を通じて台湾映画が注目されることは、台日映画文化の交流であると同時に、人と人との対話でもあります」と述べました。また、台湾文化センターの曾鈐龍(ツァン・チェンロン)主任は「映画には物語があり、過去も未来もあり、希望がある」と語り、台湾文化部の李遠(リー・ユエン)部長を代表して、台湾映画を長年支援してきた日本の友人および映画関係者への敬意と感謝の意を表し、台湾への訪問を歓迎しました。曾主任はまた、会場の台湾映画人に対しても、「台湾ナイト」へのご参加と日頃のご尽力に対する深い謝意を述べました。

台湾ナイトでは『シャオイエンとウー・アイリー』が上映され、会場には300人以上の映画ファンが来場。上映後のトークセッションでは林監督が制作にまつわる思いや作品へのこだわりを語り、観客とのディスカッションを通じて作品への理解がさらに深まりました。林監督は「ずっとモノクロ映画に挑戦したかった。モノクロの持つ純粋な力で物語を語りたいと思った」と述べ、登場人物と物語への集中を促す演出意図を明かしました。

大阪アジアン映画祭は、アジアの優れた映画作品を積極的に発掘し、国際映画市場でも注目されている映画祭です。これまでにも『本日公休』『血観音』『君の心に刻んだ名前』『Take Me to the Moon』『私の少女時代』『KANO』『セデック・バレ』『逃出立法院』『緑の牢獄』『アリスの宿』など20本以上の台湾映画が本映画祭をきっかけに日本公開・配信されてきました。

今回の台湾映画特集を通じて、参加作品が日本での上映や配信に繋がることを心より期待しています。


編集:梅木奈実​​