ドキュメンタリー映画『国有器官』(State Organs)が、多数の一次証言と独占インタビューを通じて、中国共産党による法輪功学習者への強制的臓器摘出を含む集団的迫害を描き出した。本作は多国で初公開された後に話題を呼び、今年(2024年)10月に台湾全土で公開される予定であった。しかし、台湾全土で『国有器官』を上映予定の複数の映画館が、正体不明の人物から脅迫状を受け取る事態が発生した。脅迫状には市民の殺害や爆弾の警告が書かれており、一部の映画館は緊急に上映を中止し、警察に助けを求めた。
『国有器官』はどのようなドキュメンタリーか
『国有器官』は2023年の「カナダ・フィルム・ライオン賞」で最優秀監督賞、最優秀音楽賞を受賞し、さらに最優秀長編ドキュメンタリー賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞、最優秀音楽賞、最優秀音響効果賞の6部門にノミネートされた作品である。物語は、中国共産党の法輪功弾圧政策の中で2人の若者が謎の失踪を遂げたことから始まる。彼らの家族が行方を探す困難な過程で、隠された国家犯罪を発見する。それは、中国共産党が国家の力を用いて行った大規模な強制的臓器摘出であり、数百万の無辜の命が関わっていたのである。
上映予定の映画館が「死の脅迫状」を受け取る
台湾のネットユーザーの暴露によると、『国有器官』の台湾での公開に際し、多くの民主活動家、上映関係者、さらには賴清德総統のメールボックスまでが脅迫メールを受け取ったという。ネットユーザーが添付したメールの内容には、**「『国有器官』の上映を中止してください。上映された場合、我々は劇場に乱入し、目に入る全ての人間を射殺します」、「この映画を上映する全ての映画館はハッカーに侵入され、全面的な情報窃盗が行われます。映画館のスタッフは連続して危険な目に遭う可能性があります!これは冗談ではありません」**などの脅迫文が書かれていた。
さらに主催者側は爆破予告も受け取った。その内容には**「我々は硝酸アンモニウムを使用して7個の爆発物を作成し、すでに台鋁シネマに設置しました。これらの爆発物の爆破を望まないなら、直ちに『国有器官』の上映を中止してください。もし頑なに上映を強行するなら、映画館を血の海の人間地獄に変えることになっても我々の責任ではありません」**と書かれていた。現在、脅迫状を受け取った映画館や主催者はすでに警察に通報しており、関連機関も調査に乗り出しているという。
『国有器官』の上映を予定していた映画館には、台北真善美シアター、桃園統領威秀、新竹大遠百威秀、頭份尚順秀、台中親親シネマ、嘉義秀泰シネマ、高雄台鋁シネマ、中影屏東シネマ、宜蘭新月豪華シネマ、台東秀泰シネマ、そして台南の新光シネマ、麻豆劇場が含まれる。
さらに、別の脅迫状では、脅迫者が台鋁、麻豆劇場、統領威秀の全スタッフの個人情報を把握していると強調し、「最後にもう一度誠意を持って提案する。この反中国的で誹謗中傷、デマを流す映画の上映を中止しろ。さもなければ本当に事件が起きた場合、誰もが面目を失うことになる。賢明な判断を期待する!」と述べている。現在、高雄台鋁シネマは安全上の理由から、9日以降の上映をすでに中止したという。
この情報が明らかになると即座に議論を呼び、多くの台湾のネットユーザーが関連情報を拡散し、非難の声を上げた。「YouTubeで公開すればいい!彼らにYouTubeも脅迫させてみろ」、「Netflixで配信する方が早いだろう」、「テレビ局で台湾全土に放送したら、あの馬鹿どもは何を脅迫できるんだろう」、「これは急所を突いたんだな。反応が極端だ。中国共産党は人類史上最も邪悪な集団だ」、「もしアカデミー賞を取ったら面白いことになるぞ」、「中国共産党の関与がないなんて信じられない」、「これは本当に中国の痛点を突いている。賴清德の中華民国の先祖発言よりも痛いんだ!」などのコメントが寄せられた。
編集:佐野華美
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