台湾独自の台風休暇で1日315億元の損失!地方首長は支持を得るために休業休校を決定? 舞台裏の決断圧力を徹底解剖

地方政府が台風による休業・休校を発表したにもかかわらず、市民は街に繰り出して買い物を楽しんでいる。(資料写真/柯承惠撮影)
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台風休暇を誤って発令した地方首長に責任はあるのだろうか。本記事では台湾特有の台風休暇文化を分析する。

なぜ台風休暇があるのか

台風休暇制度は台湾の特殊な地理的位置と気候条件に由来している。西太平洋の台風経路上に位置する台湾は、毎年平均3〜4個の台風に直接襲われる。国民の安全を守るため、中央政府は地方政府に権限を与え、気象局が提供する風雨予報に基づいて、休業・休校基準に達した場合、状況に応じて台風休暇を宣言できるようにしている

過去の台風休暇発表は主に朝に行われていたが、多くの人が会社や学校に着いてから「即時休暇」の通知を受け取り、誤った発令の確率は低いものの、大きな不満を引き起こした。そのため、近年では前日の夜に発表するように変更された。

台風休暇中の給与計算について、通常の「勤務日」に当たる場合、従業員が出勤すれば通常通り給与が支払われるが、出勤しなくても無給でも合法だ。ただし、労働部は雇用主に対して「できるだけ」賃金を支給するよう奨励している。台風休暇が「休日」に当たる場合、雇用主は休日出勤に関する規定に従って、従業員に残業代を支払う必要がある。

一部の企業では「台風休暇=無給休暇」となるため、台湾には休業・休校を好まない人々もいる。この規定により給与が実質的に減少すると考え、ネットユーザーの中には「損をする」と直接的に表現する人もいる。

台湾人はなぜ台風休暇(防災休暇)を期待するのか

台風が台湾に接近する前夜、各県市の首長のSNSには、多くの市民が台風休暇を望む面白いコメントを投稿する。しかし、休業・休校が発表されると、カラオケや映画館の予約電話が殺到し、デパートは人でごった返す。災害が迫っているのに、市民が最初に取る行動が防災対策ではないことに、多くの気象専門家が首をかしげている。

台風休暇の発表過程は市民にとって「抽選」のようなものとなっている。メディアの閲覧データによると、休暇に関するニュースの閲覧率は、台風警報や被害状況の閲覧率を何倍も上回っており、市民が迫り来る災害に対する準備が不十分である可能性を示している。

台湾人の台風休暇要請コメントの例

  1. 市長、あなたのハンサムな顔と、人々を守る心はよくわかります。風雨が来るたびに、あなたは常に私たちを第一に考え、特別な気遣いをしてくださいます。ハンサムな市長に思い出していただきたいのですが、明日は台風休暇を出すべきですよ。
  2. 市長、あなたは私たちのスーパーヒーローです。風雨が来るたびに、あなたの一声は魔法の呪文のように、私たちを安心させ、台風の夜を乗り越えさせてくれます。あなたの肩は市全体の安全を担っており、あなたの笑顔は私たちの最強の盾です。今、台風が近づいています。あなたの声で、私たちに家で台風をやり過ごし、楽しく台風休暇を過ごすよう宣言するのを聞きたいです!

台風休暇で台湾は何を失うのか

全国規模の休業・休校により、全ての企業活動と台湾の株式市場が停止する。台湾経済研究院のデータによると、台湾の2023年のGDPは23兆元で、1日あたりの生産額は約630億元だ。営業を継続する企業と内需市場を差し引くと、1日あたり315億元の損失が推定される。さらに、株式市場の休場による0.3%の手数料損失15億元、政府の証券取引税も16億元の損失がある。 (関連記事: 雲林県で2024国慶花火の打ち上げテスト!穴場観賞スポット・打ち上げ時間・交通規制情報 まとめ 関連記事をもっと読む

日本の経験豊富なジャーナリスト、矢板明夫氏は次のように述べている。「子どもたちは学校に行かなくてよいと聞いて喜んでいます。しかし、会社の経営者たちの中には、あまり気分が良くない人もいるでしょう。多くの仕事が予定通りに進まなくなるからです。製品が生産できず、納期に間に合わない場合、巨額の損失に直面する可能性があります。」

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