舞台裏》中国の原子力潜水艦が長江で沈没 米国が明かさなかった真実が示す台湾の危機

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの独占報道によると、中国人民解放軍の最新鋭原子力攻撃型潜水艦が、武漢の武昌造船所で事故により沈没したという。写真は中国軍の原子力潜水艦。(資料写真、新華社)
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淺9月26日、米国の『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、米国当局者の話として、中国人民解放軍の最新鋭原子力攻撃型潜水艦が、5月下旬に長江中流域の武漢武昌造船所で建造完了後、事故により沈没したと独占報道した。これに先立ち、中国軍は9月25日午前、ハワイ方向の南太平洋に向けて東風31AG大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功していた。射程12,000kmに及ぶ実戦能力を示すこの発射は、米国への直接的な威嚇メッセージと受け取られていた。

世界中が中国軍の急速に成熟する核攻撃能力に注目する中、米国当局者が突如として主要メディアに中国の原子力潜水艦沈没を証言したことは、中国軍の威勢を削ぐ意図があったと解釈されている。

米方が中国軍の核潜水艦事故の内幕を利用して東風31AG大陸間弾道ミサイルの効果を相殺

米国が中国軍の核潜水艦事故の内幕を利用して東風31AG大陸間弾道ミサイルの効果を相殺しようとしたのは、単にこの2つの出来事のタイミングが偶然一致したことに基づく推測ではない。実は、2024年7月には米国のシンクタンク「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」の客員研究員で元米海軍潜水艦将校のトム・シュガート氏が、4月から6月にかけての衛星写真を比較し、ソーシャルメディア上で武昌造船所で新たに進水した潜水艦に異常事態が発生した可能性を最初に指摘していた。米軍もより完全な情報を把握していたはずだが、情報処理の慣例に従い、外部に確認や詳細を漏らすことはなかった。

9月25日の中国軍の戦略ミサイル試射成功後、米国当局が突然メディアに情報を公開し始めた。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道では、米国の専門家の見解が繰り返し引用され、「これは中国海軍の核潜水艦計画にとって大きな挫折である」「中国軍の核潜水艦戦闘群形成計画を遅延させる」「中国軍内部の管理問題と中国国防産業の長期的な腐敗を浮き彫りにしている」と強調された。さらに、この事故が核汚染や人的被害をもたらした可能性も示唆された。

米国が中国軍を貶め、悲観的な見方を広めようとする世論操作が成功したかどうかは別として、中国軍の動向に詳しい台湾軍関係者の目には、米国当局者が明かした中国軍の核潜水艦沈没に関する描写は、真実と虚偽が入り混じっており、多くの疑問点があるように映った。その中には、台湾海峡の安全保障に関わる真相が隠されている可能性がある。 (関連記事: 中国、台湾に再び「利剣」演習 国安関係者:馬英九の発言が軍事演習の正当化に利用される 関連記事をもっと読む

事故を起こしたのは「核潜水艦」?武昌で新型潜水艦に異常事態

『ウォール・ストリート・ジャーナル』のこの独占記事は、匿名の米国当局者による中国軍の潜水艦沈没事故に関する描写を引用しているが、そこにはいくつかの重要なポイントがある。第一に、事故を起こしたのは核潜水艦で、しかもNATO仮称の最新型「周級」だとされている。第二に、この核潜水艦は武昌造船所で建造されたとされている。第三に、沈没場所は長江中流域の造船所の埠頭だとされている。