総統の頼清徳氏が10月10日に国慶節演説を行う前、台湾の国家安全保障システムは事前に警告を発していた。頼清徳氏が何を言おうと、軍事演習を行う可能性があるとのことだった。中国は14日未明、台湾周辺の海空域で「連合利剣-2024B」演習を実施すると発表。これについて、国家安全保障関係者は、最近の中国のインド太平洋地域における頻繁な挑発的行動は、台湾だけでなく、世界の民主主義国家に対する公然たる挑戦を示していると主張。この関係者は、台湾は国際的な民主主義陣営と協力し続け、中国のリスクを共同で管理し、地域の安全と安定を確保する必要があると述べた。
国家安全保障関係者によると、頼清徳総統の国慶節演説後、中国外交部はまず「台湾は決して一つの国家ではなく、なり得ることもなく、いわゆる『主権』など存在しない」と回答した。その夜、中国の官製メディア「看台海」「央視軍事」も記事を投稿し、「#台湾は決して一つの国家ではなく、なり得ることもない」とタグ付けした。特に「央視軍事」の投稿は、当局の意図的な拡散により7時間で約5000万回の閲覧数に達し、明らかに操作されたものだった。この表現は北京が台湾の国慶節に対応する主要な表現となっている。
馬英九の主張が中国当局に大々的に利用 抖音(TikTok)で拡散
この関係者は、これらの表現が国際的な認識とまったく異なり、台湾社会の理解とも異なると指摘。その中には多くの偽情報が含まれており、例えば、台湾社会では前総統の馬英九氏を除いて、国慶節演説に反論する人はほとんどいない。馬英九氏の主張は中国当局によって大々的に利用され、拡散された。例えば、央視の微博は国慶節当日に「『ダブルテン』行事に出席せず、馬英九が頼清徳のいわゆる『新二国論』を激しく批判」と投稿。TikTokアカウント「今日海峡」も、馬英九氏が頼清徳に対して崖っぷちで馬を止めるように、二国論を放棄するよう呼びかける動画コンテンツをアップロードした。
国家安全保障機関の分析によると、中国側が発信したメッセージは、中国外交部を通じて国際社会に宣言するだけでなく、主に国内の団結を強化するためのものだった。そのため、同じ表現や馬英九氏の発言内容を大量に発信し始め、軍事演習の正当性を形作っている。演習初日、「人民日報」2面は馬英九氏と馬英九基金会の蕭旭岑執行長の発言を引用し、頼清徳総統が提案した「新二国論」が台湾海峡の緊張を引き起こし、紛れもないトラブルメーカーになったと指摘。さらに、頼清徳は中華民国の殻を借りて、台湾独立の祖先を拝んでいるだけだと批判した。国家安全保障関係者は「関連する表現の粗野さと狂気は予想通りだ」と述べた。 (関連記事: マスク氏、毎日1名に1億5000万円贈呈!トランプ支持で大盤振る舞い | 関連記事をもっと読む )
中国が第一島鏈内の3海域で挑発継続 米国務省が自制を要請
国家安全保障関係者は、中国が第一列島線内の三つの海(南シナ海、台湾海峡、東シナ海)で様々な圧力と挑発を続けていると指摘。日本に対する領空侵犯、台湾に対する軍事演習、フィリピンとの血を流す衝突、ベトナム漁民への暴行などを行っている。最近では、年次の中央軍事委員会の全軍戦略演習を利用して、これらの圧力と挑発の規模を拡大。また、中国とロシアの海警船が10月1日に共同で北極海に進入し、米国などNATO諸国の懸念を引き起こした。最近、中国は海警部隊と「遼寧」空母艦隊を再び展開し、日本やフィリピンなど第一列島線周辺国に対して同時に挑発を行っている。