台湾楽天クレジットカード会社に勤務していたエンジニアが、信用状態の悪い顧客の個人情報約27万件を窃取し、民間貸付業者に販売していたことが明らかに。不正利益は約5万元程(約23万円)。台北地方検察署は9日、個人情報保護法違反などの容疑で、呉容疑者と個人情報を不正に購入した4名の業者を起訴した。
台湾楽天クレジットカード会社の管理部運用管理グループのエンジニアとして、同社のコンピューター機器の保守、機器の更新・廃棄処理、従業員のソフトウェア更新や簡単なシステム設定などを担当。2023年11月14日から2024年2月6日にかけて、従業員のコンピューター設定更新の機会を利用し、顧客の個人情報にアクセス権限を持つ従業員のコンピューターから、約27万件の顧客情報をコピーし、自身の個人メールアドレスに送信した。
容疑者は入手した顧客情報をFacebookで「銀行の個人情報を持っている。興味のある方はDMください」と投稿。その後、羅氏が約3万元(約14万円)で約27万件の顧客リストを購入。別の羅氏と王氏がそれぞれ1万元(約4.6万円)と8000元(約3.7万円)を支払い、リボ払い利息を支払っている顧客の個人情報を購入。また、呉容疑者は借金をしていた男性に対し、借金返済の代わりに顧客情報を提供した。
さらに呉容疑者は、個人的な債務問題から、システム管理部のエンジニアの傍ら、ローン申込代行業務も行っていた。3名の顧客の身分証明書と健康保険証の情報を入手し、証明書の写真を自身の顔写真に差し替え、不正に使用していたことも明らかになっている。
2024年2月、台湾楽天クレジットカード会社の内部監査で呉容疑者の会社メールアドレスから不審なファイルが送信されていたことが発覚。顧客情報の流出が確認され、直ちに警察に通報された。
台北地方検察署は9日、刑法のコンピューター使用妨害罪で呉容疑者を起訴。他の4名の共犯者とともに個人情報保護法違反の容疑で公訴を提起し、5名の法的責任を追及する方針だ。
編集:佐野華美 (関連記事: 福島産食品輸入緩和で台湾に波紋 民衆党「安全性厳格管理を」と要求 台日友好は共通の願い、強調 | 関連記事をもっと読む )
台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp