「中華民国」への言及増加、台湾のアイデンティティを強調
頼清徳総統は10日、就任後初となる国慶節演説を行った。演説の中で「中華民国」という言葉を8回使用し、これは蔡英文前総統の過去8年間の演説と比べて2回多い。頼総統は「団結台湾、共に夢を実現」をテーマに掲げ、「中華民国」を8回、「台湾」を44回、「中華民国台湾」を2回言及した。
台湾の若者の活躍を称賛、多様性と創造性を強調
頼総統は演説の中で、台湾の若い世代の革新的精神を高く評価した。特に、世界的に有名なドラァグクイーンのニファイアや、オリンピックボクシング金メダリストの林郁婷を例に挙げ、台湾人の多様性と勇気を称えた。
さらに、17歳の蔡昀融が世界一の木工技能を示したことや、20歳の陳思源が父親の技術を受け継ぎ冷凍空調の世界チャンピオンになったことにも言及。これらの若者が「台湾製」の新世代として、「Made in Taiwan」のブランド価値を高めていると強調した。
国連決議2758号への暗示、与野党協力を呼びかけ
演説を熟知する関係者によると、頼総統の言葉の端々に国連決議2758号への言及が隠されているという。「中華民国は国際社会から追放されたが、台湾の人々は決して自己放棄しなかった」という発言は、53年前の歴史的文脈を指し示しつつ、古い歴史観の枠組みを取り払おうとする意図があるとされる。
(関連記事: 台湾の国慶節ビジュアル、伝統回帰で話題に:「中華民国」表記と梅花モチーフが復活 | 関連記事をもっと読む )「民主台湾」の重要性を強調、国際社会の期待に応える
頼総統は「国家の利益は常に政党の利益に優先し、政党の利益は決して国民の利益を超えてはならない」と述べ、与野党に対して国内では競争しつつも、対外的には団結することを呼びかけた。また、「中華人民共和国には台湾人民を代表する権利はない」と明言し、「民主台湾」と「権威主義的中国」の違いを強調。国際社会が期待しているのは、より強力な「民主台湾」であると訴えた。
編集:高畷祐子
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