文化部駐日台湾文化センター主催の年次企画展「多元台湾文化漫画展」(「-Colorful- ダイバーシティ in 台湾漫画」)が8月22日、東京・虎ノ門の同センターで開幕した。会場には台湾の人気漫画家・阮光民氏、左萱氏、重花氏の3人が来日し、日本の読者との交流に臨んだ。
開幕式には、台北駐日経済文化代表処の周学佑公使、日本台湾交流協会の谷崎泰明理事長、長年「日本国際漫画賞」の審査委員長を務める里中満智子日本漫画家協会理事長、手塚プロダクションの松谷孝征社長ら、出版・漫画業界の関係者が多数出席し、日台文化交流の場を盛り上げた。
周公使は挨拶で「本展はジェンダー、民族、人権をテーマに、BLやGL、民主化運動、言論の自由、先住民族や新住民など多様な題材を扱う21作品を紹介している。台湾漫画の創意と深み、そして多様な価値を尊重する精神を日本の皆さんに伝えたい」と強調した。
漫画家の阮光民氏は「漫画は娯楽を超えて世界共通の言語だ。人文や歴史を世界に紹介することができる。台湾漫画の多様性や包容力こそが最も魅力的な特徴」と語った。
日本台湾交流協会の谷崎理事長は、自身の子ども時代に漫画が週刊形式で出版され始めた思い出に触れ、「漫画は今や世界にとって欠かせない文化だ。世界が単色化しつつある中で、この展覧会が『Colorful(多様性)』をテーマにしていることは非常に重要であり、喜ばしい」と述べた。
長年、国際漫画賞の審査を務める里中氏は「台湾の作品は画力が優れているだけでなく、物語性やキャラクターの表情、一つ一つの台詞に込められた感情が人々を感動させる。もっと多くの日本の読者に触れてほしい」と期待を語った。
本展のメインビジュアルは、第18回国際漫画賞銀賞受賞作『芭蕉の芽』の作者である左萱氏が手掛けた。台湾の花窓建築や客家花布をモチーフに、灯籠を配したカラフルなデザインで、多様性を象徴する。同ビジュアルは来場者への特典品にも使用され、台湾茶ブランド「京盛宇」の茶パックに印刷されて配布される。
また、会期中には日台漫画家の交流イベントも企画されており、8月23日には淳久堂書店池袋本店で、台湾の重花氏と日本のBL漫画家・紗久楽さわ氏による対談とサイン会が行われる予定だ。
展覧会は9月26日まで台湾文化センターで開催され、入場は無料。多彩なテーマを通じて、台湾漫画の新たな魅力を紹介する場となっている。
編集:佐野華美
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