ロンドンを拠点とするテクノロジーブランドNothingは20日、東京・WITH HARAJUKU HALLで新製品発表会「NOTHING SUMMER UPDATE」を開催した。ブランド初のフラッグシップスマートフォン「Phone (3)」と、初のオーバーイヤーヘッドホン「Headphone (1)」を披露。本イベントにはNothing CEOのカール・ペイ氏、Nothing Japan代表の黒住吉郎氏、楽天モバイルの共同CEO兼CTO、シャラッド・スリオアストーア氏が登壇し、日本市場への展望、新製品の特徴、そして楽天モバイルとのパートナーシップについて語った。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) カール・ペイ氏は「昨年、私たちは日本にオフィスとチームを設立すると発表しました。そして現在、スマートフォン、オーディオ、スマートデバイスにわたる完全なプロダクトエコシステムを構築しました。さらにFeliCaとeSIMのサポートも追加しました」と述べた。
続けて「私たちの独自のデザインとAIを活用したユーザー体験は、特に若くクリエイティブな層の間で大きな注目を集めています。日本のお客様が日ごとに私たちのブランドを認知していることを実感しています。実際、当社ウェブサイトのトラフィックは、日本がインド、アメリカに次ぐ第3位となっています」と強調した。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) さらに「楽天モバイルとの提携により『Phone 3a』を発売し、より多くのお客様に製品を届けることができました。そして今後もその関係を強化していく考えです。その結果、日本におけるすべての製品カテゴリーで非常に強い成長を見ています。私たちは引き続き日本市場に注力し、消費者をワクワクさせたいと考えています。私は頻繁に日本を訪れ、皆さんにもっとお会いできることを楽しみにしています」と語った。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) Nothing Japan代表の黒住吉郎氏は「新しいプロダクトの前に少し全体的な戦略をお話しします。私たちは今、少しだけ難しい時代にいます。政治も経済も安定せず、どこかみんな不安を感じています。かつて進歩の象徴だったテクノロジーは、いつの間にか疑問を持たれる存在になりました」と切り出した。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) 「まずデザインです。どのプロダクトも似たり寄ったりで、だんだんつまらないものになっていました。お客様は正直です。1年ごとの買い替えサイクルは、いつの間にか3年になっています。オペレーションシステムも20年間ずっと同じです。スマホはSNSを見るためのマシーンになってしまいました。多くの人がネガティブな情報に翻弄されています。本来テクノロジーが与えるべき積極性や創造性を、私たちは失いつつあるのかもしれません」と続けた。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) 「Nothingのベースにはそんなシンプルな問いがあります。テクノロジーはかつて楽しく、可能性に満ち溢れていました。もしまた同じように感じられるようになったらどうなるんだろうと。私たちはデザインから始めました。10メートル離れたところから見ても一目でNothingだと分かるデザイン。そしてソフトウェアにもデザインシンキングを持ち込み、シンプル、エレガント、邪魔にならない存在を目指しました」と語った。
「この4年間、デザイン、コミュニティ、そしてやり遂げる強い意志にこだわりを持って取り組んできました。Nothingにとってのコミュニティは一緒にものを作り上げるパートナーのようなものです。昨年日本にも導入したコミュニティエディションはデザイン賞を受賞しました。8000人以上のコミュニティメンバーがNothingの株主でもあり、取締役会にも代表が出席しています」と紹介した。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) 「信じていることを形にするのは大変ですが、私たちはハードコアなビジネス基盤を築きながら、成熟したカテゴリーに挑戦してきました。スマホやワイヤレスイヤホンは巨大な市場ですが、昨年は新しいカテゴリー『イヤーオープン』に挑戦し、今年3月にはAIを活用したEssential Spaceベータ版をリリースしました。成長の第2章では、さらなるイノベーションに挑戦し、ユーザーをクリエイティブにする体験を提供していきます」と語った。
その後、黒住氏は新製品「Headphone (1)」を紹介した。「似たり寄ったりのヘッドホンではなく、全く違うものを作りました。新しいシースルーデザイン、アルミ素材による軽量性と耐久性、直感的な操作、KEFと共同開発したHi-Fiサウンド、AIを活用したノイズキャンセリングなどを搭載しました」と述べ、細部にわたって特徴を説明した。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) さらにフラッグシップスマートフォン「Phone (3)」についても、「美しさ、アイデンティティ、個性を持たせ、ユーザーがよりクリエイティブになれるようにデザインしました。新しいグリフマトリックスやEssential Space、Essential Searchなどを搭載し、AIと連携して体験を根本的に進化させます」と語った。
楽天モバイルの共同CEO兼CTO、シャラッド・スリオアストーア氏は「楽天は1997年に三木谷浩史が創業しました。現在、日本国内で1億人以上の会員を持ち、70以上のサービスを展開しています。楽天モバイルは2018年に開始し、オープン無線アクセスで世界最大のネットワークを構築しました。顧客満足度でも1位を獲得しています」と説明した。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) 「私たちは2023年にシンプルな無制限プランを開始し、世代別のプランも展開しています。さらにAIにも注力し、Rakuten AIやUniversal Conciergeを発表しました。AIにはデバイスと接続性が不可欠であり、Nothingの方向性は私たちのビジョンと合致しています」と述べた。
「今年初め、Nothingと提携して『Phone 3a』を提供し、多くの若いユーザーに支持されました。今回、国内で初めて『Phone (3)』を販売します。256GBモデルは税込11万9,900円、512GBモデルは税込13万8,900円で、本日正午から予約を開始し、8月28日から全国の店舗で販売します」と発表した。
最後にスリオアストーア氏は「Nothingとのパートナーシップを非常に嬉しく思います。今後も連携を強化し、日本の消費者により良い体験を提供していきます」と締めくくった。
また、Nothingは公式プレスリリースで「Phone (3)」の詳細仕様を発表した。Snapdragon 8s Gen 4の搭載や5150mAhのシリコンカーボンバッテリー、65W急速充電と15Wワイヤレス充電、6.67インチAMOLEDディスプレイ、IP68防水防塵などを備え、FeliCa・おサイフケータイ®やeSIMにも対応する。12GB+256GBモデルが税込12万4,800円、16GB+512GBモデルが税込13万9,800円で、8月20日正午より予約を開始し、8月28日から発売される。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) さらに「Headphone (1)」についても、KEFとの共同開発による40mmカスタムドライバー、ハイブリッドアクティブノイズキャンセリング、AIを用いたクリアボイス技術を搭載。最大35時間再生、5分充電で5時間使用可能とし、価格は税込3万9,800円。Phone (3)と同じく20日正午より予約を受け付け、28日午前9時から販売を開始する。
ロンドン拠点のNothingは20日、東京で新製品発表会を開き、Phone (3)とHeadphone (1)を披露し、経営陣と楽天モバイル幹部が日本市場戦略と提携を語った。(写真/黃信維撮影) Nothingは2020年にロンドンで創業し、世界中の300万人を超えるコミュニティと共に製品を開発してきた。創業から4年で累計売上は10億ドルを突破し、スマートフォンやオーディオ製品など、デザインと体験を重視した製品を発表し続けている。