台湾の「ミシュランガイド2025」で、12日に最新の「ビブグルマン(必比登推介)」が発表され、新竹県から初めて8軒のレストランが選ばれた。そのうち3軒は客家料理、1軒はベジタリアン料理を提供しており、多彩な食文化を反映している。楊文科県長は「新竹県ならではの味覚と風景を楽しんでほしい」と全国からの来訪を呼びかけた。
初選出の8店舗
今回選ばれたのは、関西鎮の「ㄤ咕麵」、北埔郷の「春嬌粄條」、竹東鎮の「鴻金食堂」、横山郷の「晌午粄食」、竹北市の「善菓堂」「首烏廚EAT」「唐草園」、さらに北埔郷中正路の「鄒記菜包」。楊県長は「客家料理を味わうなら新竹県を訪れるべきだ」と強調し、美食と併せて県内13の郷鎮市を巡る観光を勧めている。
関西鎮は客家(ハッカ)文化が色濃く残り、閩南様式や日本統治時代の建築が並ぶ。歴史的な「東安古橋」や泰雅族の伝統文化に触れられる「馬武督」も見どころだ。特産品では仙草(ハーブゼリーの原料)が有名で、台湾を代表する産地となっている。

北埔郷はわずか200メートルの老街に7つの古跡が集中。国定古跡の金廣福公館や姜阿新洋楼などが並び、歴史を感じさせる。食では粄條(米粉麺)、擂茶(客家伝統のお茶)、柿餅や膨風茶など、地元の味覚が旅人を惹きつける。
竹東鎮は、人文的な風情と芸術的な彩りに満ちた素朴な町である。竹東駅を起点に歩けば、周辺には訪れる価値のあるスポットが点在する。竹東文創芸術村では工芸や文化体験が楽しめ、蕭如松芸術園区では地元ゆかりの芸術家の世界に触れられる。さらに「中央市場」と呼ばれる竹東の台所は、新竹県内で最大規模を誇る客家伝統市場であり、古くからの食文化が凝縮された場所だ。市場の通りには客家小吃の香りが立ち込め、訪れた人々を郷愁と食欲で包み込む。
横山郷は、かつて林業や鉱業の集散地として内湾地域の繁栄を支えてきた歴史を持つ。台湾鉄路三支線の一つである内湾線に乗れば、竹東を出発し、横山、九讚頭、合興、富貴といった駅を経由して終点の内湾へと至ることができる。内湾老街では、黒糖糕や野薑花粽といった伝統的な客家料理が名物で、観光客にとって外せない味覚体験となっている。古き良き街並みに加え、「愛情駅」として親しまれる合興車站は、横山郷を象徴するロマンチックなスポットだ。家族連れにもカップルにも人気が高く、訪れる人々に温かく幸せな時間を与えてくれる。
竹北市は、新竹県の中でも特に活気にあふれた都市で、現代的な街並みと歴史文化の奥行きが融合している。高鉄新竹駅を擁する交通の要衝で、旅人にとってアクセスの良さも魅力のひとつだ。頭前渓沿いを散策し、自然が造り出した豆腐岩の景観を楽しみ、午前中には新瓦屋客家文化保存区で客家文化の歴史に触れる。午後には新月沙灘で海風を感じながら景色を堪能できる。自然と都市の魅力が見事に調和した竹北は、一度訪れれば再び足を運びたくなる場所だ。詳しい旅行情報は、新竹県観光ウェブサイトでも紹介されている。
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