著書が相次いで受賞 日本の元外交官・垂秀夫:「中国問題」を生涯の志とする

2025-03-22 00:57
蔡英文前総統(右)は以前、日本の元外務省大臣官房長・垂秀夫に「大綬景星勲章」を授与した。(資料写真、総統府ウェブサイトより)
蔡英文前総統(右)は以前、日本の元外務省大臣官房長・垂秀夫に「大綬景星勲章」を授与した。(資料写真、総統府ウェブサイトより)
目次

立命館大学衣笠総合研究機構特別招聘研究教員、日本の元駐中国特命全権大使・垂秀夫氏が、『文藝春秋』誌上の短期連載「駐中国大使、かく戦えり」により、第86回「文藝春秋読者賞」を受賞した。また、著書『「言葉」が伝えるメッセージ』(日本僑報社)も「咢堂年度図書賞2024」外交部門大賞を受賞した。『風伝』は以前にも垂秀夫氏に外交経験について独占インタビューを行っている。

垂秀夫氏は2023年度末に日本外務省を退官し、2024年度から正式に立命館大学に加わった。約40年の外交経験を持つ元高級外交官として、彼の中華圏での駐在経験は非常に豊富である。退官後も講演、著作、学術論文などを通じて「中国問題」の研究と考察に取り組み、日中関係を歴史的に分析・評論し、両国関係の将来発展に向けた提言と省察を提供している。

垂秀夫氏の豊富な外交経験 回顧録が日中関係の内幕を詳述**

第86回「文藝春秋読者賞」を受賞した回顧録は、日本の対中外交の舞台裏を鮮明に描き出し、読者と審査団から高い評価を得た。垂教授の数十年にわたる外交実務経験に基づき、日中関係の複雑さと課題を深く分析し、歴史的視点からの観察と警告を提示して、国際関係と東アジア情勢の研究者に貴重な洞察を提供している。授賞式は今年2月27日に『文藝春秋』本社で行われた。

また、「咢堂年度図書賞2024」外交部門大賞を受賞した同氏の著作は、尾崎行雄記念財団が主催する「咢堂年度図書賞」が憲政、国政、地方自治、選挙などの分野で卓越した貢献をした優れた書籍を表彰するものである。垂教授の受賞作は、読者の中国理解を深めるだけでなく、日本の立場も明確に示しており、選書審査団から高い評価を得た。

受賞について垂秀夫氏は、若い頃、司馬遼太郎の歴史小説に深く影響を受け、激動の時代に全力を尽くした戦国武将や幕末志士に憧れ、自らも歴史の中に身を投じたいと思ったと語った。大学卒業後、希望通り外交官となり、中学時代からの夢を実現した。現実の世界は想像ほど単純ではなかったが、それでも「中国問題」を生涯の志として選び続けたという。

垂秀夫氏は、重要な職位を務める過程で数々の挑戦とドラマチックな瞬間を経験し、中国との交渉は困難を極めたが価値あるものだったと指摘する。歴史的視点から日中関係を検証することで、未来への新たな方向性を提供できると信じている。「今、回顧録と著作が評価されたことは、非常に光栄であり、慰めでもあります」と述べた。

台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_jp

最新ニュース
論評》2025年、新ヤルタ協定──トランプ氏・プーチン氏・習近平氏が世界秩序を再構築するのか?
パンデミックが退職計画を変更 在日台湾人TKが千葉でキャンプリゾートを構築
「不登校」問題解決を目指し 日本の高校がメタバース課程導入、アバターで授業参加が可能に
単独インタビュー》東北楽天イーグルス・宋家豪:次の目標は日本プロ野球500試合、200ホールド
日本旅行中の体調不良、どう対処? 旅行KOL・阿倫が「オンライン診療」などのツールを紹介
中学時代はテニスに打ち込み、美容師に転身! 台湾の若者が日本で起業、きっかけは木村拓哉のドラマ
【MLB東京シリーズ】大谷人気&限定コラボで過去最高60億円の売上達成!
首都高が台湾・高雄市を訪問 スマートシティ技術の交流で日台連携深まる
ベルギー議会、台湾支持決議を可決 中国の頻繁な軍事演習に非難
微風評》「統一支持=武統宣伝」? 台湾で揺らぐ言論の自由の境界線
台湾・児童虐待事件の公判で死刑存廃論争が再燃 朱立倫氏「民進党は公平正義を無視し、死刑廃止を主張」
封神ブームが台湾で大ヒット!陽明山の姜太公(太公望)道場に若者参拝者が殺到
「教育の権限を親と各州に返還」トランプ氏、アメリカ教育省を閉鎖する大統領令に署名
台北初の「ららぽーと南港」が開業!初日に3万人超の来場 三井幹部「年間売上は100億元突破を目指す」
台湾・司法院の大法官指名作業が終了 院長候補に蔡秋明氏、副院長候補に蘇素娥氏
台湾・新北初のSDGsへの取り組み計画を発表した博物館 十三行博物館が千年の歴史から持続可能な未来へ
井上雄彦の息子がリアル「スラムダンク」に!井上大道、日本プロバスケ入り 父の故郷でプレー
舞台裏》台湾・賴清德総統の厳戒態勢は花蓮王の終焉か?国民党は別の反罷免戦略を打ち出す
【MLB東京開幕戦】ドジャース、カブスを圧倒!大谷翔平、東京ドームで本塁打炸裂!佐々木朗希、MLBデビュー戦で3回1失点
中国、台湾周辺で軍事演習を実施し中間線を越境 米国務省・国防総省が同時に中国を非難:露骨かつ無責任
【台湾・京華城事件】柯文哲、移審後初の弁明!被告4名が同日出廷 台北地裁、警備強化を要請
台湾・国民党が「死刑存続」「戒厳反対」国民投票を提案 民進党:「仮定の国民投票は全く意味がない」
歴史風傳媒》幼児虐待事件カイカイ案はなぜ全民の怒りを呼び起こしたのか?4歳女童が骨を折られ肉を穿通されて7年、台湾は何を学んだのか?
台湾で幼児虐待事件が波紋 「唯一死刑」案に弁護士が警鐘「子どもが永遠に見つからない可能性も」
【MLB東京開幕戦】「大谷キラー」も苦手なことが?台湾のカメラマンが現場でサポート
台北観光人気ランキング発表!西門町が1位、台北101を超える圧倒的人気
一文で分かる》トランプが関税を振りかざし、カナダとEUに制裁!各国の反撃戦略とは?
中国の台湾侵攻リスクが倍増?元空軍将官が日本のミサイル配備に警鐘
台湾・新北大巨蛋の最新設計図が公開 新北市副市長が候補地を明かす:収容人数は台北ドームを超える
【大谷翔平】「金色ロゴ」を着用 MLBでわずか6人だけの栄誉
【MLB東京開幕戦】大谷翔平が二塁打で貢献 ドジャースがカブスを破り新シーズン初勝利
【MLB東京開幕戦】「100年後には誰も覚えていない」今永昇太、チームメイトの言葉で緊張を緩和、ドジャース監督は山本由伸の好調を高評価
賴清德総統、日華懇・古屋圭司会長と会談し 日本の戸籍への「台湾」表記に感謝を表明
第8回玉山フォーラム》「新南向政策+」が台湾と世界の共通利益を結ぶ デジタル技術、半導体など6つの協力回廊で地域連携強化へ
2025年「第1回世界バードフェア」、台湾で開催 各国執行委員が台湾を訪問しエコツーリズムを絶賛
【MLB東京開幕戦】本日開幕!大谷翔平 vs. 今永昇太、SNSで「今夜会いましょう」
「トランプ・習近平」6月に“誕生日サミット”開催か? トランプ氏「習近平が近く訪米」と発言
異例の対話》台湾大学生が両岸戦争を懸念し、民主主義への信頼を失う 中央研究院学者の見解「私たちには悲観する自由はない」
トランプとプーチン、露ウ停戦協議:「領土割譲による和平」を米国が示唆 専門家は「台湾の未来の予兆」と警告
独占》台湾.台北地検が元台北市長柯文哲を窮地に追い込んだか—同室者が検察官との「極秘会話」を聞いた
異例の対話》民主のために戦うか、平和のために民主を犠牲にするか?中央研究院学者が戦争の影の下で台湾のジレンマを語る
台湾のレジリエンス強化は可能か?米専門家が提言「原発再稼働・低軌道衛星強化・市民の抵抗意志向上」
台湾新幹線、N700Sベースの新型車両を導入!防音・快適性を向上し、2027年運行開始へ
公孫策コラム》すみません、TAIWANはどこにありますか?
トランプ氏「アメリカは台湾の半導体に依存しない」— TSMCの魏哲家氏を称賛し、関税政策を再強調
舞台裏》「武統発言」で台湾追放?頼清徳総統が中国籍配偶者インフルエンサー「亜亜」に下した決断 彼女が犯した“禁じ手”とは
LINE Pay、韓国の革新金融ブランドと提携 韓国観光客の台湾消費を促進
【MLB東京オープン戦】鈴木誠也、3打数1安打!阪神がオープン戦でカブスを3-0で撃破
中国沿岸が自衛隊の攻撃圏内に 「敵基地攻撃能力」強化のため、日本が九州へのミサイル配備を検討
独占》頼清徳派 vs. 蔡英文派の見えない戦争?冷遇された海基会、「民主活水」の台頭