台湾・台北市の公共交通機関である台北捷運(台北メトロ)は、駅構内で利用できる6つの「隠れた無料サービス」を発表した。トイレの利用はもちろん、遺失物対応や多言語案内、無料の生理用品提供など、海外からの旅行者にも好評を博している。
台北メトロが提供する6つの無料サービス
多言語案内サービス
駅構内のサインや車内放送は、中国語・英語・日本語・韓国語の4言語に対応しているほか、案内カウンターに掲示されたQRコードを読み取ることで、4言語対応の電子ガイドを閲覧できる。ガイドには運行情報や乗車方法、注意事項などが簡潔にまとめられており、環境にも配慮した設計となっている。
自動券売機は欧米・アジア圏の利用者を想定し、最大12言語に対応。外国人旅行者でもスムーズに利用できる。
AIチャットボットによるカスタマーサポート
AIスマートカスタマーサービスは、遺失物システムと連携しており、電話不要でチャットボットの案内に従って落とし物を検索・登録できる。24時間対応で、車内や駅構内での緊急対応にも即時対応可能。最近では音声対応型のAIカスタマーサポートも導入され、公式サイトやアプリ「台北捷運Go」から利用できる。
無料の生理用品提供──ジェンダー平等への対応
女性乗客が急な生理に見舞われた際に備え、現在台北駅、市政府駅、西門駅、板橋駅、中山駅など20駅で、生理用ナプキンを無料で配布している。そのほかの駅でも、駅員に申し出れば必要な支援を受けられる。
すべての駅のトイレにはナプキンの自動販売機が設置されており、10元(約50円)で2枚入りを購入できる。
エチケット袋の提供
車内や駅で嘔吐した場合、駅員に直接知らせるか、車内のインターホンで報告すれば、清掃員が迅速に対応する。体調がすぐれない場合や飲酒後の乗車時には、ビニール袋を持参するか、案内カウンターでエチケット袋を受け取るよう勧めている。
高速充電ステーションの設置
全117駅に設置された290か所の充電座が、Type-AとType-C対応の高速充電仕様に順次アップグレードされている。台北駅や国父記念館駅、南港駅、板橋駅ではすでに導入済みで、全駅での更新は2024年6月末までに完了予定。最大60Wの出力に対応し、高速充電機能を持つモバイル機器にも対応する。
高い定時運行率と信頼性
2023年の5分以上の遅延は年間でわずか6件にとどまり、開業以来最も少なかった。運行信頼性を示すMKBF(故障間隔走行距離)は1,911万車両キロに達し、過去最高を記録。台北メトロは、安全・信頼・快適なサービス提供を今後も継続するとしている。
資料提供:《台北メトロ》
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾・新北市の安坑ライトレールが世界に輝く 生活美学の象徴として国際建設賞受賞 | 関連記事をもっと読む )
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