トップ ニュース 張鈞凱コラム:「終末予言」は外れたが…台湾で避難バッグが爆売れ、背景に“現実的な恐怖”とは
張鈞凱コラム:「終末予言」は外れたが…台湾で避難バッグが爆売れ、背景に“現実的な恐怖”とは 「2025都市レジリエンス演習」および「国家の団結月」シリーズの活動に合わせ、内務省警政署は特別に「護りの盾──防空避難体験特展」を企画。卓栄泰行政院長と劉世芳内務部長が7月2日に開幕式に参加した。写真は会場に展示された防災避難物資。(内務省提供)
7月5日、日本で話題となった大地震の「終末予言」は空振りに終わった。出典は漫画『私が見た未来 完全版』で、作者の竜樹諒氏はインタビューで「災害日付は編集者が書いたもの」と釈明。一方、羽田空港は当日混雑し、日本の航空会社が恩恵を受けたとの声も。台湾でもこの一件はネット上で注目されたが、その裏で「防災避難バッグ」がネット販売ランキング上位に。人々の不安は単なる「地震」ではなく、もっと現実的な「何か」に向いているようだ。
防災避難パックはなぜ売れているのか? 実際、台湾では地震や台風が頻発し、家庭ごとに防災用品があるのは珍しくない。それでもこの数週間で防災バッグの売上が急増した背景には、明確な転機があった。6月11日、在台米国協会(AIT)高雄事務所がFacebookで「避難バッグ開封ガイド」を公開し、1.7万人が「いいね」、8000件以上シェアされた。アメリカ国務省も「台湾に全社会的なレジリエンスを促す」と発表。また、AITは与党系団体と共に救急ワークショップも開催しており、他都市からの開催要望も相次いでいる。
この動きは政府にも波及している。6月下旬、総統府主導の「全社会防衛レジリエンス委員会」では内政部長が「避難パックが非常に人気」と報告。さらに総統発言をきっかけに、大手量販店も「地域レジリエンス演習」に参加を決定。その背後では、ブラックベアアカデミーが販売する避難パックの価格や製造地が議論を呼んでいた。英誌『エコノミスト』は、これらの防災用品ブームを「自然災害ではなく、中国の軍事的脅威への備え」だと指摘。1カ月間のサバイバルを想定する仕様は、米国防専門家が描く「台湾防衛シナリオ」と一致しているという。
米国在台協会高雄分処が、避難用リュックに詰めるべき7つの重要品目を挙げた。(米国在台協会高雄分処のFacebookより)
防災避難パックは「中国脅威論」の副産物か 台湾で防災避難パックがブームとなっている背景には、「中国脅威論」の広がりがある。台湾と中国が分断された1949年以降、統一問題は常に台湾海峡に横たわってきたが、「戦争は避けられない」という危機感が社会に浸透しはじめたのはごく最近のことだ。背後には、米国の覇権が中国の台頭により脅かされることへの不安がある。米中戦争や台湾海峡での有事を想定し、台湾を“反中最前線”に動員する構図が進んでいる。
米国のシンクタンクは次々と机上演習を行い、軍高官は「中南海の床に耳を当てる者」のように、2027年に中国が台湾を攻撃するというシナリオを語る。ウクライナ戦争を機に訪台する米国の代表者らは、「徴兵制の拡大」「警察機構の軍事対応強化」など、台湾に具体的な対応を求めてきた。台湾では「外国の和尚が読む経(=外来の方が信頼されやすい)」という心理も働き、非対称戦力の模倣が急ピッチで進んでいる。
賴清德総統も漢光41号演習に向けてビデオでメッセージを発信。「防衛とは勝利することだけではなく、危機の後に国家を再建する方法を考えることも重要だ」と語った。こうしたメッセージが、防災や市街戦の備えを「終末的」なイメージで彩っている。
2024年12月26日、総統府の全社会防衛レジリエンス委員会が第2回委員会会議を開催し、会場に緊急避難用リュックが展示された。(総統府提供)
戦争か?「終末予言」の漫画が象徴するもの ある軍事専門家は、最近の机上演習に基づく非公式の見解として「北京にとって台湾統一は“破壊”ではなく“修復”が目的だ」と話す。そのため、死傷者を可能な限り出さない、あるいは武力を用いない選択肢すら存在する可能性がある。台湾や米国が「勝つこと」ばかりに意識を向ければ、最終的に「共倒れ」になりかねないと警鐘を鳴らした。
米国や台湾与党が「戦争」を前面に打ち出す理由は、軍事的というよりも政治的・経済的な思惑が大きい。たとえトランプ前政権のように「経済の安全保障」を優先するスタンスに回帰したとしても、軍需産業との関係維持や資金集めの手段として“台湾有事”は必要不可欠なテーマである。
昨年、総統府で開催された防衛レジリエンス委員会の会議では、特定企業の避難パックが配布された。また、SNSで「台湾を守れ」と叫ぶインフルエンサーたちが宣伝していた携帯型電源のブランドは、実は中国企業に売却済みであるという事実は、ほとんど共有されなかった。
結果として、市民は「戦争」という終末的なイメージに不安を抱きながらも、平和の選択肢を見失い、恐怖を和らげる手段として避難パックを買い足すしかない状況にある。まるで『私が見た未来』の帯 文にある「予言」のように、恐怖が商機や政権維持の原動力に変換されていくのが現状だ。
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