台風4号(ダナス)、中央山脈で勢力失い出海 台湾北部海上で循環再編の兆し 中南部は雷雨続く見通し

2025-07-07 12:29
台風4号(ダナス)は中央山脈にぶつかって勢力を大きく落とし、同時に北部海域では環流の再編が進んでいる。(画像/台湾気象署より)
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台湾を直撃した台風4号「ダナス」は、猛烈な風雨を伴って南部から中部にかけて大きな被害をもたらした。台南市では6日、最大瞬間風速13級を記録し、これは1975年の台風ベティ以来、近代における観測史上3番目の強さとなった。台南市北区の南鯤鯓代天府では、強風により牌楼(門)が倒壊するなどの被害も報告されている。

中央気象署によると、ダナスは7日午前6時頃、桃園市と新竹県の境界付近から東シナ海に抜け、すでに「軽度台風」へと弱まっている。台南から屏東、台東、澎湖にかけては暴風域を抜けており、今後もさらに勢力が衰える見通しである。

一方で、中央気象署前長官の鄭明典氏は、台湾北部の海域で台風由来の環流が再編成される兆しがあるとSNSで指摘。今後の対流の発達に注意が必要だとしている。

西南風が湿気を運び、中南部では雷雨が数日続く予報

中央気象署の伍婉華技正は、台風の外側の西南風によって多くの水蒸気が流入しており、特に中南部を中心に断続的な雷雨が今後4日間続く見込みだと述べた。7日には高雄市や屏東県の山間部で局地的な豪雨〜大豪雨、苗栗県以南でも大雨が予想され、新竹以北や東部、澎湖でも強い降雨の可能性があるという。

また、台東県では台風の沈降気流によって焚風(フェーン現象)が発生し、気温が36度を超える恐れもある。熱中症対策も求められている。

気象専門家の呉徳榮氏は、民間気象コラムにて「最新の気象モデルによれば、8日から11日にかけては天候が徐々に回復し、日中は暑さが戻る見込み。ただし、西南風の影響が残る中南部では、午後にかけて短時間の雷雨が散発的に発生しやすい」と分析。12日から13日にかけては広い範囲で晴天が戻り、午後は山沿いで局地的な雷雨の可能性があるとして、紫外線対策や熱中症予防にも注意を呼びかけている。

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