日本の漫画家・たつき諒氏が、著書『私が見た未来』の中で「2025年7月5日に大災害が発生する」と予言したとされ、SNSなどで話題となっている。本人はすでに予言内容を否定しているが、鹿児島・トカラ列島周辺で地震が相次いでいることから、不安の声が広がっている。こうした中、台湾の地震学者・郭鎧紋氏は、「今後1カ月以内にマグニチュード(M)7以上の地震が発生する確率は約71%に達している」と指摘した。
台湾メディア「ETtoday」によると、郭氏は「日本の一部の地震学者は、トカラ列島で地震が起きた後、日本各地で強い地震が相次ぐ傾向がある」として、「トカラの法則」と呼ばれる現象を紹介した。たとえば、2011年の東日本大震災の3日前には、トカラ列島でM5クラスの群発地震が観測されていた。
ただし、郭氏によれば、トカラ列島の地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことによって、沖縄トラフが拡張される過程で生じるものであり、その影響は主に九州南端の桜島や新燃岳などの火山活動地域に限定されるという。
一方で、東日本大震災は太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込むことで発生しており、プレートの種類も構造も異なるため、地質学的な直接の因果関係は認められないと強調。また、トカラ列島の地震は規模M5程度が多く、M9クラスの巨大地震を引き起こすエネルギーはないとした。
さらに郭氏は、1990年以降、年間のM7以上の地震の発生件数は平均15回ほどで推移していると説明。その一方で、2024年はこれまでにM7以上の地震が10回のみ、今年に入ってからはわずか5回と少なく、「現在は“静穏期”にある」との見解を示した。直近では5月2日に南米のドレーク海峡でM7.4の地震が発生して以降、2カ月間はM7以上の地震が確認されていないという。
郭氏は統計学の「独立事象」に基づいて計算を行い、「今後1カ月間にM7以上の地震が発生しない確率は約28.39%であり、発生する確率は71.61%に達する」と分析。その上で、「長期間発生していないからといって地震の確率が上がるわけではない。あくまで地震の間隔が長くなっているだけであり、過度に恐れる必要はない」と冷静な対応を呼びかけている。
編集:梅木奈実 (関連記事: 日本から50キロ!「伝説の深海魚」が異例の5回出現──「地震の予兆か」と憶測も | 関連記事をもっと読む )
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版X:@stormmedia_jp