日米豪印、初の「シップ・オブザーバー・ミッション」実施へ 連携強化で「自由で開かれたインド太平洋」に一歩

2025-07-01 19:33
海上保安庁の第48代長官・瀬口良夫氏。(写真/海上保安庁提供)
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海上保安機関の連携強化、自由で開かれたインド太平洋を目指して

日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国(通称:QUAD)は、初の海上保安機関による共同取組「シップ・オブザーバー・ミッション(Ship Observer Mission)」を実施する。これは2024年9月に米国ウィルミントンで開かれたQUAD首脳会合における共同声明を受けたもので、海洋安全保障分野における4か国の連携強化を目的としている。

ミッションは、米国沿岸警備隊(USCG)の巡視船「ストラトン(STRATTON)」を拠点に、パラオから出港して行われる。日本からは海上保安庁の一等海上保安正2名が参加し、オーストラリア国境警備隊(ABF)、インド沿岸警備隊(ICG)の職員とともに乗船。4か国の保安機関が互いに船艇へ相互乗船し、現場での知見や運用ノウハウを共有することで、信頼関係の構築と連携体制の強化を図る。

日本側からは、海上保安庁総務部危機管理官付の安藤美緒一等海上保安正、および警備救難部管理課の橘由祐一等海上保安正が派遣される。

今回のミッションは、QUADにおける海洋安全保障協力の実質的な第一歩として位置づけられ、今後も継続的な協力と実務的な交流が期待されている。

なお、今回の取り組みに関する写真や詳細な活動報告については、後日公式に発表される予定である。

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