レアアース以外にも、中国にはもう一つの『経済核兵器』! 独メディアが徹底分析『中国の金融切り札』:米国債売却でアメリカを麻痺させられるか?

2025-06-28 22:59
(イメージ図/pexelsより)
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米中貿易戦火がエスカレートする中で、中国が巨額の米国国債を「報復武器」として利用するのではないかという憶測が広がっている。しかし、ドイツ商業銀行の最新報告によると、この「経済核兵器」の威力は大幅に縮小しており、北京が軽率に発砲すれば自らに跳ね返る可能性があることが明らかになった。

米中二大強国の対立は、貿易戦争、技術戦争から金融分野にまで及んでいる。長年ウォール街と世界の資本市場に大きな疑問符を投げかけてきた問題が再び表面化した。米国最大の債権国の一つである中国が、その巨額の米国国債を「武器」として、ワシントンに対抗するために大規模に売却するのではないかということだ。ドイツ『フランクフルター・アルゲマイネ』は最近、ドイツ商業銀行(Commerzbank)の最新研究報告を引用し、この「金融核兵器」の実際の威力を深く分析した。結論としては、この脅威は外部の想像をはるかに下回るものの、その潜在的な破壊力を無視することはできないとされた。

「債務恐喝」という恐れ:市場が懸念する理由

このような懸念は根拠のないものではない。米国の驚くべき消費能力により、中国との間で長年にわたる巨額の貿易赤字を生んでおり、2024年には約2954億ドルに達するとされる。一方、米国政府は財政赤字を補うために大量の国債を発行し、その総額は36兆ドルに及んでいる。こうした中で、最大の競争相手である同時に最大の債権者の一つが「債務を利用して脅迫する」のではないかという恐れが広がっている。最近の米中間の貿易摩擦も市場の不安を呼び起こした。今年4月初め、米国が中国製品に高関税を課すと発表した後、通常ならば地政学的な危機の際に資金が安全資産としてドルに流れ込むが、今回はドル高が見られず、債券価格が上昇し利回りが低下するという通常の避難行動が見られないという疑問が市場に浮上した。中国が米国債を秘かに売却しているのではないかという憶測が広がる中で、中国が大量に米国債を市場に売却すれば、壊滅的な結果を招く可能性がある。

ドイツ商業銀行は、大規模な売却が起これば、米国政府の資金調達コストが明らかに上昇し、ワシントンは新たな債務発行のためにさらに高い利息を支払う必要があると指摘した。また、金利の全面的な上昇により、米国の企業と家計のクレジットが引き締まり、経済成長が鈍化する。このような最悪の事態では、米国の金融システムの基盤を揺るがし、世界的な売却波を引き起こす可能性がある。このため、ドイツ商業銀行は報告書の中で「単なる『信頼できる売却の脅威』ですら、北京が米国との交渉の際の交渉カードとして用いることができるとされた。」と述べている。 (関連記事: トランプが自爆発言『イランの米軍基地攻撃を許可』 邱毅が暴露:ハメネイと演技で共演、ノーベル平和賞狙い 関連記事をもっと読む

縮小しつつある銃:かつての影響力を失った中国

しかし、ドイツ商業銀行のエコノミストたちは、これらの懸念が誇張されている可能性を指摘している。彼らの核心的な主張は、中国の米国国債市場における重要性が顕著に低下しているということだ。2023年3月の米国財務省のデータによれば、中国が保有する米国国債は7650億ドルで、これは依然として巨額ではあるものの、2013年のピーク時の1.3兆ドルには遠く及ばない。このデータによれば、中国は日本と英国に次ぐ第3位の海外保有者に過ぎない。