トップ ニュース 密会テープと黒い手提げ袋――台湾政界を揺るがす汚職劇の舞台裏
密会テープと黒い手提げ袋――台湾政界を揺るがす汚職劇の舞台裏 前桃園市長の鄭文燦氏(写真)は汚職事件に関連し、続報が待たれている。特筆すべきは、鴻海グループがこの事件を担当した調査局の職員を引き抜こうとしていることだ。(写真/顏麟宇撮影)
2024年5月に蔡英文総統が就任してから半年も経たないうちに、前行政院副院長の鄭文燦氏と、民眾黨前党首の柯文哲氏の汚職事件が相次いで浮上した。これら一連の「虎退治」案件をめぐっては、まず民眾黨の立法委員・黃國昌氏が、検察による尋問態度に疑義を呈する「デモテープ」を公開し、取り調べ対象者への威圧があった可能性を指摘。その後、鄭文燦氏の弁護士が「密会録音テープ」をめぐって検察と法廷で激しく対立し、証拠捏造疑惑も取り沙汰された。
柯文哲氏に関する京華城案件および政治献金問題では、2024年8月28日以降、捜査が開始されて約1年が経つものの、依然として同氏は台北拘置所に収容中である。担当検察官の郭建鈺氏は突如として法官への異動を申し出る一方、林俊言氏と唐仲慶氏は台北地検における主任検察官候補の上位6名に選ばれ、2025年7月に実施される法務部の人事審議委員会の結果が注目されている。
鄭文燦氏の他にも、前民衆党主席の柯文哲氏が関わる汚職疑惑も世間の注目を集めている。(写真/顏麟宇撮影)
鄭氏を追い詰めた調査官が静かに退職 一方で、鄭文燦氏に対する捜査については、政党を問わない厳正な捜査として一定の評価を得ている。関係者の中には表彰を受けた者もいたが、事件を担当した検察官・陳振義氏は年次不足のため桃園地検に留まり、引き続き事件処理にあたっている。優秀な検察長として知られる俞秀端氏は台湾高検の主任検察官に昇進したが、重要な役割を果たしてきた調査局・桃園市調査処機動部の前主任・李明印氏は、最近になって退職を申し出た。
この事件は2017年に立案されており、当時から裁判所への監視申請が行われ、長期にわたり内偵と監視が継続されてきた。鄭氏は当時、桃園市長として高い評価を受けていたことから、この捜査は「虎の口から牙を抜く」と形容されるほどのハイリスク任務とされ、少しでもミスがあれば捜査側が大きな責任を問われかねない状況だった。
俞秀端氏(左)は桃園地検の検事長を退任後、台湾高等検察庁の主任検察官に昇進した。(写真/蔡親傑撮影)
7年越しの突破口、「密会録音テープ」で偽証疑惑 実質的に検察と調査機関が鄭氏に対して本格的に動き出したのは、2017年9月14日。廖俊松氏親子が黒い手提げ袋を鄭氏の市長官邸へ持ち込む様子を捜査機関が監視し、袋の中に多額の現金があると判断。その後、7年の間に2回の事件処理を経ながらも動きは乏しく、ついに2024年6月下旬、初の逮捕へと踏み切った。
この案件は桃園市調査処機動部によって主導され、長年にわたる計画立案、証人尋問、関係先の家宅捜索、容疑者への事情聴取などを経て、最終的に全データを桃園地検に引き継ぎ、検察官が改めて再調査のうえ、裁判所に拘束状を請求した。
鄭文燦氏の事件では偽証の可能性が示され、調査局が入手した録音テープは桃園地検に送られた。写真は桃園地検の陳嘉義検察官(左)ら。(写真/顏麟宇撮影)
李明印の功績、しかしKTVでの飲酒が昇進の道を断つ 調査局関係者によれば、鄭文燦氏の汚職事件において中心的な役割を果たした李明印氏(60歳未満)は、国立政治大学法律学部を卒業し、中正大学で修士号を取得した調査班第29期のエリートである。局内では豊富な実績を持つ調査官として知られ、かつては東南アジア地域での重要任務のため、特別にタイへ派遣された経歴もある。
タイは麻薬密売や国際犯罪の拠点とされる地域であり、現地任務は高度な情報収集力とリスク管理が求められる。2009年1月、調査局が清邁を拠点とするアヘン密輸組織を摘発した際、李氏はこの作戦で功績をあげ、同年6月には「緊毒英雄」として表彰を受けた。
李氏は当初、鄭文燦事件での働きにより、調査局の外部駐在所主任候補として最有力と見なされていた。しかし、桃園市の復興路にあるKTV(カラオケボックス)での飲酒行為が局内規定違反とされ、陳白立局長によって懲戒処分を受け、台北市調査処の専任委員へと降格された。通常であれば軽微な処罰にとどまるはずの事案であったが、内部評価委員会で擁護の声があったにもかかわらず、陳局長は強硬な姿勢を貫き、「大罰」処分が科された。
この対応に対し、局内では陳局長による「新官の三把火」政策の一環とする見方もあり、李氏にとっては不運な結果となった。さらに、年末の業績評価では本来「乙等」が付与されるはずが「丙等」へと引き下げられ、約1.5か月分の年末賞与と0.5か月分の業績賞与、合わせて20万元(約100万円)超を失うこととなった。
鴻海は企業の汚職取り締まりのため、積極的に検察・捜査の専門家を引き抜いている。鄭文燦事件を担当した李明印氏は調査局内での昇進が中断されたため、鴻海が接触を開始した。(写真/柯承恵撮影)
調査局から民間へ 李明印氏、鴻海の誘いで転身 こうした中、李明印氏に目を付けたのが、鴻海グループであった。グループ内では海外拠点における不正監視体制の強化が課題となっており、捜査経験のある人材を積極的に登用している。かつて董事長を務めていた郭台銘氏が、調査局による社内腐敗防止講演の場で、一人の調査官を高給でスカウトしたが断られたというエピソードは、今なお局内で語り草となっている。
今回は董事長の劉揚偉氏が自ら面接に出向くなど、李氏の獲得に強い意欲を示した。同氏も調査局でのキャリアを新たな形で活かす場を求めており、両者は最終的に合意に至った。李氏は鴻海での新たな挑戦を決意し、民間での道を歩むこととなった。
調査局には李氏のような優秀な人材が多く、60歳で退職した後も企業からのオファーが絶えない。実際、鄭文燦事件で重要な初動を担った前国家安全局副局長の劉復興氏は、2017年に桃園市調査局長として鄭氏の汚職の兆候をつかみ、2024年の逮捕へと導いた。劉氏はその後、台北市調査局長、調査局副局長、国家安全局副局長を歴任し、現在は中租グループ傘下の中租建設董事長に就任する見込みである。ちなみに前任の董事長・陳志場氏もまた調査局副局長の出身である。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒
最新ニュース
NVIDIA、3.77兆ドル突破で世界首位に! 黄仁勲、数十億のロボット出現を予告 世界のAI競争が激化する中、半導体大手のNVIDIAは再び歴史を刻んだ。同社の株価は6月25日の終値で4.3%急騰し、1株あたり154.31ドルに達した。これは今年1月以来の高値を更新し、時価総額は3.77兆ドルにまで一挙に引き上げられ、マイクロソフトを抜いて世界最大の時価総額企業となった。 過去2か月で株価は累計63%上昇し、時価総額は約1.5兆ドル急増。......
台湾有事は日本有事──小林鷹之議員が台北訪問、顧国防部長と印太戦略を協議 日本の自由民主党所属の小林鷹之衆議院議員は6月25日、台湾国防部の顧立雄(こ・りつゆう)部長を台北市の博愛営区に表敬訪問し、インド太平洋戦略、安全保障、日台関係などの重要課題について意見を交わした。顧部長は「権威主義の拡張やグレーゾーン事態、非伝統的安全保障上の脅威がインド太平洋地域を取り巻く中で、自由と民主主義という価値を共有する日台は、国際秩序と地域の平......
評論:中国籍配偶者の「除籍証明」、民進党の新たな資金源か? 人生の現実はドラマよりも奇妙である。台湾に住む中国籍配偶者に対し、「除籍証明」の提出を求める政策が波紋を広げている。6月末を期限として、約1万2千人の対象者のうち、7600人はすでに手続きを済ませたが、残る約4400人は未提出のままだ。このまま提出しなければ、台湾籍を失う可能性がある。多くの当事者が混乱と不安にさらされるなか、陸委会の対応は人権や倫理に反し、......
呉典蓉コラム》「不純物を排除」――頼清徳総統が語った「団結」が生む分断 頼清徳総統は「国家の団結」を掲げた就任後の第二演説で「不純物質を排除する」と発言し、社会に衝撃を与えた。この表現は、異なる意見を許容しない姿勢を露呈したというよりも、現代民主主義の感覚から大きくずれた発想を示すものだった。中国の政治風刺で「改革開放三十年、一夜で解放前に戻る」と語られることがあるが、蔡英文前総統が「誰も自分のアイデンティティに謝罪する必要はな......
米軍B-2爆撃機、36時間の極秘作戦に中ロ沈黙 専門家「米軍行動に2つの不可解な点」 アメリカのトランプ大統領は22日早朝、米軍がイランの重要な核施設3か所を空襲し、7機のB-2ステルス爆撃機による「ミッドナイトハンマー」と呼ばれる爆撃任務が成功したと発表した。作戦は36時間にわたり、911事件以来最長のB-2実戦任務であった。これについて、総合経済学者の呉嘉隆氏はFacebookで、トランプ氏がイランの3つの核施設を爆撃するよう命じたこと......
台湾・頼清徳総統が「不純物は排除すべき」発言 郭正亮氏「習近平より危険」と強く批判 台湾の頼清徳総統が24日、「選挙やリコールを通じて“不純物”を取り除き、民主主義の鋼の意志を守る」と発言し、国内外で大きな波紋を呼んでいる。これに対し、元立法委員の郭正亮(かく・せいりょう)氏は、同日の政論番組『大新聞大爆卦』に出演し、「頼氏の発言は、中国の習近平国家主席よりも危険だ」と強く批判した。郭氏は、「共産党が『不純物』という言葉を使ったことはあるが......
舞台裏》「台湾侵攻は6分で終わる」?机上演習で露呈した「致命的盲点」と防衛の限界 2日間にわたって実施された「台湾海峡防衛机上演習」(Taiwan Defense TTX)は、11日に幕を閉じた。しかし、中国共産党側チームが提示した上陸作戦の構想は、いまもなお軍事関係者の間で激しい議論を呼んでいる。退役した軍上層部の一部は、同案を「戦略的誤認」および「戦術的誤認」と厳しく批判する長文の意見書を発表した。一方、演習に参加した匿名の関係者は、......
Xpark五周年、台日が共創する未来型水族館 ESG軸に「新たな感動・無限」ビジョン始動 西武グループ傘下の都市型水族館Xparkは、台湾で開業5周年を迎えるにあたり、「新たな感動・無限」をテーマに掲げ、2025年6月28日よりテクノロジー、アート、自然生態を融合させた没入型展示《Xpark meets NAKED~Ocean of Light 潜浸海洋》を全面的に公開する。教育と娯楽を兼ね備えた“エデュテインメント”の理念を軸に、ESG(環境・......
トランプ氏、軍をロサンゼルスに派遣 60日間の駐留命令に批判と波紋広がる アメリカのトランプ大統領は「アメリカ・ファースト」を掲げた選挙キャンペーンを展開しているが、イランへの空爆など対外軍事行動を取る姿勢は一部の支持層の方針と乖離があるとも指摘されている。2020年の選挙戦中、トランプ氏は「内部の敵」が中国やロシア以上に危険だと述べ、必要とあれば国民警備隊や軍隊を投入すると示唆しており、当時から物議を醸していた。6月初旬、ロサン......
陸文浩の視点:中国空母2隻が台湾に接近──「山東」は英国空母の南シナ海入りに備える シンガポールからの報道によれば、イギリス海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」が6月23日にシンガポールへ入港した。同日、中国軍の北部戦区に所属する「遼寧号」と南部戦区の「山東号」空母編隊は、太平洋での遠洋訓練および紅藍対抗演習を終え、それぞれ山東省青島および南シナ海方面へ帰港したとされる。「山東号」は海南省三亜に一足先に帰還し補給を受けており、イギリス空......
ベトナム、汚職や収賄の死刑を廃止へ 数千億円横領の女富豪・チュオン被告に減刑の可能性も ベトナムの国際社会を驚かせた金融汚職事件で、現地の不動産女性富豪チュオン・ミー・ラン(Truong My Lan)氏が銀行資産の巨額流用により無期懲役と死刑を言い渡されるなどの厳しい刑罰を受けたが、今やその刑が撤回される可能性がある。ベトナム国会が最近刑法改正法案を承認し、汚職、賄賂、麻薬運搬など8項目の罪の最高刑・死刑を削除し、過去の判例を遡及して適用でき......
核戦争が起きたらどこへ逃げる?専門家が「最も安全」と語る国は日本から10時間の距離 中東、ウクライナなどの地域で対立が続く中、核戦争の影が再び世界を覆っている。有名な調査ジャーナリストのアニー・ジェイコブセン氏は、ポッドキャスト番組『CEOのダイアリー』へのインタビューで、もし第三次世界大戦が起こり核兵器が使用されれば、世界は破滅的な災害に見舞われる可能性があると述べた。2022年の『ネイチャー・フード』誌の研究を引用し、本格的な核戦争が「......
富士山・大阪・浅草がミニチュアに エンスカイ「ペーパーシアター」新作を発売 株式会社エンスカイは、人気の組み立て式ペーパークラフトシリーズ「PAPER THEATER(ペーパーシアター)」の新作として、「日本の情景シリーズ」3種を発売すると発表した。今回のラインアップには、「富士山と桜(PT-L85)」「大阪(PT-L86)」「浅草(PT-L87)」の3作品が含まれ、いずれも日本を代表する風景や建築物をモチーフにしている。東京・浅草......
ヨックモック、夏季限定「ドゥーブル ジュレ」発売 定番クッキーとの詰め合わせも展開 洋菓子ブランドのヨックモック(本社:東京都千代田区)は、夏季限定スイーツ「ドゥーブル ジュレ」を5月1日より全国の店舗および公式オンラインショップにて販売している。果肉入りの2層フルーツジュレに、同社の定番クッキーを組み合わせたギフト商品も用意し、夏の贈答需要に対応する。「ドゥーブル ジュレ」は、異なる2種類のフルーツジュレを重ねたゼリーで、全品に果肉を使用......
2027年の台湾侵攻は当面見送りか?米中の戦略再編の中で中国が演じる「平和の担い手」 アメリカが主導した中東への軍事介入が国際的な波紋を広げている。アメリカはこのほど、イランの主要核施設であるフォルドウ、ナタンズ、イスファハーンに対して同時空爆を行った。これに対し、イラン政府は強く反発し、中国外交部も「国連憲章と国際法に違反する行為だ」としてアメリカを非難した。米在住の政治学者・翁履中氏はSNS上で執筆を示し、「今回の空爆は単なる軍事行動にと......
コメ不足の背景に何が?郭正亮氏が分析する5つの要因と米国の不満 日本では昨年夏以降、コメの価格が急騰しており、消費者からは悲鳴が上がっている。背景には供給不足があり、事態は深刻さを増している。台湾の元立法委員で政治評論家の郭正亮氏は、自身のインターネット番組『亮友問答』で、日本のコメ不足について5つの主要因を挙げ、「今回のコメ不足は非常に複雑な問題だ」と指摘した。異常気象から政策・貿易まで 複合的な要因郭氏によると、第1......
台湾・賴総統「反共しない者は中華民国派ではない」 「団結国家」第二講で強調 台湾の頼清徳総統は24日、桃園市で行われた客家青年会で「団結国家十講」の第二講を発表。「団結」をテーマに、台湾が戦争や感染症の試練を乗り越えてきたのは、国民の団結の力によるものであると強調した。現在、中国が文攻武嚇や各種の統戦手段を通じて台湾の主権を脅かし続ける中、「団結のみが台湾をより強くする」と述べた。頼総統は、「団結」は政府が国家生存と発展を継続し、人......
台湾で手搖飲ブーム加速 セブンが旗艦店、ファミマは「最大の24時間ドリンク店」に進化中 台湾の手搖飲(ハンドシェイクドリンク)市場の規模は台湾ドル1,000億元(約4,900億円)に達すると推定されており、小売・チェーンブランドにとって重要な成長戦略の舞台となっている。台湾のコンビニ大手である統一超商(セブン-イレブン、2912)と全家便利商店(ファミリーマート、5903)は、それぞれ「!+? CAFE RESERVE+TEA 不可思議茶Bar......
論評:賴清德の「団結」、恐怖を感じさせる 驚くべき事実が明らかになった。賴清德総統の「団結国家十講」第二講は、列車が桃園に到着し、「客家族群」をターゲットにしていた。テーマは最も重要な「団結」で、高らかに掲げた義旗とは裏腹に、全く逆のことを行っている。総統の立場での発言ながら民進党の立場と主張を宣伝賴清德の第一の誤りは、総統の立場で社交の場に出席しながら、民進党の規章、特に『台湾前途決議文』や『族群......
TOKIO、31年の活動に幕 国分太一の活動休止を受け解散を発表 人気グループ・TOKIOが6月25日、公式サイトを通じてグループの解散を発表した。メンバーである国分太一氏のコンプライアンス違反による活動休止を受け、グループとしての信頼回復は困難と判断したことが、解散の理由とされる。公式サイトには「本日をもって解散することにいたしました」との文言とともに、メンバーによる連名の謝罪文が掲載された。発表によれば、「この度の国分......
イランはなぜ核開発をやめないのか?――自主独立という国家の誇りと代償 「我々にとって、核燃料サイクルの掌握と核エネルギーの開発は、エネルギー資源の多様化だけでなく、イラン人の民族的アイデンティティ、尊厳、そして国際的地位に関わる問題です。アイデンティティの重要性を理解しなければ、多くの問題は解決されないでしょう。」——2013年9月19日、当時のイラン大統領ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)日本時間6月24日、......
イスラエルとイランは本当に停戦したのか 核施設攻撃とトランプ激怒の真相 アメリカのトランプ大統領が24日に述べたところによると、イスラエルとイランの間の停戦合意は継続しているようだが、依然として局地的な攻撃が続いているという。しかし、イスラエルはすでに紛争期間における緊急管理措置を解除し、イランの大統領は「イラン国民に加えられた12日間の戦争は終結した」と宣言している。また、トランプ大統領は「すべての核施設と核能力を破壊して戦争......
「リコールも民主の一部」賴清德総統が語る、団結と主権を守る台湾の選択 台湾総統・賴清德氏は「団結国家十講」シリーズの第2回講演として、6月24日に桃園市の客家青年会で「団結」をテーマに演説を行った。賴氏は、前総統・蔡英文氏が2021年に打ち出した「4つの堅持」が8割以上の国民の支持を得ているとし、「この民意こそが台湾最大の公約数である」と強調。その力を最大限に引き出すには、選挙やリコールといった民主的プロセスを通じて、「鉄を打......
イラン核施設空爆後の停戦合意 中東の脅威は本当に終わったのか? ユダヤ系アメリカ人のロス・ファインゴールド氏は、イスラエル国内においてガザ地区への進攻を継続すべきかどうかについては、国民の間で意見が分かれていると指摘する。一方で、イランの核施設に対する攻撃については、大多数のイスラエル国民が政府の対応を強く支持しているとの見方を示した。米東部時間の23日夜、アメリカのトランプ大統領がSNSを通じて、イスラエルとイランが全......
「今こそ台湾文化の出番!」日台文化交流に追い風、映画・音楽・舞台が続々日本へ 台湾・文化部長の李遠氏は昨年9月に就任して以来、初めての日本訪問を果たし、台湾文化を海外に紹介する文化外交の第一歩を踏み出した。その取り組みが今、具体的な成果として結実している。6月23日には、東京国際映画祭のキュレーターを長年務める石坂健治氏と、横浜市芸術文化振興財団の小野晋司理事が台湾を訪れた。今回の訪問を通じ、台湾のジャズバンドが初めて「横浜ジャズフェ......
「40時間フライト」の極限任務──B-2爆撃機パイロットの過酷な現実とは? アメリカ空軍の戦略爆撃機B-2スピリットは、イランの核施設への攻撃任務において重要な役割を担った。全翼型のこの機体は、約20億ドル(約3,100億円)をかけて製造されたステルス爆撃機で、敵のレーダー網をかいくぐる性能と引き換えに、パイロットの肉体と精神に極限の負荷をかける存在でもある。かつて9年間にわたりB-2を操縦した元アメリカ空軍中将のスティーブ・バシャ......
日英伊、第6世代戦闘機を共同開発へ 米依存から脱却なるか、GCAP計画が始動 英国、日本、イタリアの防衛産業大手3社は6月20日、次世代戦闘機開発を担う合弁企業「Edgewing(エッジウィング)」の正式設立を発表した。この企業は、3カ国が推進する「グローバル戦闘機プログラム(GCAP)」の中心的な実行機関となり、2035年までに第6世代のステルス戦闘機を実戦配備する計画である。合弁には、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルド社......
日本初上陸のフェアモント東京、内覧会開催 東京湾を一望できる極上のホスピタリティ 2025年6月24日、東京・芝浦に誕生するラグジュアリーホテル「フェアモント東京」が、正式開業に先立ちメディア向けの内覧会を開催した。世界的に知られる高級ホテルブランド「フェアモント」の日本初進出として注目を集める同施設では、当日、スイートルームや宴会場、スパ、レストランなど、多彩な館内施設が公開された。2025年6月24日、東京・芝浦に開業予定のラグジュア......
台湾有事、日本は介入するのか?日台対話で示された「2つの前提」とは 公益財団法人・笹川平和財団と台湾のシンクタンク・遠景基金会が共催する「日台対話2025」が、6月24日に開催された。会議終了後、両主催者は東京・海運クラブで記者会見を行い、当日の議論内容を公表した。主催側によれば、今年の対話は中国が2027年に台湾への武力行使に踏み切る可能性を主軸に据え、日台双方の軍事および経済安全保障における対応方針について、踏み込んだ意......
昨年のフジロックがテレビ放送決定 7月5日には恒例の「ボードウォーク・キャンプ」も開催 7月下旬に開催される「FUJI ROCK FESTIVAL '25」に先立ち、主催者は6月20日、昨年のフェスを振り返る特別番組の放送情報や自然保全活動「ボードウォーク・キャンプ」の詳細など、関連最新情報を発表した。「FUJI ROCK FESTIVAL ’25」の開幕を控え、主催者は6月20日に最新情報を発表。昨年のダイジェスト放送や自然保全活動「ボードウ......
台湾・張仁久氏が台日関係協会の新秘書長に就任 小林鷹之議員や水鳥真美氏の訪台も明らかに 台湾と日本の民間外交窓口である「台日関係協会」の新秘書長に張仁久氏が本日(6月24日)正式に就任した。就任後は外交部(外務省に相当)の定例記者会見に出席し、今後の協会活動や日本からの要人訪問について報告した。張氏は長年にわたり外務省出身のキャリア外交官として日本赴任経験もあり、これまでに秘書長を 12年前、再度就任後、今回で3度目の抜擢となる。前任の范振国氏......
台湾、公共交通の「博愛座」名称を変更へ 制度見直しで「道徳的強制」に終止符 台湾立法院(国会)は6月23日、公共交通機関における「博愛座(優先席)」の呼称を「優先席(Priority Seat)」に変更する法案を可決した。これにより、長年にわたり議論を呼んでいた「博愛座」制度は大きな転機を迎えることとなった。新たに可決された「身心障害者権利保障法」第53条の改正により、これまで明文化されていた「老弱婦孺(高齢者、女性、子ども)」への......
仮想通貨界に激震!史上最大10億ドルのビットコイン統合へ 次のブルマーケットは目前か? 暗号資産(仮想通貨)の世界で再び大きなニュースが飛び込んできた。著名な投資家アンソニー・ポンプリアーノ氏(Anthony Pompliano)が、Columbus Circle Capital Corp.(CCCM)との合併を発表。総額10億ドル(約1,450億円)規模の資金を集め、新会社「ProCap Financial」を設立した。この規模の統合は仮想通......
大谷翔平の愛犬・デコピンが「遊戯王」カードに!ファン大興奮のレアコラボ 米大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)が6月24日、自身のInstagramを更新し、愛犬「デコピン」が人気カードゲーム『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』の特製カードとして登場したことを明かした。この粋なプレゼントは、野球ゲーム「パワプロ」シリーズなどで知られるKONAMIから贈られたもので、大谷選手は「遊戯王 x DECOY #俺の......
台湾有事「想定」で避難計画本格化 2027年与那国島で地下施設運用、石垣・宮古も拡大へ 日本政府は、いわゆる「台湾有事」を念頭に置いた緊急時対応として、沖縄県・先島諸島を中心に滞留型避難施設の建設を進めている。2027年末までに与那国町での運用開始を目指しており、その後、石垣市、宮古島市、竹富町、多良間村などにも順次整備を拡大する方針だ。日本、「台湾有事」避難計画を策定へ日本政府は、台湾海峡での有事を想定し、最大12万人の住民を九州・山口地方8......
評論:「台湾」は「中国」から誕生?頼清徳総統の歴史観に広がる波紋 台湾・賴清德総統は、イランでの武力衝突が激化し、米軍が核施設を攻撃した直後という国際的な注目が他に向かうタイミングで、「国家の団結を目指す十回連続講演」の初回を開始した。中央選挙委員会が大規模リコール投票日を発表した直後でもあり、演説は内外の情勢に埋もれた形となった。観衆は少なく、批判的な声も目立ち、特に国民党・民衆党陣営からはリコールへの動員と捉えられてい......
トランプ氏、イスラエルとイランの停戦を宣言!イランが米軍に攻撃通知の「奇策」も浮上 アメリカのトランプ大統領は日本時間6月24日早朝、自身のSNS「Truth Social」で、イスラエルとイランが「全面的かつ完全な停戦協定」に合意したと発表した。投稿によれば、両国は今後6時間以内に最後の任務を終え、12時間の停戦に入るという。イスラエル政府は現時点で公式なコメントを出していないが、イラン当局者はロイター通信に対し、アメリカの提案とカタール......
イランの高濃縮ウランが行方不明に? 核拡散リスクに国際社会が警戒強める アメリカとイスラエルがイランの主要核施設を攻撃した後、国際社会ではイランが保有する高濃縮ウランの行方に関する懸念が急速に高まっている。核物質がすでに他の場所に移された可能性も指摘されており、中東における核拡散のリスクとそれに伴う軍事的緊張の拡大に、世界中が神経を尖らせている。6月22日未明、米国はイスラエルと共同でイランのフォードゥ、ナタンツ、イスファハンの......
米イラン衝突で中国の中東戦略に打撃 ホルムズ封鎖リスクに「一帯一路」も直撃か アメリカのトランプ大統領が「ミッドナイトハンマー作戦」の実施を命じ、「非常に成功した攻撃だった」と発表したのを受け、中東はより大規模な戦争の危機に直面している。この軍事衝突の急拡大は、世界的なエネルギー安全保障への不安を呼び起こしており、香港メディア『南華早報』は、「この地域に巨額投資を行ってきた中国にとって、深刻な挑戦となる」と報じた。アナリストらは、中国......
習近平氏、ロシアを通じて欧州けん制か NATOは台湾有事との連動に警鐘 NATO事務総長ルッテ氏はハーグでの首脳会議を前に開かれた記者会見で、中国による大規模な軍備拡張に言及し、「我々は台湾情勢を非常に懸念している」と述べた。さらに、中国がロシアを利用して欧州を牽制する可能性があると指摘し、NATO加盟国による国防費の増額は極めて重要であり、万全の備えが必要だと強調した。NATO事務総長「国際情勢に警鐘を鳴らす」北大西洋条約機......
中東「12日戦争」に終止符 イスラエルとイランが全面停戦 トランプ氏が電撃発表 米国の強力な介入とカタールの仲介努力により、約2週間にわたって世界を震撼させた中東の衝突が終結した。米国東部時間23日夜、トランプ大統領がSNS上で突如、「イスラエルとイランが全面的な停戦に合意した」と発表した。トランプ氏は今回の軍事衝突を「12日戦争(THE 12 DAY WAR)」と称し、その破壊的な対立の終結を明らかにした。核戦争寸前にまで緊張が高まっ......
夏珍コラム:「大規模なリコール」が掘り起こした国家安全の脆弱性 台湾・大選から1年5カ月が経過した今、与野党は再び動員を強化し、今週末に民進党はリコール(国民党委員)成立の選挙区で同時に「リコール同意投票、反共はより強力」と宣伝する方針を打ち出した。一方で、国民党は北北基で反リコールの大規模なデモを行うと予告。25%の同意と賛成票が反対票を上回る低い閾値に基づき、国民党にとって危機が迫っていると予測される。しかし、この低......
中東危機拡大 米軍基地空襲・テヘラン爆撃で世界経済に波紋 中東地域における緊張が23日に急激に高まり、米軍がイランの重要な核施設を直接空襲した後、イランは中東最大の米軍基地であるカタールのウデイド空軍基地(Al Udeid Air Base)に多数のミサイルを発射した。一方、イスラエルは同日、イランの首都テヘランに対し大規模な空襲を行い、地域全体が戦争に巻き込まれる恐れが広がった。イランによるミサイル攻撃は、中東で......
法律業界にもAI革命 台湾の大手法律事務所が「AIツール」導入で業務効率が劇的向上 テクノロジーはすでに日常生活のさまざまな側面に深く浸透しており、専門的な法分野でも例外ではありません。1960年代のアメリカ法界で興った「法律テクノロジー」は、技術とソフトウェアのサービスを通じて法律関連業務の利便性を向上させるもので、法律事務所の内部運営を支援します。これには、ドキュメントの自動化管理、請求、財務、電子証拠開示などが含まれます。近年では、A......
台湾株が400ポイント超の急騰 中東停戦とAI関連株に追い風、TSMC・AI銘柄に買い殺到 台湾株式市場は6月24日、取引開始直後から勢いよく上昇し、加權股価指数(加権指数)は一時400ポイント超の上昇を記録、2万2,000ポイント台を突破した。中東情勢の緊張緩和に加え、台湾半導体大手の台積電(TSMC)を中心とする主力株やAI関連銘柄が市場を牽引した。中東停戦で投資心理改善 トランプ大統領が仲介か今回の株高の背景には、イランとイスラエルが正式な停......