台湾株式市場は6月24日、取引開始直後から勢いよく上昇し、加權股価指数(加権指数)は一時400ポイント超の上昇を記録、2万2,000ポイント台を突破した。中東情勢の緊張緩和に加え、台湾半導体大手の台積電(TSMC)を中心とする主力株やAI関連銘柄が市場を牽引した。
中東停戦で投資心理改善 トランプ大統領が仲介か
今回の株高の背景には、イランとイスラエルが正式な停戦協定に合意したとの報道がある。報道によれば、アメリカのトランプ大統領が仲介に動いたとされており、中東地域の軍事的緊張が大きく緩和された。これを受けて国際的なリスク資産への資金流入が進み、台湾株にも追い風となった。
加権指数は取引開始からギャップアップで上昇、取引時間中には22,200ポイントに達する場面も見られた。
TSMC株が1,000台湾ドルを突破 大型株「F4」が全面高に
市場では、台積電(TSMC)、鴻海(ホンハイ)、聯発科技(メディアテック)、廣達電脳(クアンタ)といった「F4」と呼ばれる主力株が軒並み上昇。中でも台積電(TSMC)は25台湾ドル高の1,045台湾ドルで取引を開始し、半導体および電子部品関連セクターを力強く牽引した。
台積電(TSMC)は指数への寄与度が高く、1台湾ドルの株価上昇で加権指数をおよそ8ポイント押し上げるとされている。市場では、同社が引き続き上値を追うことで、台湾株全体が一段高となるとの期待も強まっている。
AI関連銘柄に資金集中 黄仁勳CEOの発言が追い風に
さらに、AIおよびサーバー関連銘柄にも資金が集中。米NVIDIA(エヌビディア)の黄仁勳(ジェン・スン・ファン)CEOが英国でのAI投資拡大を表明したことを受け、台湾のAI供給網企業に対する投資が活発化している。
台光電、信驊(Aspeed)、晟銘電(AIC)、勤誠(InWin)などが大幅高となり、市場全体が活況を呈した。
テクニカル指標も改善 投資家心理は強気に
テクニカル面でも、主要移動平均線が上向きに転じ、出来高と価格が連動していることから、多くのアナリストは相場の強気継続を予想している。投資家は引き続きファンダメンタルズが堅調な銘柄や成長分野に注目する姿勢を強めている。
台湾株市場は、地政学リスクの後退とAIをはじめとするハイテク分野への資金流入という2つの追い風を背景に、今後も強気相場を維持できるか注目される。
編集:梅木奈実 (関連記事: 日本国債危機が米国に波及?──台湾の専門家「金融市場の終末が始まるかもしれない」 | 関連記事をもっと読む )
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