台湾鉄道の運賃大幅改定 悠遊カード特典も縮小へ 9つの変更点を徹底解説

2025-06-24 11:15
台湾鉄道は23日、30年ぶりに運賃の値上げを迎える。(資料写真/洪煜勛撮影)

台湾鉄道会社は本日(23日)より新しい料金制度を全面的に実施し、30年ぶりの値上げであり、平均で26.8%の引き上げとなる。新制度は「距離に応じた減少」方式を採用し、自強号、莒光号、区間車の全てで値上げを行う。電子乗車券を利用する通勤客にも影響が及ぶが、TPASS通勤定期券を使用する乗客は従来の料金が維持され、政府がそれを負担する。

また、6月26日には年度のダイヤ改正も行われ、多くの386列車の時刻が調整される。旅客の利便性を図るため、6月25日午前8時から、台鉄は全国の主要駅で8万冊の時刻表を無料で配布するが、数量に限りがあるため無くなり次第終了となる。

風傳媒》の記者が今回の台鉄の調整ポイントを整理:

1、料金改定:自強号の台北-高雄は843元から994元に引き上げられた。台北-花蓮は440元から583元に調整。区間車の台北-基隆は41元から62元まで増加。

2、電子乗車券の利用距離の縮小:乗車距離の制限が70キロから50キロに縮小され、車内の混雑問題に対応。

3、愛心子供料金の廃止:6歳から12歳の障害を持つ子供に対する料金割引が一般子供料金の半額に変更。

4、荷物と自転車の運賃調整:一般の荷物は1〜300キロまでの範囲で、10キロ以下の運賃が70元から100元へ、21〜30キロは200元から280元へ値上げ。自転車では、普通の二輪は30キロ以内が55元から60元、電動二輪は60元から75元に増加。

5、Taiwan PASSの価格改定:観光用の乗車パス「Taiwan PASS」について、「クラシック版」は従来の2700元から3200元に値上げされた。「スポット版」および「EasyGo版」も最大で31.5%の値上げとなる。

6、花東住民の特典:花蓮または台東に住民票がある会員乗客は、チケット購入時にポイントの還元を受けられ、平日は8倍、休日は5倍の還元が受けられる。実質的に料金の8〜5%割引となる。ただし、実名制のチケット購入と身分証明書の提示が必要。

7、ダイヤ改正(6月26日から):台鉄は386列車の時刻を調整し、東部と中部の輸送能力を強化、多くの自強号および区間車を増発する。

8、遅延による払い戻しと無料補償:台鉄の最新発表による《乗客運送契約》に基づき、列車が非乗客要因で10分以上遅延し、未乗車の場合は1年以内に全額払い戻しが可能で、手数料はかからない。すでに乗車していた場合で、遅延が45分を超え台湾鉄道側に責任があると認められた場合は、全額返金が受けられる。また、120分以上の遅延が発生した場合で、鉄道側に過失がない場合でも、旅客は一度に限り無料乗車の補償が受けられる。

9、会員サービスのアップグレード:本日より、台鉄は会員のチケット購入の柔軟性と効益を向上させ、「ポイント利用上限」:当日に完了したチケット購入取引の場合、利用割合が従来の30%から50%に引き上げ。「チケット交換の最適化」購入後にクラスアップグレードや変更が必要な場合、差額を支払うことで直接チケット交換が可能で、払い戻し手続きは不要。

台鉄は料金において変化をもたらす一方で、料金の段階的計算、TPASSの調整なし、花東住民の特典、および会員サービスの強化などの措置を通じ、異なるグループの乗車権益をできる限り公平に保とうとしている。6月26日の年度大改正が実施される中、乗客は予定がある場合、最新の時刻表と料金情報の早めの確認をお勧めする。

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