世界経済が混乱する中、台湾は資産増加ランキングで際立っており、UBSが最新発表した『2025年世界資産報告』によると、資産が100万米ドル(約3000万台湾ドル)以上の台湾人は75.8万人に達し、世界で15位を記録した。これは香港の64.7万人を上回りシンガポールのほぼ2倍だ。成人平均資産は5年間で35%急増し、成長速度は世界で3位となり、韓国とノルウェーに次いでいる。
台湾の富裕人口、世界トップクラスに 平均資産は923万元に達する
報告によれば、台湾成人の平均資産は2020年から2025年の間に31万2075米ドル(約923万台湾ドル)に達し、5年前と比べて35%増加し、この成長率は世界で3位で、韓国の44%とノルウェーの41%に次ぎ、中国大陸の27%を大幅に上回っている。資産構造全体から見ると、台湾の百万長者の数は世界15位にランクされ、資産階層の上層部の急速な拡大を示している。
しかし、平均資産が際立つ一方で、中央値は異なる様相を呈しており、台湾成人の資産中央値は11万4871米ドル(約339万台湾ドル)に過ぎず、多くの中産階級の資産水準を示している。これはシンガポールや韓国などと同等であり、専門家によれば、これは資産の集中現象が依然として顕著で、超高資産者が全体の平均を押し上げる一方で、普通の家庭は同じ資産の成長を感じることができないことを反映している。
世界の百万富豪が爆増 今後5年で500万人追加
世界を見渡すと、百万米ドル資産の人口が最も多いのは依然としてアメリカで、2300万人以上を有し、2023年には平均で毎日1000人以上の富裕者が増えている。中国大陸は630万人で2位に位置し、両国で世界の資産の半分以上を掌握している。日本は3位で、世界資産の4.5%を占めている。台湾は規模が小さいものの、1.3%のシェアを占めている。
UBSは、金融市場の回復と北米、大中華圏の牽引を受け、世界の資産は今後もさらに成長する余地があり、2029年までに、世界で500万人以上の百万米ドル資産者が新たに増加し、資産階層の再編の動きが一層明確になるとの見方を示した。
資産データが目を引く一方で、UBSは各国政府と社会が中央値以下の世帯の実質的な生活実感に注意を払うべきと警告し、1人当たりの富裕が統計上の幻想となるとき、真の経済の強靭性と公平性こそが未来の資産分配で目指すべき方向であると指摘している。
編集:佐野華美
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