「アメリカ例外論」の光が薄れ、加えて米国政府の政策変更が頻発していることから、市場ではドル資産の売却が相次ぎ、ドル相場の低迷が続いている。こうした中、ドルが国際基軸通貨としての地位を維持できるのかに注目が集まっている。
中央銀行の楊金龍総裁は、予見可能な将来においてドルの国際的地位が揺らぐことはないとの見方を示し、二つの主要な要因に支えられて、現時点でドルに代わる通貨は存在しないと強調した。
中央銀行は本日(19日)、第2四半期の理事・監事連席会議を開催。記者会見で楊総裁はあらためてドルを支持し、ドルは主要な国際準備通貨としての地位を維持しており、その長期的な基調は依然として強いと述べた。
ドル指数の長期上昇傾向
統計によれば、今年に入ってからドル指数は8.83%下落しており、市場では先行きへの不安が広がっている。しかし、楊金龍総裁はドルの基調に対し強気の見方を示した。
同総裁は、ドル指数(98.905)および米連邦準備制度理事会(FRB)が発表する広義ドル指数(120.713)の動向を提示し、いずれも長期的には上昇トレンドにあると指摘。さらに、両指数はいずれも2000年以降の平均値(それぞれ92.75および106.40)を上回っていることから、ドルの価値は依然として堅調であるとの認識を示した。

ドルの代替は依然困難 短期的な「脱ドル化」は進まず
楊金龍総裁は、米国の経済および金融市場の規模は世界最大であり、国際準備通貨としての価値の貯蔵機能においても、ドルが支配的な地位を占めていると指摘した。第2位のユーロでさえ、シェアはドルを大きく下回っている。
さらに楊総裁は、米国の金融市場は深さと広がりの両面において十分な規模を有しており、世界中の過剰貯蓄を吸収できることが、ドルを中心とした国際通貨制度を維持する主要な要因であると述べた。そのうえで、「短期間での脱ドル化は容易ではなく、現時点でドルに代わる通貨は存在しない」と強調した。
米国債の償還期限を迎えるにあたり、再融資の困難が懸念されている点について、中央銀行は説明を加えた。同銀行によれば、米財務省は償還期を迎えた国債について継続的に再融資を行っており、その資金調達計画は極めて安定しているという。最近の国債入札結果からも、投資家の需要は堅調であり、現時点で満期債のロールオーバーに支障が出ている兆候は見られないとしている。

編集:柄澤南 (関連記事: 台湾ドル、3年ぶり高値更新で輸出業界に大打撃 為替レートが2.6角急騰し警戒感強まる | 関連記事をもっと読む )
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