TSMC、2ナノ量産でシェア75%へ 価格は想定下回り注文急増

2025-06-19 12:32
海外メディア《Wccftech》は、TSMCのウェーハ製造における市場シェアが2026年にさらに75%に向上するとの予測を示した。(資料写真、柯承惠撮影)
海外メディア《Wccftech》は、TSMCのウェーハ製造における市場シェアが2026年にさらに75%に向上するとの予測を示した。(資料写真、柯承惠撮影)
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半導体の先進プロセス競争が激化する中、サムスンは今年発売予定のフラッグシップスマートフォン向けに初めて2ナノメートルプロセスを採用すると予想されている。しかし、海外のテクノロジーメディア《Wccftech》は、TSMCの2ナノプロセスは驚異的な良品率を誇り、単価も市場予想を下回るため、2026年にはTSMCのウェーハ製造における市場シェアが75%にまで拡大すると予測している。また、将来の1.4ナノプロセスの価格も明らかになった。

報告によれば、サムスンは2ナノチップの量産を開始し、TSMCと肩を並べる意欲を示しているものの、TSMCは長年にわたりアップルなどの大手顧客を安定的に獲得してきた優位性と、トップクラスの信用力、競合を凌駕する技術力を背景に、2026年の世界ウェーハ受託製造市場におけるシェアが75%に達する見込みである。

TSMC、2ナノメートル市場拡大へ 単価が明らかに

報道によると、今年4月の時点で、TSMCはすでに2ナノメートルプロセスの受注を開始しており、良品率が驚異的な水準に達していることから、NVIDIA、AMD、Apple、Qualcomm、MediaTekといった複数の顧客から順調に受注を獲得しているという。また、著名なリーカーであるJukanlosreve氏の指摘によれば、『DigiTimes』の報道の中で、TSMCの市場シェアは2025年の70%から2026年にはさらに拡大し、75%に達する見通しであることが明らかになった。

TSMCの2ナノメートルプロセスのウェーハ単価については、報告書では明確に「3万ドル」とは記載されておらず、実際の価格は「3万ドルに近い」とされている。これは市場予測よりやや低い水準を意味しており、もしこの情報が正確であれば、顧客が発注量をさらに拡大する可能性もあるとみられている。

1.4ナノメートルの単価は4万5000ドル 高コスト時代へ突入

TSMCの3ナノメートルプロセスによるウェーハの単価は1枚あたり約2万ドルとされている。現時点では、サムスンの2ナノメートルGAAプロセスに対して有力顧客からの発注が確認されていないことから、主要各社はTSMCを選択する傾向が強く、TSMCの市場シェアは2025年第1四半期の67.6%から70%にまで上昇する見通しである。

報道ではまた、各大手企業によるTSMCとの協業は一見すると合理的な戦略に映るものの、先端プロセスへの移行には極めて高いコストが伴う点にも言及している。推計によれば、TSMCの1.4ナノメートルプロセスにおける1枚あたりのウェーハコストは4万5000ドルに達する見込みであり、同プロセスの量産は早ければ2028年にも開始される予定である。こうしたタイトなスケジュールの中で、サムスンも市場シェア拡大に向けて全力を挙げるとみられ、主要顧客各社もコストリスク分散の観点から「デュアル・サプライヤー戦略(複数供給体制)」を採用する可能性が高い。

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