Labubu、世界中で大ブーム リアーナやBLACKPINKも夢中 「醜くて可愛い」が中国のソフトパワーか、一過性か?

2025-06-18 13:05
Labubuは世界で大人気、中国の最先端ソフトパワーとなっている。(AP通信)
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Labubuが瞬く間に世界を席巻、著名人の支持や店舗の行列、転売騒動が海外ファンを中国へと駆り立て、中国に対する印象すら変化させている。この現象的な「醜くて可愛い」ぬいぐるみは、中国のソフトパワーの象徴となったのか、それとも単なる一過性のブームに過ぎないのか。

Labubuの魅力はまず、その驚異的なSNSでの存在感に表れている。TikTokなどのプラットフォームでは、#Labubuのタグが付いた動画が100万本を超え、ファンは開封動画や装着動画、さらにはコスプレまで楽しみ、Labubuのキャラクターを日常生活に取り入れている。

この熱狂はリアーナ、キム・カーダシアン、BLACKPINKのリサといった著名人の支持も呼び、ファッション界で熱烈に支持されるバッグチャームへと成長し、その影響力をさらに拡大させている。

ポップマート創業者・王寧氏:「“無用”こそが真の永遠である」

Labubuの驚異的な魅力は、運営会社であるポップマート(Pop Mart)の業績に如実に表れている。2024年、ポップマートの売上高は1304億元人民元に達し、そのうちぬいぐるみ玩具の売上は前年比1200%超の急増を記録し、全売上の22%を占めた。この大幅な成長はLabubuの市場潜在力を証明するとともに、トイコレクション業界の強い勢いを示している。

この熱狂はオフラインにも波及している。2025年初頭からはロンドン、ソウル、ラスベガスなどでLabubuを求める行列が続き、一部店舗では混雑による衝突が発生し販売を一時中止する事態も起きている。ソウルの店舗では早朝5時から人が集まり、転売業者が在庫を買い占め中国へ高額(20〜30倍)で転売している。英国の行列現場でも「グループによる脅迫や買い占め」など治安リスクが浮上し、Labubuの人気の高さとそれに伴う市場の混乱が際立っている。 (関連記事: ローソン、海外店舗を5,000店新設へ 2031年度までに中国・東南アジアで拡大加速 関連記事をもっと読む

王寧氏が語る「USBメモリ論」は、この考え方をより分かりやすく表している。「たとえば、MOLLYの頭を取り外したらUSBメモリになっていたとします。それでもあなたは何体も買うでしょうか?きっと買わないでしょう。なぜなら、買うたびに『またUSBメモリを買ったのか?もういくつも持っているし、そんなに使わないのに』と考えてしまうからです」。この言葉は、潮玩(トイコレクション)が実用性を超えた“感情的な価値”や“コレクションとしての魅力”を備えていることを浮き彫りにしている。