観光の未来をつくる──ライオントラベル、「台湾観光サステナ賞」で5冠達成

2025-06-15 17:58
台湾大手旅行会社ライオントラベル(雄獅旅遊/Lion Travel)は、台湾永続エネルギー研究財団(TAISE)が主催する「第1回 台湾観光サステナビリティ賞(TAISE Taiwan Sustainable Tourism Awards)」において、最多となる5部門での受賞を果たした。特に董事総経理兼サステナビリティ長の黄信川氏が、個人部門の最高賞である「サステナブル観光傑出人物賞」を受賞したことが注目を集めている。(写真/雄獅旅遊提供)
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台湾の大手旅行会社ライオントラベル(雄獅旅遊/Lion Travel)は、台湾永続エネルギー研究財団(TAISE)が主催する「第1回 台湾観光サステナビリティ賞(TAISE Taiwan Sustainable Tourism Awards)」において、最多となる5部門での受賞を果たした。

なかでも注目を集めたのは、董事総経理兼サステナビリティ長を務める黄信川氏が、個人部門の最高賞である「サステナブル観光傑出人物賞」を受賞したことだ。

董事総経理の黄信川氏、個人部門最高賞「サステナブル観光傑出人物賞」を受賞

この賞は、「観光業界のサステナ・オスカー」とも呼ばれ、ESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを評価する台湾初の表彰制度である。ライオントラベルは、組織・活動・パートナーシップの各側面において、「ESG総合パフォーマンス賞」「サステナブル旅行会社賞」「観光イノベーション賞」「パートナーシップ賞」などを受賞し、広範な成果が認められた。

台湾大手旅行会社ライオントラベル(雄獅旅遊/Lion Travel)は、台湾永続エネルギー研究財団(TAISE)が主催する「第1回 台湾観光サステナビリティ賞(TAISE Taiwan Sustainable Tourism Awards)」において、最多となる5部門での受賞を果たした。特に董事総経理兼サステナビリティ長の黄信川氏が、個人部門の最高賞である「サステナブル観光傑出人物賞」を受賞したことが注目を集めている。雄獅旅遊
台湾大手旅行会社ライオントラベル(雄獅旅遊/Lion Travel)は、台湾永続エネルギー研究財団(TAISE)が主催する「第1回 台湾観光サステナビリティ賞(TAISE Taiwan Sustainable Tourism Awards)」において、最多となる5部門での受賞を果たした。特に董事総経理兼サステナビリティ長の黄信川氏が、個人部門の最高賞である「サステナブル観光傑出人物賞」を受賞したことが注目を集めている。(写真/雄獅旅遊提供)

同社は台湾で初めて、第三者保証付きのサステナビリティ報告書を公開した上場旅行会社としても知られている。温室効果ガスの排出量についても、ISO 14064-1に準拠した算定制度を自主的に導入。傘下のライオンバス(雄獅通運)は、業界で初めて前年度の組織排出量を把握し、第三者検証を受けている。

環境への取り組みでは、2022年から団体ツアーにおけるペットボトル水の提供を廃止。これにより年間約40万本のプラスチックボトルが削減され、台北101ビル157棟分の削減効果があるとされる。

旅行商品についても、無印良品と連携した「MUJI BASE」ツアー、カナダのロッキーマウンテニア鉄道体験(1名あたり約40万円)、韓国・済州島での海女文化体験など、自然保護と文化継承をテーマにしたサステナブルな企画を展開している。国内では「鳴日号」「福森号」といった観光列車を運行し、地方自治体や地域産業と連携した「地産地消」型の観光開発を推進。これまでに30万人以上が国内鉄道ツアーに参加している。

また、シニア市場を対象とした「大人囝仔」プログラムでは15万人を超える参加者を記録し、平日の宿泊率向上にも貢献。年間約2,400件にのぼる企業向けインセンティブ旅行では、ランニングイベントなどにカーボンオフセット要素を組み込み、企業と連携したサステナブル経営の実践も進めている。

受賞にあたり黄氏は、「旅行は心を癒すだけでなく、社会を動かす力でもある」と述べたうえで、「どんなに企業が偉大でも、業界が偉大でなければならない」と強調。「アジア太平洋のサステナブルツーリズムハブ」をビジョンに掲げ、今後も異業種や国際パートナーと連携しながら、持続可能な観光の未来を切り拓いていく方針を示した。

編集:田中佳奈