台湾総統の頼清徳氏は、6月18日に野党党首を集め、国家安全に関するブリーフィングを行う予定だ。総統府秘書長の潘孟安氏が各党に電話で計画の概要と進捗を説明した。
これについて、民衆党の黄国昌氏は13日、「議題が何なのか、頼氏が出席するのか、具体的な進行手順も明かされておらず、情報は混乱していて不透明だ」と指摘。頼氏が本当に野党を招きたいなら、国民の関心が高い重要な議題について率直に意見交換すべきだとした。民衆党としては、現段階で政治的な立場を決めたくはなく、対立ではなく対話を重視したいと強調している。
また、民衆党の秘書長・周榆修氏が前日に潘氏から電話を受け、18日の出席を要請されたというが、その説明内容が曖昧だったことも問題視。黄氏は「果たしてそれが単なる国安情勢の報告会なのか、それとも国是に関する意見交換の場なのか、私たちも判断がつかない」と述べ、昨晩になって総統府から「報告だけで、議論ではない」との説明を受けたことも明かした。
一方、国民党側からも疑問の声が上がっている。国民党団の書記長である王鴻薇氏は「そもそもこの招待は、党主席に対して出されたものであるはずだが、党中央としてはまだ正式な議論を行っていない」とした上で、「頼氏が突然日時を指定し、“来るように”と要請するのは、あまり礼儀を感じない」と語った。
王氏はまた、「提示された内容が、頼氏が一方的に選定したものだけで構成されているように見える。野党党首たちが十分に尊重されているとは言い難い」と述べた。さらに、「もし野党が知りたいと考えている情報が議題の範囲外であれば、それはただの報告会にすぎない。これでは建設的な対話も成立しない」として、議題の設定プロセス自体に疑問を呈した。
民衆党・国民党の双方とも、「政治的な対立ではなく、あくまで国民の利益を軸に、誠実なコミュニケーションの場を望んでいる」と強調しており、今後の政府側の対応が注目される。
編集:田中佳奈
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