美日台軍事机上演習》中国の台湾侵攻で、米日が台湾独立承認?北京学者が民進党主導の「戦略的軍事演習」を疑問視

2025-06-13 12:07
元参謀総長の李喜明氏(左から)、元米太平洋軍司令官のブレア氏、元米参謀長会議議長のマレン氏、台北政経学院理事長の黄煌雄氏、日本元統合幕僚長の岩崎茂氏、元海上幕僚長の武居智久氏が10日に台湾海峡防衛の兵棋演習に出席した。(顏麟宇撮影)

台北政経学院基金会、平和安全センター、中華戦略および兵棋研究協会などが共催した「台湾海峡防衛机上演習」が今週終了した。主催者側は「民間による開催」を強調したが、米・日・台3カ国から元軍トップクラスの退役将官を含む「数十名の星付き」が参加したことから、中国国営メディア中央テレビ「海峡両岸」番組でも中国の専門家がこの演習が民主進歩党の公式立場を代弁しているのか疑問視する声があった。

今回の米国チームは、ブッシュ政権およびオバマ政権下で統合参謀本部議長を務めた元海軍大将マイケル・マレン氏が率いた。メンバーには、元太平洋軍司令官デニス・ブレア大将も含まれている。日本チームからは、現在行政院顧問を務める元統合幕僚長・岩崎茂氏、元海上幕僚長の武居智久大将らが参加。外交・安全保障・軍事に関する両国のシナリオ対応は、各方面で大きな議論を呼んだ。

演習が終了した後、米日台三者間の外交問題と関係には依然として多くの疑問が残っている。また、今回の演習中には米国チームが、もし中国が台湾に武力侵攻した場合、米国の対応策の一つとして「台湾を独立国家として承認する」ことが含まれると表示し、日本チームも、戦争が勃発した場合、1972年の「日中共同声明」による「一つの中国」政策を見直す可能性に言及し、現地メディアや参加者の間で強い関心を呼んだ。

もっとも、軍事専門家の間では、「机上演習上の想定が現実の外交方針を直接反映するものではない」とする冷静な見方もある。

中華戦略研究学会研究員の張競が、共産党の軍事活動が増えていることから「いつかは本番になるだろう」と警告した。
中華戦略研究学会研究員の張競が、共産党の軍事活動が増えていることから「いつかは本番になるだろう」と警告した。

米日元将官の訪台は「公式の立場」か?注目集まる対応

中華戦略学会の張競・上級研究員は、『風傳媒の取材に対し、「米・日の元将官が個人の意見として発言したのか、それとも両国政府の意向を示しているのか、主催者側は明確に説明する責任がある」と述べた。

張氏によると、退役した高位軍人の政治的影響力を判断するには、「米国在台協会(AIT)」や「日本台湾交流協会」のトップが接待を行うかどうかが重要な指標になるという。また、台湾の政治情勢に関するブリーフィングが行われたかどうかも、北京にとっては情報収集上の重要な関心事だと指摘した。

風伝媒の取材によれば、米国チームのマレン大将は兵推終了後すぐに台湾を離れた。一方、元参謀総長・李喜明氏の「師匠」とされるブレア大将は、民進党政権の高官との面会が予定されている。

日本チームでは、すでに岩崎茂氏が行政院顧問を務めているため、政権との関係に大きな違和感はないが、武居智久氏が民進党政権との面会を行うかどうかは注目されている。

また、共同主催者のひとりであり、国民党系の背景を持つとされる淡江大学国際事務・戦略研究所の黄介正副教授は、民進党政権高官との面会には同席しない方針であるという。 (関連記事: 米日台による机上演習で中国軍が12海里侵入 台湾チームは初撃を控え主権維持策に苦慮 関連記事をもっと読む

張競氏は、「今回の机上演習に参加した米・日両国の元高官が現職政府の立場を代弁しているのであれば、AITや日本台湾交流協会が接待し、政治ブリーフィングを行うのが通常の外交慣例である。今後の公式な動きによって、彼らの訪台の位置づけが明らかになるだろう」と語った。