
もしあなたが街を歩いていて、『頭文字D』や『MF GHOST』に出てくるような車が漫画から飛び出してきたような光景に出くわしたら──それは見間違いでも白昼夢でもない。本当に現実の話だ。
この「次元を超えた」体験を創り出したのは、アメリカ・ロサンゼルス出身の人気アーティスト、ジョシュア・ヴィデス氏。彼は黒のマーカーペン一本で、現実世界をまるで漫画のコマのように変えてしまう。

漫画のような白黒タッチ、まるで2Dの世界にいるかのように
白と黒だけのシンプルなラインで構成されたアートは、立体物にまるで2Dのフィルターをかけたような視覚効果を生み出し、「現実の中に2次元」が出現したかのような錯覚を起こさせる。
ヴィデス氏は「Reality to Idea(現実から発想へ)」という独自のアートコンセプトを掲げ、ファッションからインテリア、自動車まで幅広い分野で作品を展開。家具やスニーカー、部屋の中まで「漫画化」してしまう。
▲ヴィデス氏は「Reality to Idea」という独自のアートコンセプトを掲げ、白黒の漫画スタイルを現実世界に取り入れることで、見る人に新たなビジュアル体験を届けている。
2Dの車が街を走る、Honda NSXが『頭文字D』の漫画から現実に!
中でも圧倒的な存在感を放つのが、「漫画のような車」のシリーズ。1995年型のホンダ・NSX(米国ではアキュラNSX)をベースに、黒と白だけの太いラインで装飾。まるで『頭文字D』の北条豪が運転席にいるかのような錯覚を与える。さらに、高橋啓介のRX-7 FDとバトルしそうな空気すら感じられるほどだ。
そのほかにも、ポルシェ911のクラシックモデルや豪華なストレッチリムジンまで“漫画化”され、ロサンゼルスの街を走れば誰もが思わず振り返る。あまりのインパクトに、通行人が映画やドラマの撮影現場と勘違いしてしまうのも無理はない。
▲彼の作品の中でも特に人気なのが、車を漫画風に描いたシリーズだ。ポルシェ911のようなスポーツカーから、豪華なロングリムジンまで、どんな車も彼の筆にかかれば唯一無二の存在となる。これらの「漫画の車」が実際に街を走ると、そのインパクトに通行人も思わず目を奪われるという。 (関連記事: 「TAKANAWA GATEWAY CITY」で1日限定開催、五感で楽しむ藝大のアート体験「ART&MUSIC DAY」 | 関連記事をもっと読む )
黒いマーカー一本で描かれる白黒の宇宙
このユニークな白黒アートの世界は、ファッションやカルチャーの垣根を越えて注目を集め、世界中の大手ブランドとのコラボレーションも次々と実現している。