2025年の「屏東クロマグロ文化観光シーズン」が盛大に開催される中、日本・静岡市の吉田信博副市長率いる代表団が6日、台湾・屏東県政府を表敬訪問し、日台間の鮪魚(マグロ)文化交流が新たな段階へと進んでいる。
屏東県は昨年、静岡県清水港で行われた「マグロまつり」に招待されて以来、両地の友好関係を深めてきた。今回の訪問団は、屏東県の名物イベント「クロマグロ文化観光シーズン」の一環である美食推進宴への参加を目的に来県し、副県長の黄國榮氏をはじめとする農業処、国際・広報部門の関係者らと交流した。

黄副県長は「清水港と東港はいずれもマグロで有名な港であり、文化や観光の面でも共通点が多い。両地域が協力し、今後は漁業、観光、青少年交流、海洋資源の持続可能な活用など、幅広い分野での実質的な連携を期待している」と語った。
吉田副市長は「清水港のマグロは日本一の水揚げ量を誇るが、台湾の黒マグロとは種類が異なる。屏東ならではの新鮮な黒マグロを味わうのが楽しみだ」と述べ、美食推進宴への期待を示した。
会談では、マグロ文化を中心に意見交換がなされ、農業処の鄭永裕処長は「屏東では陸上養殖と海洋漁業の両方が盛んで、東港は台湾最大の鮪延縄漁基地。年間の漁獲量は国際的な枠組みにより1,900〜2,200トンに制限されており、黒マグロ、大目マグロ、キハダマグロなど多様な種類を取り扱っている」と説明した。
さらに、国際・広報事務処の鄞鳳蘭処長は「2001年から開始されたクロマグロ文化観光シーズンは今年で25周年を迎え、観光、文化、美食、資源の統合モデルとして台湾を代表する祭りに成長した。黒マグロの初競りでは市価を超える高額で落札されるなど、地元経済への貢献も大きい」と紹介した。
このシーズンは5月3日から7月6日まで続き、「海洋音楽会」「琉住你音楽会」「大マグロ市」「クラシック・ナイト」など多彩なイベントが展開される。特に、6月7日の美食推進宴では、地元名産の黒マグロ、油魚子(バラムツの卵)、桜エビを使用した料理10品が供され、台湾語の人気歌手による歌謡ショーも同時開催される予定で、観光客の注目を集めている。

訪問団はまた、原住民族文化園区、王船文化館、東隆宮など屏東の文化・歴史資産を視察。両地は記念品の交換も行い、屏東側からは地元産のコーヒーやチョコレート、原住民の皮工芸品などが贈られ、静岡側からは「ちびまる子ちゃん」の原画や伝統布「暖簾(のれん)」が手渡された。
吉田副市長は「屏東の文化的多様性と自然の魅力に深く感銘を受けた。今後の継続的な交流を楽しみにしている」と話し、台日間の地域レベルでの連携深化に意欲を示した。
編集:梅木奈実 (関連記事: 石垣島〜台湾・基隆の定期フェリーが9月就航へ 片道1万円から、週3便運航 | 関連記事をもっと読む )
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