台湾政府、中国訪問の公務員に「事前許可」義務化へ 国家安全を理由に法改正検討

2025-06-06 12:37
陸委会副主委の梁文傑氏が6月5日に定例記者会を主催し、修法による公職者の訪中管理について説明する。(楊騰凱撮影)
陸委会副主委の梁文傑氏が6月5日に定例記者会を主催し、修法による公職者の訪中管理について説明する。(楊騰凱撮影)

陸委会主委の邱垂正氏は先日、立法院で「全ての公務員」が中国訪問する際には事前の許可が必要になる法改正を検討中と明かした。陸委会副主委の梁文傑氏は本日さらに、現行の制度では全ての公務員が中国に行くには許可が必要であることを強調し、現在は既存の仕組みを明確に法に盛り込むことを行う予定だと語った。ただし、「国営企業職員」や「契約・臨時職員」は現時点で管理対象に含める予定はないとしている。

邱垂正氏は先日、立法院で「全ての公務員」が中国訪問する際には事前の許可が必要になる法改正を検討中と明かした。その後、関連法案が行政院に提出されたという情報があり、修正対象は「両岸人民関係条例」や「港澳条例」を含み、全ての公務員が中国、香港、マカオに行く際には申請許可が必要になる。

本日、梁文傑氏が定例記者会見を主催した。

梁文傑氏は、法改正が行政院の審査を受けなければならないため、具体的には述べられないとした。しかし、現行の制度では、全ての公務員が中国に行く際には許可が必要であり、10等級以下は所属機関の許可、11等級以上は内政部の許可が必要である。国家安全の管理を含む職員や自治体の首長が中国へ行く場合には、陸委会や移民署を含む合同審査会の審査と許可が必要である。

梁文傑氏は、「実際にはすべての公務員が中国本土を訪問する際には許可を得る必要があるが、一部の機関ではこうした規定を把握していなかったり、まったく実施していなかったりする」と指摘した。監察院が2週間前に公表した報告によれば、現時点で関連規定を順守しているのは陸委会と警政署のみであることが判明したという。このため、現在進められているのは、既に運用されている仕組みを法令上より明確に位置づける作業だと説明した。

また、梁氏は、国営企業の職員や契約・嘱託職員については、現行では訪中に関する申告義務はなく、現時点ではその対象に含める予定もないと述べた。

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