2025年5月、インドとパキスタンはカシミール地方で激しい軍事衝突を起こした。パキスタンは中国製のJ-10C戦闘機を用い、インドが投入した最新鋭の第4.5世代戦闘機――いわば「戦闘機界のフェラーリ」とも称されるフランス製ラファール戦闘機5機を撃墜。世界に衝撃を与えた。
この戦いの背景には何があったのか、各国の分析が進む中、台湾の国家安全システムは重要な兆候を捉えていた。中国がこのタイミングで「認知戦」を仕掛けていたのである。中国製兵器が欧米製を打ち破ったこと、複数のパイロットの死亡、ミラージュを超える高性能機が撃墜された事実を強調し、「台湾は勝てない」「台湾兵士は無駄死にする」などのメッセージを繰り返し発信。さらに、マレーシアで開催された航空展示会では各国が中国機を競って購入していると伝えられ、中国は機械アームを使って大量にJ-10戦闘機を生産中との情報も流された。
この戦闘は、台湾海峡での今後の軍事衝突を予見させるものなのか。そして、台湾にとってどのような教訓をもたらすのか。関係者によれば、台湾の国家安全システムはこの印パ戦争を事例研究(ケーススタディ)として精査。台湾としてどのような結論を導き出したのか、そしてそれは今後の軍事戦略にどのような影響を与えるのか、注目される。

「中国式キルチェーン」各国が驚愕 台湾の特別調査が注目した“異常な一点”とは
一部では、今回の戦闘でパキスタン空軍が「中国式キルチェーン」を用いたとの見方が出ている。具体的には、早期警戒機が情報を提供し、中国の紅旗ミサイルシステムがインド機の追跡を支援、最終的には地上のレーダーネットワークが射撃統制を行い、インド機を撃墜したという主張だ。
しかし、台湾の国家安全システムは、この説明に対して疑問を抱いている。というのも、パキスタンが使用していたのはスウェーデン製の早期警戒機「Saab 2000 Erieye」であり、スウェーデンは民主主義陣営に属する国である。民主主義国家のデータリンク・システムは、戦闘機や地上プラットフォーム間で共通の規格を用いて情報を共有する仕組みとなっており、この「民主主義型データリンク」は中国の紅旗システムとは互換性がない。つまり、Saab 2000 Erieyeが取得した情報は、本来であれば中国製の紅旗ミサイルシステムに直接連携されるはずがない、というのが常識的な見解だ。 (関連記事: 南アジア、核戦争の危機迫る!インド空爆で31人死亡 パキスタン首相「血には血を」と報復示唆 | 関連記事をもっと読む )
特筆すべきは、現在の台湾もこの「民主主義型データリンク」システムの一員であるという点だ。我が方が入手した情報によれば、Saab 2000 Erieyeが送信したデータ内容も、外部で語られているものとは異なる可能性がある。とすれば、現在広く語られている「インド空軍が中国主導のA射B導型キルチェーンにより一方的に圧倒された」との印パ戦争分析は、一体どこまでが事実なのか。真相が注目される。
