市場が歓喜!トランプ・習氏が直接対話、株価先物が一斉上昇

2025-06-06 14:45
米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席が2019年に大阪で握手を交わす様子。(AP通信)
米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席が2019年に大阪で握手を交わす様子。(AP通信)
目次

アメリカのドナルド・トランプ氏と中国の習近平氏が、台北時間5日夜に正式な電話会談を行った。現在、米中関係は関税や相互不信などを背景に緊張が続いており、今回の対話はその中で大きな注目を集めている。

この通話を最初に報じたのは中国国営メディア「新華社」。トランプ氏もその後、SNSで事実を認め、「非常に建設的なやり取りだった。両国の代表団は近く、指定された場所で対面会談を行う」と発表した。

これはトランプ氏がホワイトハウスに復帰して以来、両国首脳が初めて正式に対話を持ったことになる。前回の会話は1月の大統領就任前に行われていた。新華社が午後10時48分に出した声明によると、習近平氏は「米中関係を正しい航路に戻すには、しっかりと舵を握り、外部の干渉を排除する必要がある」と述べた。さらにアメリカ側の提案に基づき、両国の通商担当者がジュネーブで会談を行い、貿易問題解決に向けた重要な一歩を踏み出したとも伝えた。

習氏はまた、「すでに確立されている貿易交渉の枠組みを活用し、平等な姿勢でお互いの懸念に配慮しながら、Win-Winの結果を目指すべきだ」と強調。中国側は誠意を持って協議に臨むとしつつも、原則は譲らないとした。また、中国政府はジュネーブ会談後、協議内容を誠実に履行しているとし、アメリカ側には「得られた進展を冷静に評価し、中国への対抗措置を見直すべき」と促した。

両国は経済だけでなく、外交や軍事、法執行分野などでも交流を深め、誤解を減らし、協力の幅を広げることが重要だと述べている。

台湾問題にも​言及があった

​習近平氏は「アメリカは台湾問題を慎重に扱うべきであり、台湾独立を唱えるごく一部の勢力が、米中関係を衝突へと導かないようにする必要がある」と釘を刺した。

トランプ氏は習氏に対して敬意を示し、「米中関係は非常に重要で、協力によって多くの成果が得られる」とコメント。また、アメリカ政府は「一つの中国」政策を引き続き守ることを明言した。留学生の受け入れにも前向きな姿勢を示している。

さらに、習氏はトランプ氏に再訪中を招待。トランプ氏は感謝の意を表し、両者はジュネーブ会談の合意を実行し、新たなラウンドの協議を早期に行うことで一致した。

新華社の発表に先立つ2分前、トランプ氏はSNSで「習近平氏との1時間半にわたる素晴らしい通話で、最近合意に達した貿易協定の詳細を話し合った。レアアース関連の複雑な問題についても、今後は疑問の余地がない」と投稿。次回の会合には財務長官ベッセント氏、商務長官ラトニック氏、通商代表グリア氏が出席予定だという。さらに、習氏からは訪中の招待を受け、自身もそれに対して招待を返したとし、「両国の偉大な指導者として実現したい」と語った。この通話では貿易問題に焦点を絞っており、ロシア、ウクライナ、イランといった他の国際問題については一切触れていないという。 (関連記事: 米中首脳が90分通話、関税・台湾問題を協議 異例の沈黙、トランプ氏に注目集まる 関連記事をもっと読む

​今回の対話が伝えられると、米国市場はすぐに反応。主要な株価先物が一斉に上昇し、取引中の高値を更新した。ダウ平均先物は89ポイント上昇、上昇率は0.2%。S&P500先物とナスダック100先物もそれぞれ0.2%の上昇を見せた。

最新ニュース
台湾、国際医療および健康ケア展が開催 貿易協会「健康ケアは病院に限られず」
AI医療》93.4%の精度で脊椎骨折を秒診断 AI×医療の「最前線」が高齢社会を救う
マスク氏が暴露連発「トランプ氏は私なしじゃ勝てなかった」──大富豪が政治に踏み込む理由とは
日米、国債をめぐって激突! 財政金融博士が明かす日本の為替戦略:「実はトランプと同じ手を使っている」
王義雄の見解:「台湾有事」は買い手次第?トランプ氏が描くリアルな地政学
米中首脳の手相に台湾政界が驚愕 日本占い師「トランプは握れず、習は不安だらけ」
米中首脳が90分通話、関税・台湾問題を協議 異例の沈黙、トランプ氏に注目集まる
舞台裏》台湾の国安システム、インド・パキスタン戦争を極秘調査 世界を揺るがす疑惑の点を発見
台湾・行政院と立法院の対立、NVIDIA本社誘致にも影響か 台湾各地で波紋拡大
台湾政府、中国訪問の公務員に「事前許可」義務化へ 国家安全を理由に法改正検討
中国の居住証で台湾戸籍抹消 第1号の大学教員が反発「中国のほうが民主的」
芥川賞作家・李琴峰さん、「性別暴露」で甲府市議を提訴 賠償と投稿削除を要求
【武道光影】日本の国技としての大相撲における文化記号の脱構築的考察
「このままでは日本は滅亡する」イーロン・マスク氏の警告を裏付ける最新統計
任天堂スイッチ2の宣伝映像に黄仁勳が登場、カスタマイズされたチップを解説
任天堂スイッチ2世界同時発売!深夜に行列、世界中が熱狂「待ってでも欲しい」新型機
西欧でジフテリアが再拡大 移民を中心に70年ぶりの大規模流行
舞台裏》台湾・国民党に最大の危機 罷免敗北と党内分裂、主席選で盧秀燕が朱立倫に「直接対決」申し出か
調査》台湾・地方政府は「裕福な人々」か?予算戦争で行政院が語らなかった真実
「あなたたちを渡米させないことで、我々はより安全に!」 トランプ氏、新渡航禁止令を発令、12カ国全面禁止・7カ国部分制限
吳典蓉コラム》「大陸訪問の通行証“台胞証”が“トラップカード”に?」──沈黙を強いる賴政権の圧力
「必ず報復する」プーチン氏、トランプ氏と1時間超の電話 即時停戦はさらに遠のく
韓国新政権》台湾問題に慎重姿勢 李在明政権、米中・日との関係構築に注目
六四事件36年 各国が追悼、中国は警備強化と情報統制
24歳・大の里 泰輝が史上最速で横綱昇進 日本出身力士では稀勢の里以来8年ぶり
トランプの関税政策の影響が大きすぎる OECDが今年と来年の世界経済成長予測を下方修正
トランプ氏、渡航禁止令を再開 19カ国に入国制限
トランプ氏「習近平主席は非常に手強い」 対中貿易交渉の困難さに言及
評論》民主が台湾独立に自由を与え、台湾独立は民主の自由を没収しようとしている
在日台人Lulu氏、風傳媒インタビュー 偶然たどり着いた不動産業で「日本への帰属感」
北海道で震度4以上の地震が相次ぐ 専門家「巨大地震への備えを」
「中華民国」の名前は消されるのか──台湾のアイデンティティはどこへ向かう?
「台湾民主の火を灯した男」林正杰氏が死去 「街頭の小覇王」と呼ばれた波乱の政治人生
トランプ政権、鉄鋼・アルミ関税を50%に 世界供給網に波紋、日本企業にも影響か
脱原発の代償?火力発電で大気汚染悪化 医師会が「寿命短縮」に警鐘
「不正入学」疑惑に反論 蒋雨融氏、喬峰のように信念を貫いた道のり
国民党リコール全敗 朱立倫だけが悪いのか?黄光芹氏が統計で異議
韓国大統領選、出口調査で李在明氏当選確実に 自宅前で「国民の信任に応える」と表明
貧困から頂点へ、李在明氏が韓国大統領に就任 内乱克服と経済再生を誓う
韓国・大統領補欠選挙で李在明氏が当選確実 尹政権の弾劾受け緊急実施、政治混乱に終止符へ
帯広「旧・藤丸百貨店」再生へ 2030年新施設開業、25年に仮設「藤丸パーク」先行オープン
日中が水産物輸出で技術合意 処理水めぐる禁輸解除へ前進
IAEAが福島第一原発のALPS処理水を現地調査 「国際安全基準に沿って排出」確認
歴史新ニュース・六四》「ゴルバチョフが来た」 1989年6月4日前の1か月 新ニュース北京現場直撃・天安門学生運動
FOOMA JAPAN 2025、6月10日開幕へ 食品製造の最先端が東京ビッグサイトに集結
台湾・総統就任後初の六四発言 頼清徳:36年を経ても権威主義は国際社会の課題である
「六四は中国近代史上最も暗い一日」 台湾・民進党が犠牲者追悼し中国を批判
舞台裏》民進党女性議員たちはなぜ葉丙成に激怒したのか? ネット有名人政務次官が炎上、教育部が火消しに奔走
インタビュー》トランプ復帰で米民主主義は崩壊するか?ドイツ元最高裁長官「無視された声を聞くことが分極化回避の唯一策」
六四事件36年・劉暁波ノーベル賞から15年 東京で記念集会「劉暁波とは何者か」開催