韓国・大統領補欠選挙で李在明氏が当選確実 尹政権の弾劾受け緊急実施、政治混乱に終止符へ

2025-06-04 15:45
韓国大統領選、共に民主党を代表する候補者李在明氏。(AP通信)
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韓国大統領選挙が6月3日に正式に実施された。今回の緊急選挙は、前大統領尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が戒厳令を発動したことを受け、国会によって弾劾・罷免された結果、法に基づいて行われる補欠選挙である。韓国は、この選挙を通じて、ここ数カ月にわたる政治的混乱と不安定な状況に終止符を打つことを目指している。

今回の韓国大統領選挙には、計4名の候補者が立候補した。このうち主要候補とされるのは、二大政党が擁立した代表で、共に民主党の李在明イ・ジェミョンと、保守系の国民の力の金文洙キム・ムンス)氏である。そのほか、改革新党からは若手の李俊錫イ・ジュンソク)氏が、民主労働党からは権永国(クォン・ヨングク)氏がそれぞれ出馬した。

選挙の投票は、日本時間の午後8時に終了し、KBS、MBC、SBSの韓国主要3大地上波テレビ局が同時に出口調査の結果を報道。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)が51.7%の支持を得てトップに立ち、国民の力の金文洙(キム・ムンス)氏が39.3%で続いた。また、改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)氏は7.7%の支持を集めた。開票結果の確定はなお待たれるが、複数の海外メディアはすでに「李在明(イ・ジェミョン)が当選確実」と報じている。

2025年6月3日付の韓国紙『コリア・タイムズ』によると、韓国の出口調査の結果、進歩系「共に民主党(DPK)」のイ・ジェミョン氏が、保守系「国民の力(PPP)」のキム・ムンス氏を破り、大統領選に当選する見通しとなっている。https://t.co/759ERJMyCS

今回の出口調査は、韓国リサーチ(Hankook Research)、イプソス(Ipsos)、韓国リサーチ・インターナショナル(Korea Research International)の3機関によって、当日の午前6時から午後8時にかけて、全国325カ所の投票所で有権者8万146人を対象に実施された。

もし出口調査の結果が正確で、李在明(イ・ジェミョン)氏が本当に得票率50%を超えた場合、彼は1987年に韓国で大統領の直接選挙制が導入されて以来、明確に過半数の票を得て当選する2人目の大統領となる。これまでに過半数を得票して当選したのは、2013年の大統領選で保守派の支持を受け、51.55%の得票率で勝利した朴槿恵パク・クネ)氏のみである。彼女はその後、弾劾により失職したが、その当選は「前代未聞」とも称された。なお、彼女の後を継いだ文在寅ムン・ジェイン)氏は、2017年の大統領選で41.09%の得票にとどまっていた。

もし当選すれば、李在明(イ・ジェミョン)氏は朴槿恵パク・クネ氏以来、所属政党が国会の多数を握る中で大統領に就任する初の人物となる。 (関連記事: 貧困から頂点へ、李在明氏が韓国大統領に就任 内乱克服と経済再生を誓う 関連記事をもっと読む

南韓SBS電視台有總統大選開票的逗趣動畫。(翻攝自SBS直播)
韓国SBSテレビでは、大統領選の開票をユーモラスなアニメーションで紹介している。(SBSのライブ配信より)
南韓SBS電視台有總統大選開票的逗趣動畫。(翻攝自SBS直播)
韓国SBSテレビは大統領選開票の様子をユーモラスなアニメーションで伝えている。(SBSライブ配信より転載)

韓国メディアの報道によると、今回の大統領選の投票は日本時間の午後8時まで続く。投票終了後、投票所の投票箱には改ざん防止のシールが貼られ施錠され、不正投票を防止する。選挙関係者は警察の護衛のもと、監視員と共に投票箱を開票センターへ運搬する。投票終了後およそ30分で、全国254か所の開票センターにて約7万人の選挙スタッフが開票作業を開始する。開票率が70%を超えた時点で勝者がほぼ確定するとみられるが、過去の例からすると、結果の確定は深夜になる見込みだ。例えば2022年の大統領選挙では接戦が最後まで続き、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が翌日の午前2時にようやく勝利を宣言した。なお、今回の選挙には特別な規定があり、勝者には60日間の移行期間がなく、当選者は6月4日に即座に国会で宣誓を行い就任することになっている。