緊急逮捕作戦の展開
韓国高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は15日未明5時頃から2度目の逮捕令状の執行を開始。内乱容疑で尹錫悦大統領の身柄を確保し、取り調べを行うため、警察部隊は大統領官邸の三重防衛線を突破して本館に侵入。現地時間10時33分に逮捕を完了し、尹氏は官邸を車で出発、公捜処での取り調べに応じる準備に入った。韓国通信社は、現職大統領が捜査機関に逮捕されるのは同国憲政史上初めてのことだと強調している。
大規模な警察動員と対峙
公捜処の車両は午前5時20分頃、ソウル市龍山区漢南洞の大統領官邸で警護処職員と対峙。その後、官邸への強制進入を試み、双方で物理的衝突が発生した。今回の逮捕作戦では、ソウル、仁川、京畿道などから警備捜査隊など1000~1200人以上が動員され、公捜処からは52名の検事・捜査官のうち40人以上が現場に到着。最長3日2晩の長期戦も想定した準備が整えられた。
支持者らの抵抗
逮捕令状執行前、警察は深夜0時から道路交通法違反を理由に、官邸付近に集まった尹氏支持者らに解散を勧告。強制退去を実施したものの、多くの支持者が付近に留まり続け、「李在明(共同民主党代表)を逮捕せよ」「尹錫悦大統領を守れ」などと叫び続けた。警察の非公式集計によると、官邸周辺には弾劾反対派約2900人、賛成派約2300人が集結。与党「国民の力」からも30人以上の議員が人壁を作って阻止を試みた。
逮捕完了と今後の展開
公捜処は現地時間10時33分に逮捕完了を宣言。尹氏は京畿道果川市の公捜処での取り調べのため、官邸を後にした。尹氏は昨年12月3日の非常戒厳令宣言以降、国会で弾劾され職務停止となり、内乱容疑で公捜処の捜査対象となっていた。3度の召喚を拒否し、逮捕令状にも抵抗を続けていたが、43日目にしてついに身柄を確保された。
容疑内容
尹氏は「国家憲法秩序を混乱させる目的で暴乱を主導した首謀者」として、前国防部長官の金龍顯氏と共謀し、武装した戒厳軍を動員して国会を封鎖し、令状なしで国会議員や政党代表、中央選管委員らの拘束を企てた疑いを持たれているが、全容疑を否認している。
編集:高畷祐子 (関連記事: 韓国・尹大統領ついに国会で弾劾可決:「正義の化身」から「民主主義の罪人」へ転落、今後いかに | 関連記事をもっと読む )
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