【台湾】空軍がパトリオットミサイル演習を異例の公開 「脳」と「目」持つ防空システム

空軍司令部が8日に「2025年春節戦備強化メディア取材活動」を実施。写真は発射台(LS)。(撮影:劉偉宏)

台湾の防空の切り札であるパトリオットミサイルシステムについて、空軍は今日(8日)、春節戦備強化演習を実施。異例としてパトリオットシステムの静態・動態演習を公開した。パトリオットシステムは人間と同様に、心臓・脳・目などを持ち、各発射台はPAC-2を4発、またはPAC-3を16発搭載可能で、PAC-2は爆発後の破片で目標を破壊し、PAC-3は直接衝突方式で目標を迎撃する。

パトリオットミサイルシステムは、発射台・戦術指揮所・フェーズドアレイレーダー・主アンテナ装置・150KW発電機で構成。空軍の説明官によると、主アンテナ装置は人間の耳の役割を果たし、防空作戦任務の音声とデータ伝送の確保が主な任務で、各部隊の共同作戦を支援する。2本のアンテナマストは地形や作戦任務に応じて高さを調節でき、4基の超高周波アンテナと組み合わせることで、有効な通信距離を延長し地形の障害を克服、作戦の柔軟性を高める。

戦術指揮所は人間の脳の役割を果たし、フェーズドアレイレーダーと上級部隊からの航跡データを受信し、目標選択や脅威分析・武器管制・戦果評価を行い、NBC防護機能も備える。150キロワット発電機は人間の心臓のような役割で、射撃管制区域の各装備に電力を供給。車載式で2基の発電機を搭載し、並列で電力を供給することで、電力供給の中断を防ぐ。

フェーズドアレイレーダーは人間の目の役割を果たし、空中の各種航跡の探知、捜索、識別が主な任務で、目標位置を探知し、ミサイルを誘導して迎撃任務を遂行する。電子対抗能力を持ち自己防護を実施可能で、10トントラクターと組み合わせて機動作戦任務を実行可能。レーダーの探索範囲は120度、探知高度は25キロメートルで、同時に18発のミサイルを誘導できる。

発射台は人間の手足の役割を果たし、ミサイルの運搬、照準、発射が主な任務で、初期射角で目標を照準する。15キロワットの自己発電機で給電可能で、10トントラクターと組み合わせて機動作戦任務を実行可能。各発射台はPAC-2を4発またはPAC-3を16発搭載可能で、PAC-2は爆発後の破片で目標を破壊し、PAC-3は直接衝突方式で目標を迎撃する。

パトリオットシステムは部隊の機動性が非常に重要だが、最短時間で戦術位置に到達するにはどうすればよいのか?空軍795旅第633営第一連長の李冠佑は、毎年様々な演習任務で機動作戦を検証し、規定時間内に完了する必要があると指摘する。展開から交戦までのSOP所要時間について、李冠佑は機密事項のため公表できないと述べた。

平時任務において、パトリオットシステムはどのような隠蔽場所で任務を実行するのか?陣地選定の条件は何か?李冠佑は、展開要件を満たす位置を選び、できる限り隠蔽が良好で広さが十分な場所を選ぶと回答。通常の機動時には警戒部隊も配置すると述べた。

パトリオットミサイルの配備弾薬量は固定されているのか?李冠佑は、弾薬は固定で、PAC-2、PAC-3各4基、各ミサイル中隊は計8基で機動作戦を実施し、交戦は上級部隊の指示に従い戦術指揮所のコンピュータで実施すると説明。

台湾ニュースをもっと深く: 風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_

タグで探すおすすめ記事