民眾党の柯文哲主席は合議法廷の決定により、保釈金が累計7000万元に達した。今回の決定と起訴状の内容は様々な解釈を呼び、総統府資政の謝長廷までもが彼を擁護するかのように、「収賄の証拠は確かに薄弱」と発言している。
作家の「漂浪島嶼」は、この件について「柯文哲の拘留継続」を支持していた評論家や支持者らが、極めて困惑する状況に直面すると指摘している。
「証拠薄弱」の主張:謝長廷はなぜ世論の主流に逆らったのか?
謝長廷はフェイスブックで、柯文哲の起訴状を丁寧に読めば、政財界の錯綜した関係に反感を覚えるだろうと述べた。しかし法的な有罪要件について、柯文哲の収賄に関する証拠は「確かに少し薄弱」だとしている。
特に4ヶ月の拘留後にこのような起訴状が提出されたことは、今後の訴訟過程で問題が続く可能性を示唆している。
謝長廷は「脚本外の人物」となったのか?
作家「漂浪島嶼」はフェイスブックで、謝長廷のこの大きな逆風の行動が、「柯文哲の拘留継続」を主張してきた有識者、評論家、支持者らを困惑させる可能性があると指摘。
当初、柯文哲の拘留継続を求めていた人々は、収賄証拠が薄弱だと疑問を呈する者は全て「藍白」または「親中」と結びついていると考えていた。しかし、緑営の大物である謝長廷までもが「冤罪」を訴えることは、完全に想定外のシナリオとなっている。そのため、彼らの主張は立場の再構築を迫られ、戦略的な分裂さえ生じる可能性がある。
謝長廷は司法への信頼に影響を与えたのか?
「漂浪島嶼」は、謝長廷の発言が柯文哲の「冤罪」を訴えると同時に、検察側の提出した証拠に疑問を投げかけていると描写し。この発言はメディアや評論家の「拘留」論に挑戦するだけでなく、賴清德が強調する「不当な扱いをせず、見逃しもしない」精神にも影響を与える可能性がある。
作家は、謝長廷のこの行動が完全に当初のシナリオから外れていると指摘。特に謝長廷は司法院長就任の噂もあった人物だが、「大先輩」としての立場から、政府と司法に無視できない影響力を示している。
柯文哲と謝長廷の関係はどれほど深いのか?
実際、柯文哲と謝長廷の関係は緑営系列に属していただけではない。2019年5月、柯文哲が日本を訪問した際、謝長廷はほぼ全行程に同行し、柯文哲は謝長廷を「人生の師」とまで呼んでいる。
また謝長廷も柯文哲との私的な付き合いは良好だと公言し、政治的な対立は一時的なものだとしている。謝長廷が司法院長に就任する可能性が噂された際も、民眾党も一定の支持を示すと予想されており、両者の関係の親密さが窺える。
「大先輩の出手」に評論家、支持者はどう対応するのか?
作家「漂浪島嶼」の見解では、謝長廷の声は政界のベテランとしての経験を代表するとともに、中堅世代の議員や親緑の支持者、評論家の態度にも影響を与える可能性がある。
しかし、謝長廷が収賄証拠の力を否定した以上、これまで拘留継続を推進してきた政治的な世論は立場の調整が困難となり、司法手続きの進展を静かに待つしかないだろう。
「漂浪島嶼」は「資政が口を開いた以上、後輩たちはどう反論できるのか」と暗示的に述べており、この困難は現在の緑営内部が直面せざるを得ない窮地かもしれない。
この事件全体を通じて、謝長廷と柯文哐の調和的な関係は、両者の数々の公開会見や「師」「古い友人」と呼び合う場面で既に明らかとなっている。柯文哐が京華城の政治献金事件に深く関わった際、謝長廷は「収賄証拠が薄弱」と強調して出てきており、柯文哐を擁護しただけでなく、当初の拘留継続支持の論調も乱している。これが司法の公正さを揺るがすのか、あるいは党内外の政治的な再編成をもたらすのかは、今後の展開を待つ必要がある。
編集:佐野華美 (関連記事: 論評:司法判決は道徳的裁きではない、7000万台湾ドルの保釈金は誰を破壊できるか? | 関連記事をもっと読む )
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