韓国・チェジュ航空機事故、生存者2名は尾部に搭乗 「航空機後部は衝撃が小さく前部より生存率40%高」

2024年12月29日、韓国・務安国際空港で済州航空機が緊急着陸に失敗して炎上。救助隊が現場で捜索を行った。(AP通信)

チェジュ航空は29日、韓国のムアン国際空港で事故を起こし、機内181名のうち尾部に座っていた客室乗務員2名のみが生存した。日本メディアの『産経新聞』は、過去の航空安全事故の分析によると、航空機後部の乗客の生存率は前部の乗客より高く、一部の分析では生存率が40%も高いことを示していると報じている。

『Popular Mechanics』と『TIME』が2007年に米国運輸安全委員会(NTSB)のデータを基に行った研究によると、1971年以降に発生した航空機事故において、後部座席の乗客の生存率は69%であり、これに対して主翼付近の中央座席(56%)と前部座席(49%)の生存率は低く、後部座席の生存率(約40%)は前部座席より約20ポイント高いことを示している。

『TIME』は2015年に1985年以降の航空事故を分析し、後部座席の乗客の死亡率は32%、中央座席は39%、前部座席は38%であり、明らかに後部座席がより安全であることを示している。特に後部中央座席の乗客の死亡率は最も低く、28%に留まっている。『産経』は、1985年の日航機事故で520人が死亡したが、4人の生存者全員が後部座席に座っていたことを挙げ、後部座席が前部座席より安全であることは既に公認の事実だとしている。

後部座席が安全である理由について、ある旅行業者は『産経』に対し、「航空機の前部と機体部分が着陸時の衝撃を最初に受けるため、後部座席の損傷は比較的少ない」と説明している。特にブラックボックス内の飛行データと操縦室の音声データを記録する装置は、事故調査に非常に重要であるため、「慎重に航空機後部に設置されている」としている。

2012年、ディスカバリーチャンネルは航空機墜落の再現実験を行い、前部座席の乗客が受ける重力加速度は12G(重力の12倍)で、ほぼ即死状態となるのに対し、後部座席では6Gと半減することを発見した。このことから、操縦室に近い前部座席付近の乗客の死亡率が最も高く、最後部座席付近の乗客の生存機会が最も高いことが分かっている。

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