安倍昭恵氏、「李登輝之友会」で講演:日本人は台湾という国を大切にすべきである

安倍晋三夫妻とトランプ前大統領夫妻の会食後の記念写真。(安倍昭恵氏のInstagramより)
目次

日本の故安倍晋三元首相の妻、安倍昭恵氏は22日、日本李登輝之友会の招きで東京で講演。日台関係や米国大統領当選者トランプ氏について語り、日本人は台湾という国を大切にすべきであると述べた。また、トランプ氏は戦争を望まない人物であると語った。

安倍昭恵氏は「日本李登輝之友会」の招きを受け、「私の台湾に対する思い」をテーマに講演を行った。米国大統領当選者トランプ夫妻は最近、フロリダの自宅で安倍昭恵氏をもてなし、台湾を含む世界情勢について会談したため、22日の講演には多くのメディアが集まった。

安倍昭恵氏は「メディアは私のアメリカでの話を聞きたいと思っているでしょう」と述べたが、トランプ夫妻との晩餐会の内容には直接触れず、「とても良い晩餐会でした」と簡単に述べるにとどめた。また、2019年5月、当時首相だった安倍晋三氏と共に、東京六本木のレストラン「田舎家」でトランプ夫妻をもてなした際のエピソードを明かした。

「戦争の話題になった時、トランプ氏は『私と晋三なら、(日米間で)そのような戦争は決して起こらない』と言った」と述べた。

安倍昭恵氏は「これを聞いて、トランプ大統領は戦争を望まない人だと感じた。今回トランプ氏が(大統領に当選して)、世界を平和な方向に導けるならそれは素晴らしいことだ」と述べた。

また、夫の安倍晋三氏が「台湾有事は日本有事」と言ったことは重要だが、自身は平和主義を強く信じる人間であり、「万が一の際どうするか」を考える前に、どうすれば事態を避けられるかを考えるべきだと語った。

9月に中国山東省の泰山へ私的旅行をしたことを明かし、「泰山で神様に戦争が起きませんようにと祈った。今世界では様々なことが起きているが、日本が言う『和を以て貴しと為す』精神を持てば、世界は必ず平和になる」と述べた。

台湾との関係

安倍昭恵氏は昨年7月に台湾を訪れ「安倍晋三記念映像展」に出席し、多くの行事に参加した。高雄の安倍銅像前での献花や、昼食会、晩餐会には100人以上が参加し、安倍晋三氏が台湾人に深く愛されていることを十分に実感したという。「その訪問で、私は台湾と日本の友好関係推進に力を尽くすべきだと改めて感じた」

安倍昭恵氏はまた、安倍晋三氏の死後まもなく、賴清徳総統(当時副総統)が東京の安倍氏の自宅を弔問に訪れ、海外からの唯一の訪問者となったことに触れた。今年5月には賴清徳総統就任式に招かれ、賴清徳氏が総統就任後は大変だろうが、頑張ってほしいと述べた。

講演中、安倍昭恵氏は「台湾という国」という表現を何度も用いた。「友情で結ばれた日台両国において、日本人は民主主義を重んじ、人権、自由を大切にする台湾という国を大切にすべきであり、台湾人が日本を非常に支持していることを知るべきである。私も含め、より多くの人が台湾のことを知ってほしいと常に考えている」と指摘。

講演の最後に、日本には李登輝之友会、台湾には安倍晋三之友会があり、今後も日台の友好関係が続くことを期待すると述べた。

来年2月20、21日に台北で開催される、カナダ主催の安全保障フォーラムに出席することを明かした。支持する衆議院議員吉田真次の後援会メンバーも同行を希望しているため、来年「安倍昭恵台湾訪問団」を組織することを検討している。

この日本李友会の集会で、駐日代表の李逸洋氏が招かれ、日本語で挨拶を行った。彼は、米国のブリンケン国務長官が最近、中国は台湾は中国の内政で他国は干渉する権利がないと常々言っているが、国際社会はこれに対し明確に「いいえ、これは私たちの問題です」と回答していると述べたと語った。

李逸洋氏は、李登輝前総統が平和的な方法で台湾の民主化を成功裏に導き、安倍晋三氏は「台湾有事は日本有事」を提唱し、また「自由で開かれたインド太平洋」の提唱者でもあったと指摘した。この二人の指導者は日台関係および地域の安全保障に多大な貢献をしたと述べた。今後はこの二人の精神を継承し、皆と共に地域の繁栄と平和のために努力していきたいと語った。

台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_