ロシア・ウクライナ戦争》和平交渉は不可能?研究機関が公開する4つのシナリオ 最悪の予測:難民100万人が欧州へ

2024年11月29日、ウクライナ第24機械化旅団がドネツク州で訓練を実施。(AP通信)
目次

ロシア・ウクライナ戦争の今後の展開について、和平交渉による終結の可能性に関して、『キーウ・インディペンデント』傘下の研究機関KI Insightsが最新の研究報告書で4つのシナリオ分析を示した。

シナリオ1:ウクライナの「勝利計画」を基盤とした交渉、ロシアの同意は困難

戦争終結への最も積極的なアプローチは、ウクライナが揺るぎない保障計画の下で平和を獲得し、ロシアの再侵攻を防ぐことである。ゼレンスキー大統領が10月に提出した「勝利計画」では、NATOへの加盟要請とロシアを抑止するための長距離ミサイルのウクライナ配備に言及している。ウクライナは欧州諸国が欧州の安全保障枠組みへの編入を保証することを望んでいるが、なぜロシアがこうした条件で停戦に同意するのか。

シナリオ2:和平交渉期間中、一時的な停戦のみが実現

戦争に疲弊し意見が分かれている西側諸国は、体面を失わずに戦争を終結させることを望んでおり、これはプーチンの思惑通りである。このシナリオでのロシア・ウクライナ交渉の結果は、『ミンスク合意』と類似する可能性があり、非武装の国際監視員や重火器規制を含み、NATOへの加盟放棄を含む可能性もある。しかしロシア寄りの立場により、ゼレンスキーの立場は一層強硬になり、最終的に両首脳は和平合意に署名できず、交渉期間中は一時的な停戦のみとなり、最終的にロシアはウクライナへの全面侵攻を再開する。

シナリオ3:欧米の支援不足で、ウクライナは完全な劣勢での交渉を強いられる

米欧の継続的な強力支援がない状況で、ウクライナの戦場での状況は急速に悪化し、前線の凍結さえも困難な最悪のシナリオとなり、ゼレンスキー政権は交渉カードを持たないまま和平交渉を強いられる。プーチンは自国に有利な条項をあらゆる形で盛り込める立場となる。

シナリオ4:ロシアは決して戦争を止めない

「なぜロシアが戦争を止めるのか?」という問いに対して、トランプ次期米大統領、マクロン仏大統領、習近平中国国家主席でさえ答えを出せていない。現時点で、トランプ版の和平計画や、習近平とマクロンの停戦仲介への積極的な姿勢表明があっても、ロシア軍は依然としてウクライナ本土への攻勢を拡大している。

トランプが正式に米大統領に就任した後、欧州諸国はより勇敢で積極的な対応策を取れるのか。ウクライナが戦力で劣勢な状況でも戦い続ける場合、新たな100万人規模のウクライナ難民が欧州諸国に押し寄せ、ロシアはウクライナの最大領土の占領を目標に戦争を継続する。

台湾ニュースをもっと深く:風傳媒日本語版Xをフォロー👉 @stormmedia_

タグで探すおすすめ記事