大量の中国艦艇、第一列島線包囲と国防部が確認! 全面封鎖、外国軍排除を図る

国防部は10日、中国人民解放軍海軍が西太平洋・台湾周辺で顕著な態勢を見せ、台湾への全面的な封鎖を試みていると確認。写真は馬公艦乗組員が中国艦艇・西安を監視している様子。(資料写真、国防部提供)
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賴清德総統が最近の外遊を終えて帰国する中、中国人民解放軍は「軍事演習の発表なし」の状態で大規模な戦力移動を行っている。国防部は直ちに緊急対応センターを設置し、10日に中国人民解放軍海軍の戦力が西太平洋と台湾周辺で顕著な態勢を示していることを確認した。

海外メディアは、中国が現在台湾周辺海域と東シナ海、南シナ海に約90隻の海軍・海警艦艇を配備しており、そのうち約3分の2が軍艦で、配備規模は過去最大であると報じてた。これについて、国防部情報次長室の謝日升中将は、海外メディアの報道を綿密に注視し、これは他の中国人民解放軍に関心を持つ国々が把握している情報と一致すると指摘。今回は特に中国海軍の戦力が過去の軍事演習よりも規模が大きく、西太平洋と台湾周辺で軍事的圧力をかけており、これらを総合すると台湾への全面的な封鎖だけでなく、対外的に地域封鎖を目指す目的があると述べた。

謝日升は、中国が台湾への全面的な封鎖を試みるだけでなく、戦力を対外的に拡大することで、地域封鎖も企図していると主張。誰もが容易に理解できるように、標的や脅威も台湾だけに向けられているわけではない。

今回の中国人民解放軍が留保区域内でどのような活動を行っているのか、外国軍艦への模擬攻撃や商船の遮断を含むのかという質問に対し、謝日升は、解放軍の他国艦船への遮断や模擬攻撃などあらゆる可能性を厳重に監視しているが、他国の艦船について代わりに回答することはできないと述べた。しかし、他国が認識していれば、明らかに台湾だけを標的としているわけではないとしている。また、今回は過去のような実弾演習は現時点では行われていないという。

中国艦艇の台湾海峡での活動について、国防部は否定せず

謝日升は、中国が設定した空域留保区域が上海から福建省南西部まで、総延長約1000キロメートルにわたり、国際航路を意図的に避けていると指摘。第一列島線と西太平洋以東への拡大を図る意図は明白であり、国防部は主に訓練から演習へ、演習から実戦への移行を警戒している。現在まで中国当局からの軍事演習の公式発表はなく、通常の状況下であるが、通常訓練の一環として大規模な戦力と広域での訓練が行われていることは注目に値する。実戦への移行などの行動だけでなく、他国への影響も懸念され、この機会に国軍も必要な対応措置を取る必要があると述べた。

海外メディアが報じた90隻以上の中国軍艦が台湾海峡周辺で活動しているという点について、謝日升は否定せず。しかし、この数字は台湾だけでなく、日本など周辺国も共同で把握しているものであり、数字自体の懸念に加えその行動が周辺地域に与える不安と懸念も重要だと述べた。数字に関しては地域の他国も関係するため詳細な説明は控えるとしているが、確かに「驚異的な数」であり、その展開位置は台湾の東方、第一列島線と第二列島線の間に及んでいると指摘している。その意図は明白であり、公務船には海警船やその他の船舶も含まれているが、公務船である限り、国防部の監視対象になっている。

謝日升は、現時点で中国側は軍事演習とは宣言していないと強調している。これまでは軍事演習を宣言すると、公式メディアを通じた宣伝など、一定のパターンがあった。しかし今回は現時点でそれがない。ただし、国防部が実際に確認している状況では、解放軍の西太平洋における三つの戦区の海軍戦力が、すでに外国軍を排除できる規模の戦力を形成しているという。昨日から東部海域の南東付近、東側に解放軍の防線が形成され、「台湾海峡の内水化」、すなわち台湾海峡の問題は解放軍が自ら処理するという主張を示そうとしていると指摘。現在懸念されているのは、社会がこれまで彼らの行動予告に慣れてしまっているが、国軍は彼らの宣言を待って行動を起こすわけにはいかないという点である。

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