中国人留学生団は3日午前、台湾大学訪問の際に抗議に遭遇した。抗議する学生らは社会科学院1階に集まり、プラカードを掲げ「ここは中国台北ではない」と叫び、対岸の学生と民主主義・自由・人権について話し合いたいと直接表明。中国人留学生団は抗議の列の横を通り過ぎた応答しなかった。
馬英九基金会は中国の7大学の教職員と学生の訪問団を台湾での視察・交流に招待し、北京清華大学校務委員会主任の邱勇が団長を務め、オリンピック卓球金メダリストの馬龍選手、オリンピック射撃金メダリストの楊倩選手も同行。一行は11月27日に台湾に到着し、今日午前に台湾大学を訪問。現場には馬龍選手を歓迎するファンが殺到、一方の社会科学院1階では抗議する学生らがプラカードを掲げ主張。
中国人留学生団は当初午前10時に到着予定だったが、10分遅れて到着し、両側から馬龍選手を歓迎する声の中、社会科学院1階に入った際、「ここは中国台北ではない」「台大生は自由を愛する」「中国の学生との交流を」「平等な交流を望む」などの声が上がった。
台湾大学 抗議参加の学生の声
抗議行動の発起人で台湾大学社会科学院学生は、この抗議行動は異なる学部の学生が自発的に参加したもので、参加者は皆、民主主義・自由・人権を愛する学生であり、対岸の学生と民主主義について交流、また中国ではずっと議論できなかったこれらを共有したいと述べた。台湾の多くの学生が様々な問題に関心を持ち、中国社会の発展にも関心を持っており、対台湾軍事行動の停止、香港民主活動家の釈放、新疆でのジェノサイドの停止、天安門事件の名誉回復、中国の全面的な民主化支持などを含むと指摘した。交流を通じて、対岸の学生がこれらのメッセージを中国に持ち帰ることを期待している。
学生は、交流は対等な尊重と開放性に基づくべきで、一方的な場であってはならず、対岸の学生が「言いたいことを勝手に言う」、例えば「台湾は中国台北ではない」といった発言をし、メディアが和やかな場面を演出するようなものであってはならないと強調。台湾人は民主主義、人権、自由の価値を重視しており、これこそが中国に欠けているものだと述べた。
台湾大学社会科学院3年生の学生は取材に対し、中国人留学生団との交流は支持するが、それは平等と開放性に基づくべきだと述べた。中国人留学生団が台湾大学での交流を計画していることを知った際、学生会や社会科学院事務室に交流への参加希望を伝えたが、「行程は全て機密」との回答を得たという。
又、主催者が他の学生の参加を公平に開放せず、これはより視察的な性質だと述べたことに対し、「すでに台湾に来ているのに、もっと多くの交流ができないのは残念だ。私たちには共有したいことが多くあり、私たちが受けている法治教育や民主主義、人権について対岸の学生に伝えたい」と述べた。又、現場で対岸の学生に「未完の革命:香港人の民主運動と日常的抵抗」という本を贈ろうと準備したことに触れ、これが本当に友好的な交流となることを期待したが、残念ながら全体的に形式的で表面的なものとなり、台湾大学の学生全員に平等な参加機会が与えられなかったと振り返った。
編集:佐野華美 (関連記事: 【訃報】『還珠格格』の作家 瓊瑤氏、86歳で急逝 7年前に身辺整理も | 関連記事をもっと読む )
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