中国共産党元高官の息子、薄瓜瓜が台湾で結婚式を挙げ、話題を呼んでいる。新竹内埔の南園人文会館で行われた世紀の結婚式は、わずか12卓という極めて小規模なものであった。
薄瓜瓜は、中国の「紅三代(共産党幹部の3代目)」として史上初めて台湾との縁組みを果たした人物である。父・薄熙来は秦城監獄に、母・谷開来は燕城監獄に服役中である。「共和国の孫」として生まれながら、現在は中国政界の周縁に追いやられ、海外で暮らす没落した「赤い貴族」となっている。
アジア太平洋平和研究財団の許信良董事長は風傳媒のインタビューで、「米国とカナダでの生活を経て、薄瓜瓜は生まれ変わったように見える。かつての華やかなプレイボーイの面影はない」と語っている。しかし、もし本当に更生し、長く連れ添う覚悟ができているのなら、なぜ許家の父親がこの結婚に反対したという噂が流れているのだろうか。
新たな出発:台湾の婿に
薄瓜瓜の心理を分析すると、3つの側面が見えてくる。まず、富裕層二世特有のパーティー文化への執着である。婚前パーティーでは、アメリカンスタイルを台湾に持ち込み、富裕層らしい趣向を見せた。当初台北信義区で予定されていたパーティーは、情報漏洩により大直に場所を変更。参加者の大半は外国人で、メディアとの騒動も起きている。台湾メディアは比較的穏当な対応を見せたが、香港やイギリスのメディアほど強引な取材は行わなかった。
次に、今回の薄瓜瓜の動きは信じがたいほどの超低姿勢である。「赤い貴族」が台湾の名家と結婚するにもかかわらず、新竹南園での12卓という極めて小規模な披露宴を選んだ。最高級の規格でありながら、最も控えめな方法を取り、公開された写真は一枚もない。台湾で残された唯一の映像記録は、羅東病院での健康診断時の「髪は写っているが顔は見えない」写真のみである。さらには、かつて薄瓜瓜と旅行した際の写真に写っていた中国共産党元老・陳雲の孫娘、陳曉丹が、宜蘭羅東の許家の娘・許惠瑜と誤って報道されるという出来事まであった。
国際メディアとの豊富な対応経験から、薄瓜瓜は賢明になったと推測される。映像の流出を徹底的に防ぐ決意を固めたものと思われる。
第三に、外界は薄瓜瓜の海外での莫大な資産の出所を疑問視している。これは根拠のない噂ではない。「上の世代」の庇護がなければ、カナダの豪邸に住み、休暇にはヘリコプターでスキーに行くような生活は送れないはずである。薄瓜瓜は米国の弁護士資格を2つ持ち、カナダのパワーグループのファイナンシャルアナリストの資格も持っている。台湾の居留証や身分証の申請は考えていないと思われ、妻の家族に挨拶し、結婚式を終えたら、カナダでの生活に戻るのだろう。 (関連記事: 《あの時の新聞から》台湾の花嫁を迎える薄瓜瓜"グァグァ"、なぜこの名前? 中国の政界人・芸能人に見る子どもの命名術 | 関連記事をもっと読む )
薄瓜瓜には異母兄の李望知がおり、兄弟の性格は大きく異なる。李望知は近年、ハーバード大学フェアバンク中国研究センターの客員研究員を務め、投獄された薄熙来に面会に行っている。一方、薄瓜瓜は両親が服役中にもかかわらず、長年海外で派手な生活を送り、両親への面会や関心を示す言動は見られない。